怪挙だよ全員集合!前編
2003年は5周年の年であり、ミワリー史上最も忙しい一年だった。
依頼を受けてのガイドや、自ら募集したナイトツアー、
大学生の調査に協力したり、雑誌の取材などなど。
中でも私を一番困らせたのは5周年企画の「うすきみわりぃ活動報告」である。

これまでの活動および会員創作作品、さらには研究論文などを一挙にまとめ
お世話になった方々に見てもらおうと企画した五年間の集大成みたいなものである。

これを思いついたのが7月ごろ。
期間限定で設けられた「活動報告実行委員会」の私&猫侍&説教パンダ、
そして相談役の本尊は約3ヶ月をかけて膨大な資料とにらめっこの末、一枚のCDに焼き付けた。


ちょうどその頃、角川書店の雑誌「怪」が「怪大賞」なるものを募集していた。
全国のあらゆる妖怪表現者を募り、とくに目新しい表現に「怪大賞」を与え
雑誌にて大いに盛り上げるという面白い企画。
我々ミワリークラブも審査員である水木しげる、荒俣宏、京極夏彦の大御所お三方に
せめて存在をアピールしたいと思い、応募することにした。

正直、賞は欲しかった。
全国誌に載れば臼杵という土地を多くの人に知ってもらえるし
今まで地元では半分変わり者のサークルといった印象のミワリークラブを
ここぞとばかりに胸を張って自慢できるではないか。
でも良く考えてみると多少であり、秘密っぽいクラブであることが一部の人々にウケているミワリー活動、
「謎でありたい」くせに「認められたい」とは何たるわがままな願望であろうか。
体重100kgの女性が
「やせたーーーい。でも食べたーーーい」と言っているようなものだ。

それにしても、妖怪で町おこし、子供たちへの伝承活動、
それにメンバー自体が妖怪以上悪霊未満であることなどを考えれば
確かに新たな妖怪表現なのかもしれない。
ここはあまり背伸びせずにありのままの自分達の活動を出そう、
時を同じく完成間近の「うすきみわりぃ活動報告」をそのまま送ろうということになった。







年が明け、1月○日、
私は猫侍・副会長とともに説教パンダの実家=料亭へ急ぎ足で向かっていた。
田町にある三階建ての建物の窓越しからメンバーの誰かが
「あーやっときたよー」と言いたげな素振りで見ている。
今日の集合時間は午後7:00であるが
私の仕事は夜も配達を頼まれる事が多く、今日も7:00以降の配達が入っていたため5分ばかり遅れている。

NPO竹宵実行委員会のTさんはゲストでありながら私達に待ちぼうけを喰らっていたが
正式な団体でもあるまいし、おまけにこんなケッタイなミワリーの連中だから仕方ないというような
あきれた感じで出迎えた。
私も決して、5・6分遅れる事をカッコいいとでも思っているかのような
「臼杵時間」なる馬鹿げた常識に習っているわけではない。
そして他のメンバーがその臼杵時間で集まらないように
ゲストをお呼びすることで少しは時間どおりに来るのではないかという作戦は
成功とはいえないが若干の効果はあるようだ。
5周年を迎えても、相変わらず気まぐれで、相変わらずだらしなく過ごしているミワリーメンバーも
10分後には席に着いていた。

今日は特別な飲み会である。
なぜならば

怪大賞NPO賞受賞記念祝賀会なのだから!

妖怪というジャンルでは今やこれを置いては語れない「怪」という雑誌。
その「怪」に我々の活動が、この安っぽいイナカの妖怪町おこし青春グラフティー
特殊な妖怪表現として認められたのだ。

飛び上がって喜びたいが、大々的なセレモニーが行われるわけでもなく
受賞の実感が湧かないので
自分達で勝手に盛り上がろう、自分達で祝おうとなり今日の祝宴は開かれた。

外は古い建物と現代風の銀行の建物とが融合され、
おまけに三階建てから見下ろすというあまり味わえない景色で、
その横を通って行く帰宅ラッシュによって
懐かしい夕方の賑やかさが蘇っている。
それを見ると臼杵にはまだこんな良い場所があったのか、
33年も住んでいて私は何故この景色を見なかったのだろう、と思った。
最近、このようなことを考えさせる場所が何箇所かある。
とかなんとか言いながら、臼杵以外の土地に住んだ事もない私が
こんな気分を味わっているとは、我ながら馬鹿馬鹿しかったし、
この室内から窓の外の景色を堪能しそうも無いミワリー軍団の顔ぶれを見ると
やっぱり臼杵は凝り固まる人種であり、内輪だけの盛り上がり好きであり
中でも特にいい人ぶってリーダーシップを発揮している私は
独りよがりなノスタルジックに酔う愛郷主義の性質なのだろうか。
今日は約3名の形なき委任状を計算に入れれば全員出席している。
これまで私を支えてくれたメンバーに対して
「変形西遊記」「地獄型人間動物園」などの別名をプレゼントしてきたわけだが
祝賀会のこの日に思い切ったネーミングが出来そうである。
そして怪大賞を受賞し、雲の上の人であった水木先生にミワリーをアピールしたことで
今まであえて表現しなかったこのネーミングをやっと言える・・・・・・・

このリアル鬼太郎ファミリーめ!


髪型や体形が似ており、比較的まともな性格のひめちゃんは、ほんの少し正義感に欠ける鬼太郎
本日最高齢者のカッちゃん大王はご意見番役なので 目玉おやじ
ミリタリーは気味悪さと砂漠→迷彩からの連想で 砂かけばばあ
役場狸はなんとなく 子泣きじじい
がっちり型の鹿天狗が ぬりかべならば
やせ型でひょろ長い金かぞえが 一反もめん
今日は実家であるせいかちょっとおしとやかな説教パンダねこ娘
ねずみ男はどうしよう・・・・・
見た目や名前から言えばメガ鼠が適役だが、まぬけ役という面ではやはり副会長の方がしっくりくる。
 という事はメガ鼠は・・・・
ごめんよ・・・たまに出てくるサラリーマン山田。ぷっ・・・やばい・・似てる・・
猫侍はいつも私にとっては敵か見方かわからぬ減らず口を叩く上、
変に威厳があって頭がいい。
言い方を変えれば非常にずる賢いぬらりひょんだ!まいったか!

そしていつもいつも私をだましてゲテモノを食わせたり
ツアーの時間を無視して喋りたい放題の知ったかぶりの本尊・・・・は

あんたなんか・・・・

あんたなんか・・・・


ええい!


喰らえ!





油すましだ!



この場にいない者達はというと・・・・・・・
鬼太郎を陰と陽で分けるなら陰の方の鬼太郎である独笑小僧、ヤツはまだ仕事中、
見上げ入道か海坊主かの判断に困ってしまいそうなマッサージ入道は別の会合に出ていて、
二人とも二次会からの参加。
臼杵語で「小さな妖精」という意味の殿下コロボックルは退院したばかりで来れないらしい。
殿下が正月早々病院へ叩き込まれるはめになった病名は「ぢ」だった・・
本当に洒落にならないくらいの痛みで、かなりの重症だったらしいが
年末の忙しい仕事とお付き合いの飲み会が祟って持病が再発したのだろう。
殿下・・・・そんなに身体を痛めつけなくてもいいのに・・
もっとぢ分を大切にして下さい。そしてまたぢ元のために活躍してください。