我輩はジュンである

                 8月3日  大雨(台風接近!)

〜お盆の灯籠祭〜
8月13日 
本堂内陣に檀信徒の
皆様の、ご先祖様や水子さんの
戒名がおまつりされた。

今は亡き父母や愛児の面影を偲んで
皆様がご供養されるのだ。
「お父さん、ありがとう」
「お母さん、私達元気にしています」
「水子さんョ、いい処におまいりしてネ」
とさまざまな想いが込められている。

僕のお父さんやお母さんのも
お願いしたかったけど、
皆忙しそうだったので、
言い出せなかった。
残念だ。 
今日は16日。
いよいよお盆の慰霊祭。
炊事場に、いつものおばさん連中が
ご加勢に来てくれた。


僕にもユカタを着せてくれた。
みんなが、
可愛いカワイイと言ってくれたが、
暑苦しかった。

こんな物を着せてくれるより、
ボクには食えるものをいただける方が、
よっぽどありがたい。
まわりが暗くなると、
境内のご先祖様の灯籠に
明かりが灯されて、
和尚さん達が、
お経をあげてまわり始めた。
駐車場の浄土院や開山堂等を巡って
本堂に帰ってこられた。
香の薫りがただよい、
まことに幽玄な雰囲気。
      
本堂のお縁では、
比叡山のご詠歌が唱えられている。

「悲しいかなや 人の此の世は永くして
  変わらぬ春とおもえども
    はかなき夢となりにけり」    
19時30分  
定刻通り、慰霊法要が本堂で始まった。
故人を偲びながら
合掌しておまいりだ。
和尚さんのいつもの迷説教が始まった。
今年は、靖国神社のことも話していた。
僕にはあまりこむずかしい話なので、
境内の万灯籠の処に出た。
臨子ちゃんが、真剣な顔をして
一つの灯籠を見ている。
和尚さんに頼んで、
親に灯籠をあげたのかな?

いいなぁ〜と思って、
近づいたら・・・・・。
燈にアブラ蝉が来ていた。
それを狙っていたのだった。
お盆の慰霊祭をしている
最中というのに、
困ったもんだと、僕は思った。
そこへ、別府の足達さんの
お孫さんがやって来た。

「何か食べるもの持ってないかい?」

と尋ねてみたが、

「・・・・・・。」 返事がない。
僕の言葉がわからないようだ、
と思ったが、

「ママ〜! この犬、僕に
『何か喰う物くれ』って言ってるよ」

ちゃ〜んと、わかっていた。
「ママ〜、こいつ腹が減ってるんだ。
晩ごはん、もらってないんだって」

つまらんことを言うガキだなぁ、と思った。

「こっちへいらっしゃい」、とおかんらしき
ご婦人が呼んでいる。
.「ボク、ママの所へ行くョ。
あとでお寺の人に
晩ごはんもらうといいョ。
バイバーイ。」
涙で、灯籠の美しいあかりが
曇ってしまった。
明けて、17日の午後3時過ぎ、
灯籠祭の後片付けが、全て終った。
時折強い風と雨が降る。
昨日でなくて、よかったよかったと、
みんなで胸をなでおろしていた。

台風10号が、宮崎の南東海上を
西北西に進んでいる。
明日には九州上陸の予報が出たので、
今度は台風襲来準備だ。
本堂の板戸も閉め切って、
台風との戦いだ。
今年は幾つ襲来することやら。
まことに招かざる嫌なお客だ。
皆様も万全の対策で、
臨んでください。
それでは、また。

                 おわり
                 
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