2004.1.23


 

ハイテクに生かすシロイワヤギの足裏

<担当>角 健吾

前回は、岩場や雪山などの足場の悪いところにくらす、シロイワヤギの不思議な習性についてお話をしました。

今回はシロイワヤギの独特な足裏の構造にまつわるお話をいたします。



可愛いシロイワヤギはハイテク装備


◆生きて行くための選択
なぜシロイワヤギは、住みにくい岩場や雪山に暮らしているのでしょうか?エサも少ないし、とても危険ですよね。人間ならとても暮らしていけません。しかし、そこのことがシロイワヤギにとって大変重要なんです。

シロイワヤギの祖先は、エサも豊富で住みやすい平原に暮らしていたと考えられています。平原は、シロイワヤギを襲って食べる肉食動物(捕食動物)にとっても住みやすい所です。いつも襲われる危険ととなりあわせでした。 子孫を残していくためには、エサは豊富だけれど危険な平原に住むか、それとも、足場も悪くエサも少ないが、襲われない安全な岩場に住むかを選択しなくてはなりませんでした。

そこで、シロイワヤギが選択したのは捕食動物が寄り付かない岩場や雪山に生息地を求めて行くことでした。




ナイキシューズはシロイワヤギ型


◆岩場で暮らすためにハイテクを装備◆
人間も岩場や雪山に出かける時は、それなりの服や靴が必要ですね。シロイワヤギも岩場の環境に適応して行かなくてはなりませんでした。長い年月をかけて、寒さから身を守る温かい毛や、足場の悪い岩場でも自由にかけ回ることができる足を手に入れて行きました。

現代のハイテク技術は、シロイワヤギの足裏の構造をヒントにスポーツシューズを開発しています。スポーツメーカー「ナイキ」の開発デザイナーが、シロイワヤギなどは、“足裏のふんばりや安定性が非常に高い”という新聞記事を見つけ、この特性をシューズにも応用したいと考えたことからプロジェクトがスタート。グリップ性が高く、雨や雪が降って滑りやすくなった山道を走るための、究極のウインタートレイルランニングシューズを開発したそうです。

岩場で暮らすためにシロイワヤギは、ハイテクを装備していたんですね。



雪がどんなに降っても滑りません


感心してしまうのは、私たち人間が身につけるものに、シロイワヤギの特性を生かしたものがあることですね。このシューズを履くと岩場でも雪道でも軽快に歩けそうな気がするのは私だけでしょうか。

動物たちは私たちにいろんなことを教えてくれます。動物を慈しみ観察することは、私たち人間の未来を見つめることかも知れません。そんなことを心にとめ、ぜひシロイワヤギを間近でご覧になって下さい。きっと可愛く見えてきますよ。

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp



アニマルトピックスは、アフリカンサファリスタッフが動物達との触れ合いや不思議な習性などを自分達の視点からレポートしているものです。(※今後の定期的な更新はありません)