2003.7.18

 

おなかのマッサージ  〜 動物との心の会話 〜

<担当>角 健吾
 飼育スタッフは、動物の微妙な行動・表情の変化を常にとらえていなくてはなりません。
 ある日、メスゾウのリーダー『バーバラ』が四本の足で大きな石にまたがって、おなかを『ゴリゴリ』とすごい勢いでこすりつけていました。ぐらぐらと岩も大きく動きます。今にも倒れそうです。『バーバラ』はそんなことは気にする様子もなく『ゴリゴリ』とこすりつけています。


 通常ならば、ゾウの担当スタッフが注意をして、その場所から移動させなければなりません。しかし今回、ゾウ担当スタッフはなぜか止めませんでした。そのゾウの行動の理由を飼育スタッフは、すぐに察したようです。

それは本当に長く接していなければわからないほど微妙な行動の変化だったのです。
時折見せる、苦しそうな表情。毎朝、ゾウ舎の掃除と食事準備をする際に観察するゾウ舎に残っている糞の量と糞の状態。そして最近あまりエサの食べ具合がいつもより少ない事から判断したのは『便秘が原因の腹痛』だったのです。

おなかが痛くなると、私たち人間は思わず自分でおなかをさすります。また、小さい子どもならおなかをさすってあげます。ところがゾウは大きな体なので、スタッフがさすってあげる事ができません。そのため自分で大きな岩を使っておなかをマッサージしていたのです。なんどもなんどもマッサージする事でおなかの動きが活発になり、便秘は解決したようです。


 もし、あのとき岩におなかをこすりつけているゾウを叱ったり、その場所から動かしたりしていればゾウの腹痛の苦しさは続いていたのかもしれません。
スタッフは動物と言葉の会話ができない分、人間以上に表情の変化・行動の変化を捉えなくてはなりません。動物の気持ちを理解しようといつも思う事で次第に心の距離を近づけていくのです。

 

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