[ 太極拳修行の旅 in 上海 ](完全版)

5月2日(日)曇り
  今日から待ちに待った中国旅行。

 AM 10:43 臼杵発のにちりん8号に乗って、博多へ。
博多駅から福岡空港へは地下鉄で20分くらい。
しばらく空港でブラブラ。

  PM 3:15 第3ターミナルツアーカウンター前に集合。
訪中団は63名。やはりご年配の方が多かった。
みんなでVIPルームへ。
VIPルームで簡単な紹介。
訪中団の団長は、加賀孝一先生。
副団長は、大分の誇る三大芸術家、水墨画の詫間夢鳳先生、書道の西村春斎先生、
洋画家の児玉成弘先生。
秘書長で、実質的なお世話係は、わが太極拳の安部哲也先生。
事務局長兼通訳は、安部哲也先生の娘であり、私の太極拳教室の先生である安部岬
先生の妹でもある安部彩華さん。

  そして、PM 5:15 福岡空港を発ち、PM 5:55(現地時間)に上海虹橋空港に到着。
時差が1時間だから、1時間半くらいでもう中国にいることになる。
すごく近い国だ。
  空港からツアーバスでシーガルホテルへ。
おなじみの回転する丸い台のあるテーブルで中華料理の夕食をいただく。
(これ以後ずっと丸テーブルで中華料理・・・当然)
  そして呉昌碩(ゴショウセキ)記念館へ。
呉昌碩は近代中国の大芸術家だそうだ。
呉昌碩のひ孫さんである呉越(ゴエツ)さんに迎えられる。
記念館の敷地にはいくつもの建物があり、さながら中国の宮殿のようだ。
その中に2階建てのホテルが2棟ある。

  そして部屋に行く。
私は太極拳の先生である竹中貢さんと同室だった。
フロに湯船が無いのには閉口した。湯船のある部屋もあったらしい。
  中国のドラマを観る。
軍隊が舞台の青春恋愛物だった。言葉はわからなかったがおもしろかった。
PM 11:00ごろ寝た。

5月3日(月)曇り
 AM 7:00 モーニングコールで起こされる。
ぐっすり眠れてよい気分だ。
朝食後、呉昌碩(ゴショウセキ)の作品を見る。さすがに美しい。
そして、今回のツアーの大きな目的である「上大三人展」が始まる。

  「上大三人展」は大分の誇る三大芸術家、
水墨画の詫間夢鳳(タクマムホウ)先生、
書道の西村春斎(ニシムラシュンサイ)先生、
現代画の児玉成弘(コダマシゲヒロ)先生ら3人の先生方の作品を
中国の大芸術家である呉昌碩(ゴショウセキ)の記念館で展示するという
催し物である。
  3つの部屋でそれぞれ33点の作品を展示していた。
非常にすばらしかった。

 夢鳳先生の水墨画。
国東の石仏を描いたものが多かった。
すずめ、竹、花の絵もある。
大胆な筆致でどこかユーモラスな石仏、対照的に繊細な花、生き生きとして
いるすずめ、渋い竹・・・
見ていて楽しい水墨画だった。

 春斎先生の書。
私は書のことはよくわからないが、バランスがきれいで個性的な字のような
気がする。
数年前、日中友好で万里の長城で1キロメートルに渡る書を書いたそうだ。
すごいパワーである。

 児玉先生の現代画。
大胆でものすごい勢いの壁いっぱいの絵。
反対に小さくてきれいな雑誌サイズくらいの油絵。
自分の部屋にも飾っておきたくなった。

  部屋の真ん中に立って絵や書を見ているとなにか不思議な幸福感を感じた。
みんなが去った後も1人で3つの部屋をグルグル回って細かく1つ1つの作品
を見ていた。
その時、ちょうど安部哲也先生が通りがかった。
「すばらしい作品ですね。強力な気を感じます。」とおっしゃる。
そうだったのか!
私偉大な作品が発する強力な気を四方から全身に浴びていたのか。
それゆえに体の芯から膨らむような幸福感を味わっていたのだ。
なんという幸せな体験だったのだろう。

  昼食を食べながらの祝賀パーティー。
そして、呉昌碩のお孫さんであるゴチョウギョウ先生の講演。
呉昌碩についてのお話だ。
中国近代芸術の代表、呉昌碩はやはりすごい人だ。
子供のころから苦労に苦労を重ね、ついに道を究めた人らしい。
掛け軸は、「画(水墨画)」「詩」「書」「印」の4つの芸術が融合した
総合芸術だが、そのどれもが極めることは大変困難だそうだ。
呉昌碩はそのすべてにおいて比類無きほどに極めて「四絶」と呼ばれたそうだ。
「絶」とは最上という意味だ。
私も呉昌碩の掛け軸を1つ買った。印だけは本物らしいのでかなりの値打ち
ものだろう。
4日目に「上海博物館」に行ったが、呉昌碩の作品もちゃんと展示してあった。
まちがいなく中国を代表する芸術家である。

  その後、水墨画班、書道班、太極拳班にわかれての学習。
先生は現役の上海体育大学の先生と、元大学の先生だ。
養生法のイ・シュンブン先生と
太極拳のキュウハイソウ先生。
安部彩華さんの通訳で講義開始。

1.養生法の講義
養生法では3つの字が大切。
「気」「血」「動」
「気」は人間の活動のエネルギーである。
「血」によって「気」を健康に保つ。
「動」によって「血」を体内に行きわたされる。
養生法は、この3つの字が人体にどう影響を与えるかを調べ、考える学問。
養生法によって、あらゆる病気にそなえることができる。
後述するが、実は私はもう養生法の恩恵を受けている。

2.太極拳の講義
西洋のスポーツは体だけを使っている(訓練)が、
太極拳は体(外)と気(内)を一緒に養成する(修練)。
自然であることが一番重要で、力を使いすぎない。
陽の気と陰の気のバランスが大切。
「動中求静」 動きの中に静を求める。
「実中求虚」 実の中に虚を求める。
「静」と「虚」の認識が大切である。
肉体だけでなく「悟り」も要求される。
さらには、一生涯の哲学も学び取れる。

 そして、いよいよ太極拳の修行が始まった。
修行をするのは10人くらいの方達だ。
ご婦人方ばかりだったが、みなさん長く太極拳をされているベテランの方達だ。
私が一番初心者。
芝生の上で体を慣らして、学習開始。
まずは、イ・シュンブン先生の養生法を学ぶ。
今日は「錬功(れんこう)十八法」の首・肩の六法を習った。
そして、キュウハイソウ先生の太極拳。
「四功六法」という動き。
日本で私が習っている太極拳は「簡化24式太極拳」と呼ばれるもので、
楊式太極拳が元になっている。
「四功六法」は、楊式・呉式・陳式・孫式の4つの代表的な太極拳が融合した
もので、普段やらない新しい動きも習った。

 夜になると雨が降ってきた。かなり激しい。
夕食後、ホテルの廊下に集まってみんなで今日習ったことの復習。
なんでも学習がすんだあと、試験があるとの噂が飛び交っていた。
「れんこう十八法」の首・肩の六法はだいたい覚えた。
私は仕事がら(プログラマー)首・肩がこりやすいのだが、
日本に帰ってから毎日、首・肩の六法をやっている。
1回目からさっそく効果があらわれ、首が柔らかくなり痛みを感じる
ようになった。今までは痛みさえ感じないほど固くこわばっていたようだ。
毎日やっているうちにその痛みもだんだんと小さくなっている。
あきらかに首・肩が柔らかくなっているようだ。
PM 10:00ごろ寝た。

5月4日(火)曇り
  AM 7:00 モーニングコールで起こされる。
朝食後、庭に出て、修練の続き。
昨夜の雨もあがっている。誰か日ごろの行いがいいらしい。
養生法では「れんこう十八法」の胸・腰の六法と脚の六法を習った。
これに昨日習った首・肩の六法を足して、十八法となる。
太極拳は「四功六法」と先生が作った「精華太極拳」。
最後はお馴染みの「簡化24式太極拳」もやった。
そして先生方も交えて打ち上げの昼食会。
安部哲也先生と彩華さんが通訳をしてくれる。
この昼食会で眠らなかったので、みんな試験は合格、とのことだった。
夜の歓送会で立派な修了証書までいただいた。

  呉昌碩(ゴショウセキ)記念館に別れを告げて、上海市街地へ。
今日は虹橋賓館(レインボーホテル)に泊まる。
大きな店でショッピング。
母にネックレス、父に猫目石、みんなのおみやげにパンダの人形と
パンダチョコを買った。
夜は貴都大飯店で盛大な歓送会。
政府のお偉方も来ていたらしい。
西村春斎(ニシムラシュンサイ)先生の書道パフォーマンスもあり、
盛況のうちに終わった。
PM 10:00ごろ寝た。

5月5日(水)曇り
  朝食は8時からだったが、私は早めに起きて一人で周辺を散歩した。
(これがなくっちゃ私じゃない!)
上海の町は日本のダウンタウンの雰囲気がある。
ちょうど、通勤・通学の時間。
広い道路を車も自転車もバイクもいっしょくたに走る。
「赤信号、1人で渡っても怖くない。」
まじめに信号を守っている人はいなかった。(^_^;)
電車のようにアンテナ(って言うの?)から電気を受け取って走るバス。
車体が2つつながったバスなども走っていた。

  朝食後は「上海博物館」へ行く。
中国で2番目に大きな博物館だそうだ。

とてもすべてを観てまわる時間はなかったので、絵、書、彫刻を
重点的に回った。
清の時代の画家として呉昌碩(ゴショウセキ)の画があったのは素直に
うれしかった。
  昼食をとって、PM 1:45 発の飛行機で帰国・・・・のはずだったが、
なんと飛行機が2時間も遅れてしまった。
持ってきた「スプートニクの恋人」(村上春樹)を読み終えてしまった。
予約をしていた電車には当然間に合わなかったが、なんとか座って帰る
ことができた。
10時半頃家に到着。
非常に実り多い旅だった。