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 21 Grams

 メキシコ出身のAlejandro IO・rritu's監督最新作「21Grams」は、不慮の交通事故から起こる、人間の罪と罰をドッシリとした重みのある人間ドラマで描く話題作である。主演にショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ。

この映画はハッキリ言って、「暗い」、「重い」、「悲惨」すぎると言う、一度見たら二度と見る気がしない典型的な映画である。このように考えていくと、この映画はある意味で日本映画みたいな雰囲気を醸し出しているような気がしないでもない。ただし、この映画、決してつまらないわけではないので、人間ドラマを堪能したい人にはオススメである。

映画のタイトルにある「21Grams」とは、人間の「魂」の重さを例えて使っているものである。はたしてそれが事実であるどうかは別にして、人間がこの世を去った時には、必ず「21Grams」減っているのだそうだ。この物語の主人公は、不慮の交通事故を起こした男ジャック(デル・トロ)と、その事故で夫と子供二人を失った母親クリスティーナ(ワッツ)、そして、クリスティーナの亡き夫の心臓を移植してもらって生き延びた男、ポール(ペン)の3人である。事故を起こしたジャックはその罪の深さに苦しみ抜き、愛する人を失った悲しみと怒りでクリスティーナは自分を見失い、そして、偶然にこの事故を切っ掛けにして生き延びてしまったポールは、自分の命を犠牲にしてでもクリスティーナの復讐に手を貸そうとする。ここでこの映画の基本思想になっているのが、キリスト教的な考え方である事がハッキリわかる。人間が人間を裁く事の難しさ、そして、復讐をする事の愚かさが全編にわたって描かれていくのだが、やはりキリスト教的な思想の限界であるのか、人間の罪と罰は明確に描けても、答えであるはずの人の罪を許す事の難しさが曖昧にしか描かれていないのが残念である。許容と復讐という両極端な面を合わせ持つ思想の限界がここに見えて仕方がなかった。

最後に、見どころとしては、ペン、ワッツ、デル・トロ3人の激しい演技のぶつかり合いが見物で、映画の構成も現在、過去、未来を行ったり来たりするという、一癖ある構成に仕上がっている。リアリティー溢れる物語と映像に、思わず何かを考えずにはいられなくなる映画であった。

今回の評価100点満点中、80点
(うーん、重いし、救われない気になってしまう。だが、映像美は目を見張るものがあった。)


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