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 スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする

 これまた、てんで地味な扱いのまま、ひっそりと上映が終わってしまいましたが、ぬぁんと、あのD・クローネンバーク監督の最新作なのでした。しかも監督はこの作品のために数十年ぶりに来日していたそうではないですか。うーん、その割には、やっぱ、扱いが地味過ぎ。まぁ、派手に宣伝するのが難しい監督だし作品のカラーかもしれませんが。
  お話は、長い病院生活(どうやら精神病院らしい)から外に出てきた主人公が、自分の少年時代を回想していくんですが、その”回想シーン”が唐突に始まるし唐突に終わって現実のシーンになるし、回想シーンの中に現在の彼もまるで透明人間のように当時の自分たちには見えない状態で立っているのです。まるで背景画のように。背後霊のように。なので、こういう時間軸がねじれた話が苦手な人は「で今出たシーンは一体いつやねん!」と怒り出すかも。
で、徐々に彼がどうして病院に入っていたのか、過去に一体何が起こったのかが明らかになるのですが、そこでの落とし穴が「果たして彼が回想しているのは真実なのか?自分に都合がいいようにねじまがった”こうであったらいいなー”的な記憶ではないのか?」という疑いが出てくること。そして「ええーっ?!そ、そうだったの?!」と驚くラストへと突っ走るのですが。いや突っ走るというより、ひたひたとすり足で歩む感じの、もどかしいスピードかな。ともかく最後の「ええーっ?!」の後に「いや、しかし、これがまた本当の真実なのかは、わかんないのよね」と、メビウスの輪のような思考回路に陥って、うがーっ!と頭をかきむしりたくなった私です。でも、まぁ、従来のクローネンバーグ作品からすると、今回は淡泊。なんたって私が苦手なグチョグチョネバネバのシーンがないもの!ま、クローネンバーグ愛好家には、そこんとこが物足りないって感じかもしれませんねぇ〜(苦笑)。

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