2003.2.21

  動物を見守るスタッフ
〜ライオン『なたろう』の話〜
<担当>角 健吾

 動物たちは、色々な性格・性質を持っています。同じ種類でも1頭1頭まるで違います。さきほどまではおとなしかったのに、急に攻撃的になる場合もあります。スタッフは、常に担当する動物たちそれぞれのコンディションや、性格を把握していなくてはなりません。

 先日、ライオン担当のスタッフにライオンは特にどんなとき、攻撃的になるのか質問をしてみました。返ってきた答えは、「彼女を持ったときのオス」だそうです。

 現在『なたろう』という若いライオンがいます。このオスは、普段はとても怖がりやで、スタッフのジープが傍によって来るだけで、逃げていくほどです。 しかし、彼女を持ったときの『なたろう』は見事に変身するそうです。 絶対に他のオスを、自分の彼女には寄せつけない、激しい行動をします。 その上、私達のジープにも攻撃をしてきます。『なたろう』はスタッフをにらんで声を出したり、ジープの後ろのバンパーに前足をかけて、ジープが動いてもなかなか離れないなど、しつこさも倍増します。

 この行為は、男が彼女に弱いところを見せるわけにはいかないという「オス」特有の意地や見栄と同じようです。
 若いオスは、多くの交尾の成功や、オスとの競争を勝ち抜いたり、メスを他のオスから守る行動を経験的に学習していきます。
 大人のオスになるためにクリアーしていかなければならない関門は、子孫を残す交尾、他のオスを寄せつけないという二つの関門です。変身した『なたろう』も立派な大人だと思いました。


ここに写っているライオン全て名前も異なり、性格も性質も違います

 

 ところが、ジープに前足をかけている『なたろう』を、スタッフがスピードをあげ引き離し、お仕置きをするために追いかけようとしたとたんに、いつもの性格が出てしまったのです。
愛しのメスを残して一目散に逃げてしまいました。
 スタッフは、車を傷つけられたり壊されたりしなかったことよりも、まだまだ一人前の大人にはなっていない『なたろう』に「メスを守って、われわれにむかってくるくらいの一人前の大人になれ」という気持ちになったそうです。

 私はこの話を聞きながら、そのスタッフがまるで、我が子を見守る親のように動物の成長を楽しみにしていることに、とても感動しました。

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp


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