1歳7ヶ月の女の子です。自分達の生活サイクルのせいもあるのですが夜1時に眠るのが普通で朝10時頃起きます。最近ひどい時は、4時まで起きていたりします。その時はそのぶん昼まで寝てはいるのですが、生活サイクルの乱れは脳の発達によくないのでしょうか?一歳半検診の時に、あまり神経質に気にしなくてよいと言われましたが。

 

 乳幼児期から睡眠、覚醒のサイクルが大幅に乱れていた場合に将来の発達、行動に影響を与えるかどうかは、まだ正確なデータは出ていないようです。しかし、成人、動物実験などのいくつかのデータが分かっています。

・夜に光をあびる(夜ふかし)、朝に光をあびない(朝寝坊)によりヒトの生体時計がズレる。その結果、昼間の眠気、疲労、食欲低下、作業能率の低下、活 動量の低下が起こる。

・夜ふかしでホルモン異常が起こり、性的早熟や発ガン危険性増大の可能性がいわれている。

・睡眠時間が少なく、夜の就床時刻が遅いほど学業成績が悪くなる。また、イライラ感も強くなる。

・睡眠時間が少ないと、糖尿病、高血圧、肥満になりやすく、老化も促進される。また、ワクチンの効果が低くなる。

・昼間の睡眠と夜の睡眠とでは睡眠の質が異なり、保育園に行っていない1歳6ヶ月児でも、夜ふかしで減った睡眠時間は朝寝や昼寝では取り返すことができない。

・3歳時に23時以降に就床する場合では、小学校4年生時に肥満になる確率が1.5倍になる。
3歳時の睡眠時間が9時間未満だと、11時間以上の場合に比べ、小学校4年生時に肥満になる確率は1.5倍になる。

・運動の低下で攻撃性や衝動性の高まりや社会性の低下が起こることが動物実験などで示されており、睡眠不足から来る運動の低下によりこれらが生じてくる 可能性が言われている。

・夜ふかしにより、学習効果が低下する、慢性疲労症候群になりやすくなる、など心身に悪影響を与える。

そのほか、将来集団の中に入ったとき(保育園、幼稚園、小学校)には必ず昼間活動する生活をしていかなければならないのですから、夜ふかし、朝寝坊のリズムがついてしまうと後で苦労するのは確かでしょう。

いずれにせよ、夜間に十分に眠り、質のよい睡眠を取り、朝の光をあびて目覚め、昼間に十分活動することが心身によい影響を与えることは確かなようです。

現代の子どもにおける遊び場の喪失、ゲーム・ビデオなどメディアの普及(→昼間の屋外での身体活動の喪失)は大人に責任があるわけです。子どもから健康な眠りを取り上げないようにしたいものだと思います。また、大人の仕事や生活のサイクルの乱れにより、子どもの眠りが妨げられていることは、個人個人と同時に社会全体でも考えるべき問題だと思います。

    徳永洋一 


*このページで掲載している内容については、一般的なことをお答えしております、具体的な事柄の判断や決定にあたっては、かかりつけ医等に相談して下さい

徳永せんせいへの質問を受け付けています。
 お子様の年齢と質問したい内容を具体的に記入して、電子メールにてお送りください。
 送られてきたメールから、毎月4つの質問を選んで、Q&A形式でこのページへお答えを掲載
 いたします。(お答えできるメールは4つのみとなります)
 【 送り先電子メールbabyroom@elf.coara.or.jp 】

過去のQ&Aへ