2002.1.21

今週より、クマの面白い行動を四回にわけてご紹介します。
<第1回>
涙をこらえて
〜エミ親仔の再会〜
 <担当>角 健吾
 サファリには、北米大陸の森林に生息するアメリカクロクマと西南アジアの山地や森林に生息するヒマラヤグマが暮らしています。
 今月の主人公は、ヒマラヤグマの母親エミと、その仔エイチです。この親仔は他のクマ以上に元気で、この冬の寒さをものともせず遊びまわってます。

温厚でのんびり屋なエミお母さんと遊び盛りなエイチ。
 現在、生後二年になる遊び盛りのエイチは、わんぱくで、色々なものに興味津々。エイチが一歳になったある日、お母さんを残して一人で草原を駆け回っていました。遊んでいるうちにエイチは、お母さんからはぐれてしまったのでしょうか。「クーン、クーン」と寂しそうな声を発しながら、あたりを見渡していましたが、彼の視覚には母の姿はありません。「早く、お母さんの所にかえらなければ」あせる気持ちが彼を、母親とは逆方向へ走らせてしまいました。
どの世界も母と子の愛情は、不思議な糸で結ばれています。
大きなクマさんも、やっぱりお母さんの側が一番安心するのでしょう?!

 時折、「クゥーン、クゥーン」と鳴く姿はなぜが、愛しく思えてくるものです。数十分経って、彼が最初にはぐれた場所に戻ってきました。お母さんは、すぐそこです。「もう少しで、お母さんがいるよ。そこ、そこ」と言っている自分がいましたが、エイチには通じません。
 エイチの前方にはマントヒヒの山がそびえ、その山のむこうにエミがいるのです。私は山の上のカーブにいました。両端のエミ母さんとエイチは見えますが、エイチにはヒヒの山が邪魔をして、お互いを確認することは出来なかったのです。

 一方、温厚でのんびり屋のエミ母さんも、さすがになかなか帰ってこない子どもが心配になってきたようです。ゆっくり歩きながら、「カプッカプッ」舌と上あごを使って独特の音を出します。クマ同士がケンカするときに、出す音に似ていますが、今は子どもを呼びかけるために出しているようです。「カプッカプッカプッ」この声が聞こえたのでしょうか。エイチは、少しづつではありますがエミがいる方へ近づいています。

 この時、私は動物の能力はどのようなものかと、ふと不思議になりました。ほとんどの動物は嗅覚が発達していることから、親仔はたやすく発見できると信じていましたが、動物も個体差があるのかと思わされる出来事でした。長い時間をかけ親仔は再会。.エイチは、必死で駆け寄っていきます。自分の体をお母さんにぶつけながら、「どこにいたんだよ、どこにいたんだよ」と嬉しさをめいっぱい表現しています。母と仔が、やっと再会する瞬間は、まるで映画のワンシーンの様でした。エミ親仔のような再会などは、多くの動物が毎日行っていることかもしれませんが、それを実際自分の目で見たとき、本物ゆえの感動があります。
 サファリの動物たちは、毎日が筋書きのないドラマの主人公です。ふだん何気なく見ている、動物の行動や表情に何か意味があると感じたら、見る人によって様々なストーリーが展開していきます。
 

アフリカンサファリの獣医・神田先生のインタビューをコアラTVで見ることができます。これから月に一度インタビューするのでそちらもお楽しみに。 (コアラTVはADSLの方対応です)
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