2002・福岡〜大分間観光回廊づくり会議開催
1999.5.28.FRI
 大分経済同友会主催による「2002・福岡〜大分間 観光回廊づくり会議」が5月28日(金)、大分市オアシスタワーにて開催されました。
 この会議は、2002年に開催されるワールドカップをどうするか?終わった後どう残せるのか?といったビジョンづくりを大分経済同友会が地域社会と一緒に考えるもので、参加者は約220名に上りました。 
「高速道路の開通で、福岡-大分間に新しい軸ができつつあります。新しい観光の概念をつくりたい。」
 尾野徹氏(ハイパーネットワーク社会研究所)、桑野和泉氏(玉の湯旅館/湯布院)、鶴田浩一郎氏(ホテルニューツルタ/別府)の3方のコーディネーターにより、福岡と大分を連携させる動きには、どういったものがあるのかを各方面の方々から意見をいただきました。 

【三菱総合研究所 社会公共政策研究センター地域政策部/主任研究員 櫻澤寛敏氏】
 ワールドカップで大分への客員数は400万になると思われる。このお客様がどこから来るかは、チケットがどう配付されるかで影響が出る。
 Wcup (98仏)でのチケット配付は、
   国内販売 60%
   スポンサー 12%
   旅行代理店 8%
   サッカー協会 20%
     内、15%が各国のサッカー協会
 オリンピックは違う競技が連日開催され、Wcupは、違う開催スタジアムで試合が連日開催される、ということで、お客様の動きは全く違い、本当のサッカーファンはあちこちでサッカーを見る。
 宿泊者数は、大分-->18347人、近県に8000人、と予測される。
 大分・別府には十分な宿泊施設があるので、2、3日宿泊のお客様を、5、6日宿泊とさせる施策が十分考えられる。 


 後藤氏:写真中央
【運輸省運輸政策局観光部企画調査室/室長 後藤靖子氏】 
 Wcupサッカーの運営機関をきちんとするのは大変で、Wcupの後に地域に何が残せるか、せっかくのイベントを活かせなければならない。
 何を期待するか?
 世界に名を売るチャンスである。開催地域10箇所と、他に関心のある自治体で何をすべきか考え(現在戦略会議を進行中)、地域同士が力を合わせたPRが必要。 
 日本全体でマーケティングを行い、国ごとにターゲットを絞り、PRを広げる。
 観戦者は50万人やってくると言われている。今まで受け入れたことのない外国人達がやってくるのを受け入れるので、きちんとした体制がなければ寂しい結果になりかねない。 
 インターネットや他の媒体で、情報発信をどうしていくのかが重要。
 大分は個性的な地域がたくさんあるので「大分」と「福岡」が互いに手を携えて互いの魅力を紹介しあう情報(交通を含め)発信が大切。 
【大分県ワールドカップ推進室/室長 斎藤哲氏】
 Wcupは、プレイベント、プレサッカー大会(1年前)なども開催される。
 また、キャンプ地の誘致も。福岡は博多の森、宮崎はシーガイヤ、大分は中津江などが手をあげている。
 試合の1ヶ月前からキャンプが始まるので、この期間着目すべきである。 

 左:関氏、右:有川氏
【福岡県商工部国際観光経済課観光企画/係長 関好孝氏】
 大分-福岡間は非常に近いと実感している。
 大分の試合に来る方には、福岡は非常に便利であり、また韓国にも福岡は近い。(ビートルや航空路線が数多く出ている)
 福岡は日本各地へのアクセスが非常に良い(航空、新幹線)ので、福岡を滞在地にしたり、経由地にする人達が非常に多いであろうことが考えられる。

 よって、どんな人達がどんな形で来るのかリサーチしてゆきたい。
 また、日田・天瀬(筑後川流域)で、県際プロジェクトを行っている。
 「観光に県境はない」

【福岡市経済振興局観光コンベンション課/有川由美氏】
 毎年9月の1ヶ月間をアジアの祭典として各地でイベントを開催する「アジアマンス」。集客人数は90万人。
 アジアフェスティバルが非常に人気が高く、アジアから招いた芸術性の高いプロの方々の舞踊を見ながら、一般の方が屋台で食事を楽しんでいる。
 アジア博覧会の後「アジアマンス」が定着した・・・福岡市に万博の後残ったものが「アジアマンス」である。


 左:泰平氏、右:緒方氏
【エフ・ジェイ都市開発営業部(キャナルシティ)/部長 泰平幸生氏】
 キャナルシティは、個性を集めて1つのブランドにしている総合施設。
 キャナルは、福岡だけの施設でなく、近県を意識して作っているので、交通の所用時間やコストを含めたマーケットの中で作られている。
 2つのホテル、映画館、劇場、商業施設としてどうまとめていくかが課題。
 独自性のある地域が、相乗効果で対外的に情報発信できればいい。 
【鶴田浩一郎氏】
 福岡県の関さんの「観光に県境はない」の言葉は感動。
 福岡も大分も観光地がバラバラにやっている。
 今までは宿敵ですんだが、外客を取り入れなければならない場合、一体となるチャンスである。また必要がある。

 左:宮崎氏、右:中谷氏 
【由布院温泉観光協会/会長中谷健太郎氏】
 地域の中に地域がこもっていると、個性が無くなってしまいがち。外の人達がどんどん入ってくることで、どんどん流されている町が非常に多い。
 “文化制御力”が欲しい。
1、「市場」で外客と内客が出会う、
  物と人、情報が出会うものができ
  ないかと思っている。
2、現実的に人の空間はどこに?
  2002年までに、都市計画のある
  種の大事な部分を固めてしまうい
  い時期ではないか?
3、どこに行って何を聞いていいかわからない。
  1箇所で何でも分かるシステム、whole in one system が必要。

【ハイパーネットワーク社会研究所/専務理事尾野徹氏】
 九州のおでかけヒットチャートは、1位、阿蘇、2位、長崎、3位、由布院・別府だということです。

【別府市旅館組合/組合長 西田友行氏】
 Wcup を盛り上げようというところから、福岡-大分間を走っているJRのソニック号の名前を「2002Wcup号」と変えていただきたい。
 別府もWcupキャンプ地として手を挙げてほしい。
 別府の観光客の30%は福岡から。福岡で日頃体験できないものを別府で、大分の人は買い物などを目的に福岡へ行っている。
 大分と福岡が一体となり、まとまって情報発信してゆくことが重要。
 3月末に九友(?)協ができた。
 九州が一体となって魅力ある観光作りをしようとしている。九州に来たお客さんを、福岡-大分へ引き込む動力を作っていって欲しい。

【日田観光協会(山陽館)/宮崎由紀子氏】
 日田市は、旅館全体で250室。小さな観光地。
 しかし、福岡と大分のちょうどまん中の地点にあり、交通の便は良い。
 筑後川流域と連携し、6割、7割は福岡からのお客様が来ている。
 日田に今年ビール会社が来る。

【大分市商工部観光課長/田村文敏氏】
 2002年は、地元開催ということで大分の名前を世界に発信する。
 地元で人材育成、ボランティア、語学の研究等をより多く町づくりの中に育成する。「大分に行ったらホスピタリティ」があったと言われるように、また、大分の人が「大分に住んでいてよかった」という誇りを持てるように。
 施設を利用したスポーツイベントも様々考えられるのでは。
【九州旅客鉄道(株)営業本部販売部商品企画課/課長 緒方正敏氏】
 「駅長おススメの湯」の7割が福岡のお客様、6割が大分の湯。また、大分のお客様はショッピングで福岡へ行かれている。
 「大分」ではなく、「九州」を売り込む意識が必要では?また、互いの生きた情報をどう提供できるか。
  2002年の後は、「大分」「福岡」「プザン(韓国)」の『アジアに通じる回廊』を。
【日本道路公団九州支社地域広報課/課長 平山博登氏】
 回廊として機能する足まわり、観光情報で手伝えることはないか?
 高速道路の、日田-玖珠間は今年度開通。玖珠-日出間は、来週起工式。
 交通情報、渋滞情報、航空の発着情報などを提供してゆきたい。
 (ハイウェイラジオ、ハイウェイテレフォン、情報ターミナル)
 15〜19の地域の観光情報を出す地図を作っている。(九州内の地域)広域の情報を市町村が協力して作るのは?
 インターネットのWEBページで、1つのページを開けば関連する全ての情報を手に入るというものが必要。
【尾野徹氏】
 ITS(道路自動決済システム)の導入をぜひとも実現して欲しい。

【(株)九州国際エフエム取締役放送制作/部長 久田大作氏】
 9カ国プラス日本語の10カ国語で24時間FM放送している。
 佐賀空港ができたことで、佐賀市内にも放送をとの陳情があり、現在全域放送できるようになっている。
【尾野徹氏】Wcupで放送しつづけることはできないか?
【久田大作氏】
 可能性をもっている。
 九州のホスピタリティのようなものを皆で考え、自分で考え、キャンペーンやムード作りが大事なのでは。

【Fukuoka NOWメディアプロダクション/ニック・サーズ】
 Wcupは欧米だけでなく、世界の人が見ている。
 九州全体でアピールできるチャンスがある。
 外国人と日本人の協力で、外国人のための情報を作らなければならない。
 九州にいる外国人を企画人に入れて、外国人に理解できる情報を作る必要がある。Wcupよりも以前に、外国から情報をとることができるような準備が必要。
 Fukuoka NOWは、読者の80%の人が日本人。

【自由討論】
 
【古河電気工業(株)/久米伸一氏】
 wcup が行われるということは、ここがサッカーの聖地になるということだから、少年達がそこでプレイしたいと思う場所が残る。
 「サッカーが好きだ」「ここでサッカーをプレイしたい」という精神、気持ちをどう残せるかが大事なのではないか?
【トリニータ・サポーター/長瀬さち江氏】
 現在、福岡「アビスパ」、佐賀「サガントス」、大分「トリニータ」のサポーターが一緒になり、九州一団となっている。
 得意分野の違う者が集まることでWcupが素晴らしいものになるのではないか。 
【櫻澤寛敏氏】  
 長期展望の中で、Wcup を見ているという点で、しっかりとしている。
 いかにWcupを掴みきるかを考えなければ。
 サッカーとは別に、『大分はこれが売りなんです』というものをつくっていこうとしているのではないか、と感じる。』
 情報提供は重要であるが情報の更新にはお金がかかる。 
【尾野徹氏】
 1つに、サッカードームに多数のカメラを付けて、カメラからのデータをコンピューターで3Dに再現し、例えばボールの位置など自由な視点の中から試合を見ることができるように、、、といった、カーネギーメロン大学の金出武雄先生、筑波大学の太田先生、竹中工務店との共同実験を行っている。
 以上、議事録として記載いたしましたが、今回の会議は今後も続けられるものとして皆様で考えてゆきたいと思っております。
 ご意見・ご要望などなどがございましたら、こちらへご連絡下さい。
 tooru@fat.coara.or.jp
 地域社会、皆さんの力で、Wcupを盛り上げてゆきましょう。  
 迫り来る2002年に向けて、地域と地域が連携する必要性を改めて実感すると共に、Wcupは、ビジネスだけでとらえられるものではないのだということ、子供達、自分達自身が「ここが聖地となるのだ」という精神を持つことを忘れてはならないことを改めて感じました。
 そういった中で、人材の育成こそが不可欠。
 いかに多くの若い世代が、こういった場の中へ興味を持って入ってこれるかが、将来、大分、福岡、九州に残るものを形づくるのではないかと感じました。 
Reported by Miho Tomonari 

 コアラメンバー永野美恵子さんのレポートはこちら