太陽黒点減少中の秘密兵器,ビバレージアンテナを作りました。
ビバレージアンテナ。アマチュア無線をしている人であれば一度は聞いた事があると思いますが,実際に作り,使った事のある人はそんなに多くないと思います。
SSN低下によりハイバンド,特に28MHzは欧州や北米が聞こえただけでうれしくなるような状況になりつつあります。
これからしばらくはローバンドの時代。噂に名高いビバレージアンテナを作ってみる事にしました。
[ ビバレージアンテナについて ]
このローバンド受信用アンテナの効果は広く知られていますが,100m以上のスペースを必要とする事から,狭い国土の日本では利用できる人はかぎられます。
この点ごまがらクラブのシャックは山の中。スペースはいくらでもあるのでいつかは試してみたいアンテナでした。
ところでどうしてビバレージという名前なのでしょう。
(Beverage)辞書で調べると飲み物とあります。アンテナとのつながりに首をかしげていたら,考案した人の名前でした。
スペースがあるといっても,周りは雑木に囲まれて夏はジャングルと化してしまいます。 冬に作っておかないとまた来年までチャンスがなくなるので,春のコンテストシーズンに合わせ設置する事にしました。
今回設置した北西方向の雑木の茂み
[使用した部品]
必要な部品は以下の通りでわずかです。シンプルかつ豪快に作るアンテナなのだと思います。

・マッチングトランス(450Ω:50Ω)
トロイダルコアを使用した自作の方法もありますが,市販品があったので購入しました。

・アンテナ線
導電性の材料ならなんでもいいようで,受信用なので太くなくてもかまわないようです。数百mも張るので,軽くて丈夫というのが具備すべき条件でしょう。
今回はあり合わせの平行ビニール線100mを割いて200mにして使いました。
1.5mmのステンワイヤーも用意していたのですが,接続の問題があったので今回うまく動作すれば,北米向けを張る時に使用してみるつもりです。太めのエナメル線などが良さそうな気がします。

・終端抵抗(300〜600Ω)

抵抗値についてはいろいろ説があるようですが,使用する抵抗はL分の無いものならなんでもいいようなので,手持ちのソリッド抵抗を数本組み合わせて500Ωにして使いました。

・アース棒2本

終端用と受信機側に80cmのものを使いましたが,周りの山は地盤が岩石のようで,半分しか打ち込めませんでした。
[張った方向]
ワイヤーアンテナハンドブックなどをみても,あまり詳しい作り方が書いてありません。
要は目的の方向に出来るだけ長く張れば良いのだと理解する事にしました。
今回はヨーロッパ向け北西に200m張りました。長さに特別な根拠はなく,たまたま線がそれだけあったからですが,3.5Mで2波長以上はあるので十分と考えました。
[アンテナの高さ]
ハンドブックには3〜5mとありましたが,うっそうとした雑木の中を一人で200mもそんな高さに張るのは困難です。
高いほど感度が上がるようですが,信号が強くなるのと同時にノイズレベルも上がるので,S/Nは変わらないとの見方もあるようですので,手の届く範囲の1〜2m程度にしました。
いつもハイゲイン,ハイパワーにとらわれがちですが,受信用なので聞こえれば良いわけで,感度よりもS/Nがより重要になります。このアンテナは目的方向外の信号やノイズを抑える,引き算のアンテナなのだと思います。
道などあるはずもなし....。
雑木の茂みの中を延々と張っていきました。こんな茂みのなかに電波が入るのだろうかと心配しながら,200m進むのにたっぷり一時間以上かかってしまい,真冬なのに大汗をかいてしまいました。
アース棒にアンテナ線と終端抵抗を接続後,自己融着テープで防水処理。
この状態で矢通しの要領で雑木の中を張り巡らせた
[使用感]
まだほとんど使った事がないので,なんとも言えませんが,先日のWPX RTTYで少し7Mを聞いてみました。
このバンドでは4波長以上の長さになり,指向性はかなりでている事が確認できました。。
3エレと切り替えて聞いた感じでは,北米方面は全く聞こえなくなりますが,欧州と聞き比べると,信号レベルは20〜30dB低下しますがS/Nは遜色なく,むしろ聞きやすい感じさえしました。アッテネータ代わりにちょうどいい感じです。
プリアンプが必要なのではと思っていましたが,意外に信号レベルもあり3エレとの比較なので十分満足できます。
3.5MでCD78との聞き比べが楽しみになりました。3月のBARTGとWPXSSBで本格的に使用してみるつもりです。
[製作した感想]
一人で作りましたが,広いスペースとやる気さえあれば1日で出来ます。
作るうえで最も注意を払ったのは,動物対策と派手な服装??です。
このあたりはイノシシが多く,この日(2/11)もシャックに来る途中の道で銃を抱えた猟師をたくさん見かけました。雑木の中でイノシシと間違えられてズドンとやられてはたまらないので,あらかじめ赤い目立つ色の服を用意してきました。それでも遠くのほうで銃声らしき音が聞こえると気分よくありません。hi
アンテナ線は,イノシシには届かないくらいの高さはありますが,このあたりは鹿なども出没します。
オスの鹿などは立派な角までいれるとかなりの背丈で,ばったり出くわしたりすると圧倒されます。
でもたぶんこの雑木の中には角が邪魔して入ってこれないでしょう。
アンテナを張る途中ポッカリと空間があり,なにかと思ったら「津久見峠」と書いた看板と三角点を見つけました。道などなく誰も通ることなどない場所ですが,看板が新しくちゃんとメンテされている事に驚きました。おそらくここから先は臼杵市なのでしょう。427.3mとあり,シャックとほぼ同じ高さです。

以上,豪快かつワイルドに作ったビバレージアンテナですが,接地抵抗の改善や終端抵抗の調整なども機会があれば試して報告したいと思います。 
                                  2004/2  JH6JSR
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