いで湯の宿

駅前高等温泉

 

 現在別府駅から10号線に至る駅前通りが別府の顔にふさわしいシンボルロードとして整えようとされている。

 その街並みの中で最も別府らしさを感じさせる建物が、大正13年に建てられた駅前高等温泉である。

 いで湯の街の温泉気分を味合わせるポケットパークを建物の前面にとり、お薬師様を祀る祠と紫雲石を組み合わせた噴水式の温泉飲み場を設けて、温泉を身近に感じさせる。

 イギリスの民家を想わせる柱や斜材を外部に現わしたハーフチェンバーと呼ばれる型式の建物で、建てた当時は異国情緒を感じさせるすっきりとした温泉建築として市民の注目を集めた。

 温泉は泉質の異なる硫黄泉の上等湯と、炭酸泉の並湯とに分かれて、そのためか駅前高等温泉と駅前温泉という二つの看板がかかっている。浴場部分は現在白色を基調にした、明るく清潔感あふれる温泉になっている。

 戦後、浴客のニーズに合わせて設備を整え、宿泊施設を設けてある温泉も珍らしい。 北町の町内有志の手により建設され、管理運営されてきた建物だけに、当時の市民の国際観光温泉文化都市建設への意気込みが感じられる。

(H4.1)

 

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