ホタルの幼虫の生態
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貝に集まった1齢幼虫の集団

2ミリほどの大きさの 幼虫です。

これは孵化して2週間ほど経った時期の、大きさがまだ2mmほどのホタルの幼虫が、カワニナのまわりに集まっているときの拡大写真です。
左の幼虫写真の実物大の大きさは ですから、幼虫はゴミと間違うほど小さく、肉眼では左の写真のように詳しくは見えません。
川や井手でこの時期の幼虫がどこにいるか探しても、見つけることはむずかしいでしょう。だから幼虫を手に入れるには、容器の中で産卵・孵化させる方法を用いています。
幼虫は飢えに強い性質があります。しかし、幼虫はよく育つものと小さいままのものとがあり、育ち方にはかなりの個体差が生じてきます。

 幼虫が孵化した6月末から7月ごろに、水環境に恵まれた庄内町で、えさのカワニナもよく育つように手入れをしている飼育地と、そのそばを流れる川に大部分の幼虫を放流するようにしています。

カワニナに群がる1齢幼虫

左の写真は孵化して1週間ほど経った時の2ミリほどの大きさのホタルの幼虫を拡大したものです。この黒く見えるカワニナは5ミリほどの大きさですが、これに小さな幼虫が群がって一斉に頭を突っ込んでいます。

98年から稚貝採取装置を自作して自宅の庭で運用し、親貝から稚貝を産ませたものを与えて、室内に置いた容器で幼虫を育てています。今年からは、夏場の暑い時期には飼育容器を冷房を効かせた室内に置いて、温度を26度前後にして管理していまが、順調に生育しているようです。

成長した時期の幼虫
拡大映像
があります

 これはカワニナを与えながら自宅で育てた11月中旬のホタルの幼虫の一部を観察しやすいように取り出して撮影したものです。どれも同じえさを与えて同じ飼育条件で育てたものですが、幼虫の育ち方にはかなりの個体差が見られます。この写真で大きく生長したものは2.5cmほどです。飼育容器から取り出すと、すぐにこのようにお互いにだんご状に寄り集まる習性があります。

 3月末から4月上旬には上陸して土まゆをつくり、1年で成虫になりますが、小さいままの幼虫は2年から3年かけて成虫になります。

かわになを食べる幼虫

幼虫の頭部〜胸部

幼虫のオオアゴと頭部

この写真はホタルの幼虫の頭部です。左の写真では3cmほどに育った幼虫が頭部をカワニナに突っ込んでカワニナに消化液を注入して、肉を溶かして吸い込んで食べます。大きな幼虫になるほど大きなカワニナを食べることができるようになります。

 成長した時期の幼虫

ゲンジボタルの幼虫

このゲンジボタルの幼虫は自宅で育てて、12月中旬に撮影したものです。からだは2.5cmほどの大きさです。幼虫の時期からメスはからだが大きく、オスは小さいのが普通です。
からだ全体としては黒っぽい色をしていますが、背中にご覧のような模様が見られます。川の中では平たい石の下などにじっとかくれていますから、川で探してもなかなか見つけられません。
ホタルは孵化した7月からの翌年3〜4月の上陸の時期までは水の中で育ちます。ホタルは脚が6本あります。腹には、水の中に溶けた酸素を呼吸するための呼吸えらもあり、頭部は細くなっています。

脱皮直後の白い幼虫

これは幼虫のからだが成長して、脱皮したすぐあとに撮影したものですが、白くすきとおる感じで中が見えています。脱皮したあと、だんだん時間が経つにつれて色が黒さを増して、また元のように黒くなります。ホタルの専門書によると、1回脱皮するごとに2齢、3齢と数え、6回の脱皮をくりかえして7齢を終齢幼虫といいます。脱皮したあとには水中に左下のようなぬけがらが見つかります。(拡大画像があります)


幼虫の上陸と発光

 雨の降った夜の4月15日、ほたるを育てている現地に出かけました。これまで水の中で生息していたものが、上陸している終令幼虫を見つけました。写真は撮影しやすい状態にして撮ったものです。大きさは2.5cmほどに成長しています。
矢印→で示した2カ所が発光する様子を、暗い所で撮影したものを下に並べて示しました。背中側から見ると、幼虫の尾部の少し黄色みを帯びた部分が2カ所、ピカーッと弱い光を出します。暗い場所で時々しか光らないので、幼虫を見つけるために時間を要します。
はい回りながら、 もぐりやすいところを見つけて土にもぐり、土まゆをつくります。

上陸期の幼虫の発光


げんじぼたる幼虫の尾脚(びきゃく)のはたらき 

10本の尾脚を広げた状態

尾脚を広げた瞬間が次の写真です。

ほたるの幼虫は、移動するときやからだを固定するときに尾脚を用います。
左の写真は、尾脚をいっぱい広げた瞬間です。片方にそれぞれ5本ずつ伸び出てくる筒状をした部分があります。これを使って吸い付いてつかまります。このため、速い水の流れの中でも、流されずにいることがでるのでしょう。

下の写真は、ビデオカメラでびきゃくの動きをとらえたものです。よく見ると、細いパイプ状のくだを出したりへっこませたりして,この部分で吸い付いて、しっかりつかまりながら、からだのうしろがわを曲げたり伸ばしたりして、前に移動します。

幼虫は尾脚で歩行する
尾脚
(びきゃく)による移動のしかた

移動前に曲げる
尾脚を開きはじめ
尾脚でつかまる
最も開いた状態
尾脚を閉じていく
からだが前進
 

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