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 チルソクの夏

 下関が舞台の映画ということで、福岡・山口地区では先行上映なのでした。監督は前作『陽はまた昇る』がいろんな賞をとったし評判にもなった(ビデオデッキのβとVHSの戦いを描いた映画でしたっけ。私は評判は聞いていたけど未見、すんません.....)佐々部清監督。下関出身の方だそうです。夏の制服姿の女の子4人が印象的なポスター。そして「ブチ 会いたい」「遠い昔、メールや携帯なんかなかった時代。私たちは彼と、一年に一度必ず再会すると約束した。」というコピー。

 お話は1977年に高校生だった女の子たちの話。そして2003年の夏に4人が再会したところから映画は始まり、その一人が回想するシーンからスクリーンはカラーになります。(始まり、現在のシーンがセピアカラー。「これはどこかで見たような....あ、『初恋のきた道』だ!」と思ったらパンフレットを読んだら、やはり監督がそのようなことを書いていました。)4人は同じ高校の陸上部の仲間で、親善大会で韓国・釜山に行ったときに韓国の男の子と知り合うのでした。1977年なんて、今みたいにインターネットも携帯電話も普及していない時代。知り合った二人は文通するのですが、お互いがお互いの国の言葉を一所懸命勉強するところが、微笑ましくてイイです。これは実は私も「ああ〜、わかるわかる!」と思ってしまった。だって、割と最近、私もとある外人さんが好きで英会話を頑張ってましたもの。(ちなみに、その人も日本語は堪能なので会話は出来たのだけど。)そして、その人の国のこと一所懸命調べたり、その国の映画をやたらと見たりしましたもの。

 閑話休題。でも、そんな二人の気持ちをよそに、大人たちは「よりによって朝鮮人と付き合うなんて!」とか「日本人と付き合うなんてダメ!」と反対し....。1年後の陸上大会でまた再会しようと約束した二人は、果たして会えるのか。「チルソク」というのは「七夕」の韓国語らしいです。二人が最初にゆっくり話したのが七夕だったので、遠距離恋愛の気持ちを七夕に託しての約束なのですね。手紙でも「次の何月何日の何時、お互いに夜空の星を見上げましょう」と約束したり。まぁー、ベタといえばベタな青春映画で、人によっては、こんなのこっぱずかしいわ!っていうかもしれませんが、私は、かつて自分が17歳だった頃(かなり遠い昔だなぁ)を思い、こういう気持ち、あったよなぁ〜なぁんて思い、ほろりときましたよ。いろんなシーンで。主演の郁子を演じた水谷妃里ちゃんもイイです! 私は若い頃の鷲尾いさ子ちゃんにちょっと似ているなぁと思いました。凛とした佇まいがステキ。バイトで新聞配達をしているらしく、嬉しいときも悩みがあるときも、郁子がまだ青白い朝の町並みを新聞配達で走る、そのシーンがとても心に残りました。特に説明はないのだけど映像だけで十分に彼女の心の葛藤が現れていたと思いました。流れる歌謡曲も懐かしかった! ピンクレディーとか山口百恵、そしてツイスト!それからイルカの『なごり雪』。そうだ、歌っているイルカさんも先生役で出ていて、あまりにも昔と変わっていないのでビックリでした。陸上のシーンも、すごくヨカッタ。ああ〜青春!という感じの躍動感にあふれていて。俳優さんたちはすごく特訓したんだろうなぁ。走るシーンとか本物だったもんね。 で! この映画、公式HPを見たら、まだ全国公開はちゃんと決まっていない感じなんですね。ええ〜っ?! こんなに素敵な映画なのに! まぁ確かに地味な映画ではありますし、ものすごいスターが出ているわけではないし(ゴメンナサイ!)でも本当にいまどきこんなに爽やかで良心的な映画って、なかなかないと思う。絶対に全国公開して欲しいです。まずは公式HPを皆さん見てみてね。これは絶対にビデオとかではなく、スクリーンで楽しんで欲しいです。これといって派手な展開は何もないけど、きっと今の若い人も、”元17歳”の大人にも胸に響く映画だと思うのです。

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