特異な屋根をもつ

金光教別府教会
別府市南町2−13
0977-23-3707


 永石通りを上り、松原公園上の通りを南に入ると、特異な屋根形式をもつ寺院風の建物が、石門や塀越しに目に入る。明治41年に設立され、大正4年に竣工した金光教別府教会である。

 幕末の頃、備中(今の岡山県)の農民教祖、金光大神が創始した、この新しい神道系の民間宗教施設は、地元の後藤角太郎棟梁の手になるもの。建築用材は、淡路産の土台石や役物(やくもの)瓦、尾州檜などと、地場産材を取り合わせている。

 入母屋造り桟瓦葺き、妻入つの本殿形式は、岡山県の神社には見られるが、全国的に値珍しい形式である。正面の妻の三角形の破風(はふ)部分の前に、左右になだらかに流れるS型の曲線をもつ、唐破風(からはふ)と呼ばれる屋根がつく。さらに、その前の向拝(こうはい)(階段部分)上に同じ唐破風鋼板葺きの屋根が二重に更なっている。

 側面の屋根の中途にも千鳥(ちどり)破風(はふ)の屋根がつき、変化のある破風を組み合わせて、独特の美しさを表現している。内部も、神と人の取り次ぎの場としての会堂と内殿が設けられ、格天井(ごうてんじょう)を高く取り、広々とした礼拝空間になっている。

 80年の風雪に耐えて、いたわりながら大切に持ち続けてきた布教師と信徒の暖かい心が伝わってくるような建物である。

(H7.6)
 


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