<15回目>
米国文化
大統領補佐官とTV会議
 ■ネットを大事に  私は日本に育ったとしてもアメリカ文化の中で育ったようなもんだ。  ハリウッド映画に笑い、SF小説に夢膨らませ、ジャズやミュージカルに涙する。 楽しむ方法は(皮肉なことに英語が苦手なので)すべて日本語なんだけれど、本質は 全部、といっていいほどアメリカ製のものばかり。極めつけはこの電脳世界を構成す るコンピューター。ハードもソフトも元をただせばほとんどがアメリカ製。  そのアメリカ文化を紹介するアメリカ文化センターは昨今、それこそ電脳世界、ネッ トワーク関連を大事にしてくれているようだ。  ■英語が話せる?  先日も、アメリカ公共ラジオ放送インターナショナル社のサリヤー社長が福岡にやっ てこられ、アメリカ文化センター主催の講演会を行ったが、私が司会を頼まれてしまっ た。ネットワークをやっていると英語が話せると思われているのかな? と、困って しまったが、同時通訳者が別途おられるから、ということで落ちつかない気持ちを抑 えてつけて実行。  面白かったのは、彼はニューヨークやワシントンという首都にいるわけではなく、 ミネアポリスという地方都市にいながら、いち早くネットワークを使いこなすことに 着目、ワールドワイドのレポーター網と放送提携局網をつくり続けていること。  福岡は来年には国際FM局が開局されることではあるが、地方都市でもネットワー クさえあれば世界を相手にできるという彼らのバイタリティは、われわれ九州人も大 いに参考になるところ。  ■暗号技術めぐり  また、今年の夏前だったか、文化センター内部でアメリカと結んだテレビ会議が実 施されて私も参加させてもらった。お相手は、なんと、ホワイトハウスの情報通信担 当大統領補佐官マイケル・ネルソンさん。それこそゴア副大統領の片腕だ、って聞い ている人。  以前、東京で会ってはいたが、こういった一対一に近い形でTV会議するのは初め て。話題は、ネットワークにおける暗号技術のアメリカからの輸出規制のこと(国防 上から輸出制限があって日本は今後の電子マネーのことなどで困る事態になりかねな い問題)や、企業や行政がネットをつくるだけでなく、市民自らが主導的に地域ネッ トをつくる話、など。なかなかに面白かった。  「ネルソンさん、暗号をアメリカ政府だけが解読できるマスターキーを持ったまま 輸出するなんて、アメリカは日本に対してビッグ・ブラザーになるつもりですか?」 って質問したら、笑いながら「そういったことではないが、国防問題は別の次元で考 えねばならないので」とのこと。実はこの模様はコアラの中にビデオ・オン・ディマ ンドで残されている。  ■枠広げつつある  こういったアメリカ文化センターの交流事業を楽しんでいたら、「もっとアメリカ 文化に触れてみませんか?」って言うんです。広報・文化交流庁主催のインターナショ ナル・ビジター・プログラムというのがあって、四週間アメリカに招待していただく ことになってしまった。  それも、うれしいことにずーっと通訳の方がついて、かつ、こちらの希望を聞いて その関連先にアポイントメントを取ってくれるんですって。へぇ〜って思ってしまう。 このプログラム、九州でも過去さまざまな方々が恩恵にあずかったとか。  アメリカって懐が深いですねー。これだけアメリカ文化に毎日触れているわれわれ にさらにアメリカ理解の場を提供するなんて。かつ、文化はますます電脳世界に枠を 広げつつある、ということなんでしょうか?

(ニューコアラ事務局長・尾野徹)


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