一遍上人ゆかりの

温泉山永福寺

別府市風呂本1
0977-66-5176


 別府といえば湯煙り。その湯煙りに包まれた鉄輪温泉街いでゆ坂の中程に県内唯一の時宗の寺温泉山永福寺がある。

 開祖は捨聖と呼ばれた一遍上人で、念仏札を配り、全国遊行の途中この地を訪れたのは建治2年(1276)のことである。灼熱地獄のような鉄輸に留まり、祈祷により地獄を鎮め、蒸し風呂による温泉治療を開発したことは本堂の向拝柱に掲げた「日本第一蒸湯開基」の墨書に示されている。その功徳を讃えて上人に帰依した大友家3代頼泰が一寺を建立したのが湯滝山松寿寺であった。

 江戸時代の中頃、賦存上人がそれを中興し、庶民のための温泉開基道場とした。明治になり、無住廃寺となったが、水福寺と寺号を改めて再建されたのが現在の寺院である。

 当寺所蔵の「遊行上人縁起絵」は市指定の文化財になっており、秋のお彼岸に行なわれる湯あみ祭りは全国的にも珍しい。上人の木像を住職が入浴させ、地域の人や湯治客が献湯用の湯竹で湯をかけ、鉄輪の主な浴場を巡回するこの祭りは江戸時代の湯治場の面影を残している。ユニークないで湯の歴史に支えられた鉄輪は別府八湯の一つとしてその庶民的な雰囲気を失いたくないものである。

(H7.2)
 


もくじ


別府の建築遺産に関連した写真や、解説のページです

別府八湯ML辞書
べっぷはっとう