オリンピック・マラソンの記録

  1. オリンピック最高記録は?
    あの焦熱のロサンゼルス大会(84年)でのカルロス・ロペス(ポルトガル)の2時間9分21秒が歴代最高記録。2位 は76年モントリオール、チェルピンスキー(当時の東独)の2時間9分55秒、3位・4位 は再びロサンジェルス大会、銀メダリストJ・トレーシー(アイルランド)の2時間9分56秒、銅メダリストC・スペディング(イギリス)の2時間9分58秒である。

  2. サブテンは何回?
    84年ロスの3回と76年モントリオールの1回、計4回がすべてである。

  3. 最初の入りの5kmのスプリット・タイムは?
    96’アトランタ:16分14秒
    92’バルセロナ:16分03秒
    88’ソウル:15分29秒
    84’ロサンジェルス:15分35秒
    80’モスクワ:15分48秒
    76’モントリオール:15分19秒
    72’ミュンヘン:15分51秒
    68’メキシコ:16分44秒
    64’東京:15分06秒(ベスト記録)
    60’ローマ:15分35秒
    56’メルボルン:不明
    52’ヘルシンキ:15分43秒

    なんとこの50年の間、入りの5kmのペースにあまり変わりはないのである。オリンピック最高記録の出た84’ロスでも15分35秒 である。驚くべきはこの50年の最高の入りの5kmは64年東京オリンピックの15分06秒であったということである。アベベのペースではない。ロン・クラークが引っ張ったのである。この時点でアベベは11秒遅れである。いずれにしてもこのペースが東京での世界最高記録の伏線になっているのは間違いない。
    さて、20世紀最後のオリンピック・マラソンの入りは果たしてどのくらいのペースで刻まれるのであろうか?旭化成の谷口コーチは「速くても、遅くても15分30秒」といっているが.........

  4. 最も速い5kmスプリット・タイムは?
    とても調べにくいテーマであるが......

    (1)80'モスクワの20〜25km:14:13
    (2)84'ロスの35〜40km:14:33(優勝者ロペスのラップタイム)

    (3)80'モスクワの35〜40km:14:48(優勝者チェルピンスキーのラップタイム)
    (4)84'ロスの10〜15km:14:51
    (5)76'ミュンヘンの10〜15km:14:57
    (6) 88'ソウルの5〜10km:15:03
    (7)64'東京の〜5km:15:06
    (8)64'東京の5km〜10km:15:08
    (9)76'ミュンヘンの15〜20km:15:09
    (10)72'モントリオール20〜25km:15:11
    (10)96'アトランタ30〜35km:15:11

    モスクワの14:13はオリンピックマラソンとしては驚異的なペースである。このスプリットを出したメキシコのゴメスは35kmまでトップをとるがその後失速し、結局6位 でゴールしている。

    84年ロスのロペスは35kmからの猛チャージに続き、上がりの2.195kmを6分25秒で走りオリンピック最高タイムを刻んで優勝した。

    80年モスクワのチェルピンスキーも35kmでスパートし最後の2.195kmを6分28秒で走り優勝。

    92年、96年のマラソンは気温、坂などのせいか概してスローペースに終始した。

  5. 上がりの2.195km:最速スプリット・タイムは?
    (1)76'モントリオール、チェルピンスキーの6分13秒
    (2)84'ロス、ロペスの6分25秒
    (3)96'アトランタ、チュグワネの6分28秒
    (3)80'モスクワ、チェルピンスキーの6分28秒
    (5)60'ローマ、アベベの6分43秒

    (6)72'ミュンヘン、ショーターの6分49秒
    (7)92'バルセロナ、黄の6分50秒
    (9)88'ソウル、ボルディンの6分53秒
    (9)64'東京、アベベの7分01秒


    チェルピンスキーの6分13秒は過去のあらゆるマラソンレースを通じて最高水準のスプリットタイムである。このスプリットをオリンピックで出すのだから驚異的である。
    60年ローマ、アベベのあの有名なアッピア街道での最後のスプリットがこれほど速いペースであったとは!このペースがこの50年間のオリンピックマラソンの中で5位 の記録として残ることが信じられないことだ。
    オリンピックマラソンの過去のレースのいずれにおいても、たとえそれが高温、坂などの不利な状況下でのマラソンであったとしても、優勝者は最後の上がりを必ず6分台で刻んでくる。普通 のマラソンでの6分台は当たり前かもしれないが、オリンピックマラソンでの6分台は大したものである。優勝するなら6分35秒(5km,15分ペース)を目指したいものだ。