GRACEFUL Wedding


     1 お仲人さんは人生の先輩。
          かつ大切なアドバイザー。

 よく、「お仲人さんへのお年賀・お中元・お歳暮は、最低3年が目安」だと言われます。
つまり、これを過ぎたら、お仲人さんとのお付き合いはもうおしまいにしても構わないと思っている人も
いるようですが、これはとんでもない心得違いというもの。
 本来、お仲人さんは結婚式だけのためのものではありません。結婚生活の先輩として、人生のさまざま
な局面でアドバイスをお願いできる、大切な存在でもあるのです。ですから、たった3年のお付き合いで
縁を切ってしまっていい相手のはずがありません。

   お仲人さんを粗略にすると恥ずかしい思いをすることも。

 たとえば、お付き合いのとだえていたお仲人さんが亡くなった場合を考えてみましょう。疎遠になって
いたとはいえ、最後のお別れには伺うはずです。そんなとき、結婚後は年賀状も出していなかったという
のでは、ずいぶんバツが悪いはず。人生の先輩と仰ごうと決めた以上、大切にお付き合いしていきたいも
のです。
 こう書くと、今度は逆に「お仲人さんとのお付き合いって、面倒くさい。そんなことなら、いっそお仲
人さんはいらないわ」と思われるかもしれません。けれど、それほど面倒でもないものです。
 まず、お中元・お歳暮を3年でやめたとしても、年賀状は近況報告の意味で続けましょう。あとは旅先
でおいしいものをみつけたときにお届けしたり、地元名産の果物などが旬を迎えたらお送りする程度でい
いのです。お中元だ、お歳暮だと改まらなくとも、いいもの、おいしいものをみつけたらその喜びをおす
そ分けするぐらいの気持ちであれば、「面倒」だったり、「先方も負担」だったりすることもないはずで
す。
 最近は面倒な付き合いを避けたがる人が多いようですが、どんなに避けたところで絶海の孤島でもない
限り、ふたりだけで生きていくことなどできません。社会生活を送っていく以上、家族や同僚、上司、お
仲人さんなどは、望もうと望むまいと、ふたりの生活に入ってきます。それなら最初から避けたりせず、
自分たちの人生をよいものにするために協力してもらうほうがいいはず。年長者からは上手に力を貸して
もらうというのが、賢い花嫁の選択です。




    2 完璧な嫁を目指すより、若い感性を活かして

 お仲人さんとの場合以上に、花嫁さんたちが頭を悩ますのが、お姑さんとの付き合い方でしょう。こち
らはお仲人さんよりもずっと近い存在だけに、もしトラブルが起こるようなことがあればかなり深刻です。
結婚式・結婚生活ともに、いかにお姑さんとうまくやっていけるかが成功のカギ、といえるかもしれませ
ん。
 確かに、お姑さんに気に入ってもらうのは大変なことです。なにしろ、20年以上も先輩なわけですか
ら、私たちがどんなにマニュアル通りの「お嫁さん」を演じてもかなうはずがありませんし、しょせんは
付け焼き刃など見破られてしまいます。それではどうすればよいのでしょう?城戸崎さんのアドバイスは
こう。「気が利くお嫁さんより、面白い人と思われるようにするといいですよ」
 気配りは思いやりの証ですが、ここは以外と経験がものをいう部分でもあります。ですからこの点では
私たちがお姑さんに勝てるはずもないのです。そんなことで神経をすり減らすより、「おいしいお菓子を
みつけたんです」「このボールペン、すごく書きやすいですよ」といった具合に、お姑さんの情報源にな
ってみては?
 わたしたちの世代は、情報誌や口コミなどで、いろいろなニュースをキャッチしています。けれど、そ
のアンテナは、年配になるほどに鈍りがちなもの。そこで、こうした役にたつ情報、知っていると得する
情報を、押し付けにならないように紹介することは、きっと喜んでいただけるはず。
 また、自分がしてもらってうれしいことは、たぶんお姑さんもうれしいはずです。ですから、たとえば
お誕生日にお姑さんの好きな花を差し上げたり、素敵な小物を探してプレゼントしたりというのもいいで
しょう。注意したいのは、自分の趣味を押しつけないこと。「もしお気に召さなかったら、取り替えても
らえるように、お店の人に頼んでおきました」という気配りなど、最良の方法です。
 また旅行先で素敵な茶さじなどをみつけたら、おみやげにしてみては?こうした小物はいくつあっても
便利なもの。ふいのお客さまのときにも活躍してくれますから重宝するのです。
 若いひとからの贈り物で、城戸崎さんが得にお気に入りなのは、香水や石けん、ポプリなど、香りの贈
り物。安っぽい香りはタブーですが、上質かつ自然で軽い香りなら、大歓迎だとか。犬好きの城戸崎さん
は、お部屋の芳香剤・ペットの匂い消しとして、ポプリをきれいなお皿に盛り、愛用しているそうです。
おしゃれな人ほど気にする香りの贈り物は、お姑さんにも喜ばれることでしょう。

   気持ちにゆとりがあれば暮らしは豊かになっていく

 生活が苦しいと、気持ちのゆとりをなくすことがあります。たとえば、おやつを買ってきても、その紙
袋を破いて広げてそのまま食べるといった不作法が、平気になってしまったり・・・。
 結婚したての時期は、当然、苦しくて収入も少ないものですが、こうした時期にこそ、気持のうえでゆ
とりを持つことが大切だと、城戸先さんはおっしゃいます。たとえば、茶碗には茶托を、急須には土瓶敷
をしいて、熱い茶碗や急須を直接テーブルに載せない。コップの水滴が垂れないように、コースターを敷
く。すぐそこまで運ぶときにも、お盆を使う。ランチョンマットを使う。こうしたこまかなことができる
のが、気持のゆとりというものです。
 たとえ少々貧しくても、こんなゆとりのある女性は美しく、エレガントに、そしてきちんとして見える
ものですし、息子の妻がそういう女性であることは、お姑さんにとってもうれしいことなのです。
もちろん茶托を添えてお茶を差し上げたからといって、即お気に入りにの花嫁さんになるというわけでは
ありません。けれど、結婚生活も、そしてそこから始まる新しい親子の縁も、こうした気持の積み重ねか
ら築かれていくものなのではないでしょうか。



    3 大人としての完成度が試される、
     おつきあいの場

  でしゃばりすぎずに裏方に徹して気配りを

 結婚後は、一人前の大人として厳しく評価されます。これは、それまでは許されてきた失敗がなかなか
笑ってすませてはもらえなくなる、ということでもあります。特に大切なのは不祝儀のマナーでしょう。
お通夜や告別式でのマナー違反は、「常識がない」と強い印象を残してしまいます。逆にいうと、こうし
た席できちんと振る舞うことさえできれば、普段はそそっかしい人でも、ぐんと評価が上がるのです。
 お嫁入りのときには、喪服を揃えておきましょう。晴れの門出に喪服なんてと思うかもしれませんが、
いざというときに慌てないためにも必要です。また結婚後に喪服を揃えるのは、「誰かが亡くなるのを待
っている」ようだといわれ、いやがる人も多いのです。喪服ではなくても、シンプルな黒か紺のスカート
と上質の白のブラウスとエプロンは揃えておくことをおすすめします。
 それでは、当日はどう振る舞えばいいのでしょうか。これには、公式のようなものはありません。ただ
こうした席には、私たちより経験の豊富な先輩達が大勢いますから、でしゃばらずに裏方のお手伝いを心
がけることです。たとえば、弔問客が次々に訪れ、玄関先は靴やスリッパでぐしゃぐしゃになりがち。時
々のぞいてきれいに揃えておけば、玄関先での混乱もなくなります。
 病気や怪我をしたときのお見舞いも、その人の心が表われます。よく、「うるさくしては迷惑になるか
ら」お見舞には行かないという人がいますが、ベットの上でじっとしていなければならない人には、知り
合いとの雑談はうれしいものです。もちろん、何時間も話し込んではいけませんが・・・。
 入院された方のご家族に様子を伺って、訪ねるかどうかを判断するといいでしょう。病院に伺わない場
合も、お見舞状を差し上げれば、具合のいいときに読んで気分転換をしてもらえます。伺う場合はお菓子
や果物を持参するのが無難ですが、柔らかなガーゼや使い捨てにしても惜しくないタオルなども、入院生
活に便利なので喜んでいただけます。

   筆まめになることもお付き合いの大切なマナー

 最近では、ファックスや留守番電話などが普及したため、手紙を書く人が減っています。しかし、電話
やファックスはあくまでも略式。目上の方にお礼をいうときに、電話で相手を呼び出すのは、失礼なので
す。ましてお留守だからと留守番電話やファックスでメッセージを入れるだけというのは、かなりの失
礼。はがきでも、書面で差し上げるほうがずっとていねいです。
 また「悪筆なので」とワープロでお礼状を書く人もあるようですが、これも年配の方には不評です。
「肉筆では失礼なくらいの悪筆」という人は、滅多にいるものではありません。もし、自分がそうだと思
うなら、文中に「悪筆なのでワープロで失礼させていただきます」と添えるほうがいいでしょう。ただ
し、その場合も自分の名前は肉筆で、がマナーです。
 けれど、ワープロではどうにもならないものもあります。たとえば、冠婚葬祭の際の記帳、のし袋など
です。しかも、これらは筆書きが中心ですから、字に自信がないと苦痛です。けれど、こうした場合に書
く文字というのは、ほぼ決まっています。自分の名前と、「お祝い」「お礼」「ご霊前」「お見舞い」な
どは、筆でも書けるように練習しておくとよいでしょう。
 また結婚するとどうしても、人をお招きする機会が増えます。ところが、おいしいレストランやしゃれ
たお店をよく知っている最近の若いカップルたちは、こんなときに自宅にお招きするかわりに、外で会食
をするケースが多くなっているようなのです。
 もちろん、それはそれで素敵なことです。けれど、もしも深い付き合いを避けようとする風潮からだと
したら、残念なことです。来客は面倒と考える人は多いようですが、実は意外なメリットがあります。普
段は掃除をするのが面倒でも、来客があると少しは掃除をしようとするのが人情というもの。面倒だなど
と考えず、「おかげで部屋が片付いた」と歓迎しましょう。また、おもてなしの献立や趣向を考えるのも
最初は大変ですが、やがては料理の腕に差がつくでしょう。こんなふうにして、徐々に接客術も身につけ
ていけば、きっといつも来客の絶えない、明るい家庭が築けるはずです。



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