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都市の真ん中に有刺鉄線を張り巡らされた空き地がいたるところにあった。
土管や建築資材が置き去りにされ、子供の背丈より高い雑草に覆われていた。
1960年代の日本は高度成長のまっただ中、
地上げを待つ開発に取り残された都市の真ん中の殺風景な土地、
私達は「ひろっぱ」と呼び、絶好の遊び場だった。
空をこえて、ららら、星のかなた・・・・・・
夢の超特急、東京オリンピック
ジェミニ計画、アポロ計画、月面着陸
未来に、宇宙に夢を馳せることができた時代だった
1970年
大阪万博、70年安保の敗北、経済成長の絶頂期
私は中学生になっていた。
60年代に遊んだ「ひろっぱ」は建築現場になっていた。
ビートルズ解散、オイルショック、GNP神話の崩壊、ソイレントグリーン、
夢に満ちあふれているはずだった「未来」は虚像と化した
1976年大学入学、
70年に熱く吹き荒れた学園紛争の嵐は沈静化され、
寒々しい平和な学園風景だった。
「遅れてきた青年」
その意識が私の身体を支配した
自分の中に燃える若きエネルギーは行き場を失い
「我らの時代」を感じさせる「何か」を求めて彷徨っていた。
そして、カメラバッグを背負い北に向かう列車に乗った
私は「何」を見たいのか、「何」を求めているのか、「何」を残したいのか
それが解らないままシャッターを押し続けていた。
印画紙に浮かび上がってくるのは、いつか遠い昔に見た光景
既視的光景の数々
失われた光景たち
私は、いつしか原風景を求め彷徨っているのだった。
「原風景への回帰」
そして、またカメラバッグを背負い旅に出る



