明礬の
湯の花小屋
別府市明礬


 海から見ると、鶴見岳を中心に緑の山なみをバックに巨大な鉄筋コンクリート造のアーチ橋が目につく。

 九州横断自動車道の別府明礬橋である。

 この橋の下に別府八湯のひとつ、皮膚病やリューマチ、神経痛に特効のある明礬温泉がある。

 江戸時代には森藩久留島氏の手により豊後明礬と高い評価をうけ、それがそのまま地名となった。

  近代となって当時の製法が湯の花製造に受け継がれ、その上屋(うわや)として三角屋根の小屋がつくられている。

 小屋の中には小石を並べ、その上に地元でとれる青粘土を15pの厚さに敷きつめ、これを地熱で暖めると、粘土の成分の中から湯の花の結晶が霜柱のように成長してくる。

 この湯の花は雨に濡れると水に溶けるので、雨除けに小屋材を合掌に組みの垂木竹(たるきだけ)の上にワラを葺き、屋根勾配を急にして雨水を処理している。

 小屋の寿命は30年位で、骨組をとりかえて使っている。

 現在70棟の小屋がひなびた風情を感じさせるが、この湯の花小屋をひきたてるように明礬の景観を整えていけば、全国で最もユニークな湯治場として人々の心をやすらげてくれるのではないだろうか。

(H5.10)
 


もくじ


別府の建築遺産に関連した写真や、解説のページです

別府八湯ML辞書
べっぷはっとう