キレンゲショウマ

ブナ林の貴重な植物

  かつての御三池(おみけ)の群生

 熊本県五家荘の樅木(もみき)にぬける峰越林道の峠の手前に駐車場があって、御三池(おみけ)への登山口になっています。国土地理院の2万5千分の1地形図には御池と表示されている1550mの平坦な一帯はブナをはじめとする原生林で、平家の落人伝説が残っています。ここには、昭和の終わり頃までは林床にキレンゲショウマが足の踏み場もないほど群生していましたが、今では登山口にごく一部生き残るだけで、群生を見る事はできません。

 

 茶花としても知られていて、夏場の登山客の中には、今でもキレンゲショウマを目的にする人も多く、がっかりして帰っていかれます。キレンゲショウマは修験道の役の行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの大和葛城山、吉野の金峰山や大峰などの深山でも見られます。茶花に使われるのは、この花が吉野・熊野の深山を思い起こさせるからではないかと愚慮しています。

 

 写真のように細い茎に大きな葉をつけるため、簡単に茎が折れて歩き回るのは楽ですが、植物にとって再生は不可能になります。

 増えすぎた野生のシカの食害の可能性が指摘されていますが、登山客が知らないで歩き回って群生地を破壊したことも原因のひとつだと思います。登山される方は、自然の生態系にも注意を払って欲しいと思っています。

 キレンゲショウマは、発芽後3年ほどで花を着けますが、幼植物は葉の形が違います

 芽生えを見つけたら、そっとしておいて下さい。持ち帰っても、暑さが苦手で都会では育ちません。園芸店でも山野草のコーナーで苗を販売しているのを見かけますが、腐葉土を多く用いて、涼しい湿った木陰で栽培してくださいと表示されています。夏の暑さに弱く、注意して育てても、たいていは数年で枯れてしまいます。

 キレンゲショウマの解説

徳島県・剣山で群生しているそうです

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This URL:http://www.coara.or.jp/kirenge.html

last update:14, July, 2012