『分身』 について
(、別のタイトル訳「二重人格」)


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 ( これから読む人は、以下、ネタ
ばれの箇所(
の箇所)に注意!) 


     


< 概要 >

長めの中編。初期の第二作。
舞台は都会ペテルブルグ。勤め先での劣等意識と自己の無能さに悩んでいる主人公ゴリャートキン(下級官吏)の職場の同じ課に、ある日、彼と容貌が瓜二つで名前も同じ有能な人物新ゴリャートキンが転勤してきてやがて彼に仕事を次々と奪われていった主人公は、彼との出世争いに破れ、精神的にも追いつめられ、ついには精神病院送りとなってしまう

※、作中で示されていること(職場の他の人には新
ゴリャートキンは見えていないこと)から、ゴリャートキンはゴリャートキンにとって彼が生み出してしまった幻覚(精神病理学で言う一種のドッペルゲンガー=分身)だとみなしてよい。作中ではそのような幻覚(妄想、忌避と願望)と現実がないまぜになっていて、物語が進行している。

《所収》
河出書房版全集(巻1「分身」)
筑摩版全集(巻1「二重人格」)
新潮社版全集(巻1・江川卓訳「分身」)
岩波文庫(小沼文彦訳「二重人格」)