第25回 ハイパーフォーラム
エコマネーは地域情報化に活用できるか?
(2000.05.16)
 5月16日、大分市のソフトパーク・ソフィアビルにて(財)ハイパーネットワーク社会研究所主催による第25回ハイパーフォーラムが開催されました。
 今回のハイパーフォーラムには約70名の方が参加。
 こちらは受付にて参加者の対応をされていたハイパーネットワーク社会研究所の笹岡さんと阿部さんです。
 また、会場内では使用機器の最終チェックをする武本さんの姿も。
 フォーラムが始まると、まずはじめに大分県の情報企画室・首藤氏によるご挨拶がありました。
 首藤氏は、大分県が全県下を網羅する光ファイバーによる次世代の「豊の国情報ネットワーク」の開発、調査を開始していることにふれ、それらを基盤とした地域コミュニティーのあり方を考えていく上でみなさんに協力をしていただきたいとお話されました。
 今回のテーマにとりあげられた「エコマネー」も新しいコミュニティー作りのあり方を提唱してくれるものとして期待されています。

 ハイパーネットワーク社会研究所理事・尾野氏から、この度講演してくださる加藤敏春氏が紹介され、いよいよお話が始まりました。
 テーマとして掲げられたのは、「エコマネーは地域情報化に活用できるか?

 エコマネー、聞いたことはあるけれど…という方も多いのでは?ということで、まずはエコマネーがどんなものかというところから説明してくださいました。
 エコマネーは簡単にいうと、ある特定の地域だけで使える通貨なのだそうです。国内でも数カ所で実用の実験が行われているとのこと。
 北海道の栗山町で実際に使われているエコマネーを見せていただきました。

 栗山町では、これらの通貨をクリンと名づけ、利用されました。
 このクリンは現金として使われるものではなく、住民達がサービスを交換するときに利用します。

 栗山町ではまず、個人個人ができるサービスを募集し、それに価格(単位はクリン)をつけました。具体的なサービス内容としては、除雪、子どもの世話、犬の散歩などがあったようです。

 そしてそれらのサービスとサービスを提供してくれる人の連絡先、サービス料を掲載した表を作成し、住民に配りました。

 住民はそれらのサービス表を見て「このサービスをして欲しい」と思ったところに連絡し、してもらったサービス対してクリンで支払いをするという仕組みです。

 栗山町の人々は、クリンによって住民どうしが気軽に声を掛け合えるようになったようです。
 加藤氏は、こうしたエコマネーの活用は地域のコミュニケーションに大きく貢献することを主張した上で、上記のような一連の作業をインターネット上でできるようにしたいと述べられました。
 オンラインでサービスを登録、検索ができればより便利になりますね。
 通商産業省のサービス産業課長であると同時にエコマネー・ネットワーク代表である加藤氏は、エコマネーの主旨を正しく普及させるべく、関連事業の推進にあたっていらっしゃいます。

 既存の貨幣経済とエコマネーによるボランティア経済がうまく融合し、地域の活性化につながるようにしたいというお話に、参加者の方も真剣に耳をかたむけていらっしゃいました。
 講演の後には質疑応答の時間も。

 そこでは、「ビジネスにおけるサービスとエコマネーにおけるサービスが競合を起こさないだろうか」等の質問が寄せられました。
 ちなみにその質問に対しては、エコマネーが人と人との関係作りを重視していることに触れ、「エコマネーにおけるサービスは基本的にはビジネスで補えないものであるし、互助の精神に基づいたものであるので、性質が異なるものなのです…」と回答されました。
 今回のハイパーフォーラムの様子は、近日中にビデオ・オン・デマンドでご覧いただけるようになります。

 当日おこしになれなかった方はぜひご覧下さい。
 不況といえどモノがあふれている現代、お金でははかれないモノの価値が求められているような気がします。

 エコマネーは互助の精神からなるものであるというお話をうかがい、「人と人とのふれあい」が今ふたたび見なおされているのではないかと感じました。

 そういった地域のコミュニティーを創造していく上で、インターネットが有効に活用されるようになると良いですね。
reported by mika ono : breeze@fat.coara.or.jp

ニューコアラ / 天神コアラ