福岡防衛施設局への公開質問状(2002/2/16提出)

 米海兵隊は、例年行われていた別府市への外出を「長崎市方面」へと変更し、2月14日、15日と2日間にわたって、それぞれ約70人、90人と長崎市に外出しました。これまでの別府市への米海兵隊の外出では、外出は「公務」であり「訓練」であると福岡防衛施設局は説明してきました。米海兵隊員個人が自分の休暇を利用してプライベートに外出するものではないわけです。このような米海兵隊の「公務」「訓練」として行われる米海兵隊の集団外出が、なんの事前説明もないままに、今回、大分県外にまで突然拡大されたことに、私たちは大きな驚きと、不安を禁じ得ません。
 特に、この外出問題は、この米海兵隊の演習の移転問題が起きたときに、地域住民がもっとも不安を抱いた部分です。福岡防衛施設局は、「日出生台演習場の米軍使用に関する協定」の治安・安全対策の第5条Bにおいて、米軍の「最高度の規律」の確保と、「米軍の外出時には(防衛施設局)職員が同行」を約束しました。
 また、別府市は米兵の外出に対応するために、現地対策本部を設置。大分県職員、別府市職員も外出が終了する深夜まで、別府市内の巡回を行ってきました。私たち住民も外出終了まで、約束の「最高度の規律」と「(防衛施設局)職員の同行」が行われているかを確認するために、毎回ウオッチングを続けてきました。その様な監視の目があるにも関わらず、別府市では、飲酒した米兵によるトラブルが毎回のように起きており、外出の中止を求める声は年々強まっていました。
 そのような中で、突然あきらかになった、今回の「長崎市方面」への外出先変更は、そのような経緯をまったく知らない長崎県、長崎市の自治体、及び市民らが、その意味を考慮する時間的余裕もないままに、決定、実行されたものではないかとの疑いがぬぐえません。
 私たちは別府で問題とされてきたものが、長崎に移ればそれで問題が解決するとは思っていません。自分のところに降りかかった問題を、他に移しさえすればそれでいいとも考えていません。よって、以下、今回の米海兵隊員の長崎市への集団外出について、福岡防衛施設局に質問をいたします。

<2月14日、15日に行われた米海兵隊の長崎市への外出について>   
 (以下、質問事項は敬語省略)

1)今回の米海兵隊の集団外出先を「長崎市方面」にするというのは、
  いつ、誰が、どのように、決定したのか。決定に至る経緯を説明されたい。

2)この外出実現のために、福岡防衛施設局は、長崎県、及び長崎市に対して、  いつ、どのような事前の手続きを踏んだのか?

3)日出生台に訓練に来ている米海兵隊員が、大分県外に出るということは、
  米軍使用協定が結ばれた時点で、あらかじめ想定されていたのか?

4)米軍使用協定の中の「米軍は最高度の規律確保」や「米兵の外出時には
  職員が同行」という約束事項は、今回の長崎市への外出のような
  大分県外への外出においても適応されるのか、否か。

5)過去3年間行われてきた別府市への集団外出では、福岡防衛施設局職員は、  毎回防衛施設局職員とわかる緑色(内側はオレンジ色)の上着を
  着ていたが、今回の長崎市への外出においては、大半の職員が私服を
  着ていた。
  なぜ長崎では私服にしたのか。この違いは何を意味しているのか。

6)日出生台で米海兵隊の演習が今後も行われた場合に、
  長崎市への外出は今後も行うのか。

7)2月15日(金)の「長崎市方面」2日目の外出では、
 米海兵隊に関わって、警察が出動し、長崎市内中で警察が検問をする
 騒ぎになり、米海兵隊のバスの長崎出発が遅れたと聞いている。
 この件について、福岡防衛施設局はどのように事態を把握しているのか。

*なお、この質問に対する回答は、事の重要性に鑑み、
 2002年2月25日までに回答してくださるようお願いします。

ローカルNET大分・日出生台が
2002年2月16日に福岡防衛施設局に宛てて出していた
米海兵隊の長崎外出に関する公開質問に対して、
本日2月27日、福岡防衛施設局より電話で
別紙のような口頭での回答がありました。

 7項目の私たちの質問に対する福岡防衛施設局の回答は、それぞれの
質問には答えず、「米軍の射撃訓練終了後の外出は、上官の指示のもと
に訓練用員が日本の歴史文化等に触れ、もって周辺地域社会に対する理
解を深め、さらに休養することを目的に行われるものと承知しており、
今回外出先を長崎方面としたのは、原爆の影響を研修し、その地域にお
ける歴史文化を理解するためである」とすでに発表になっている外出に
ついての防衛施設局説明を再度持ち出し、これを持って回答とするとい
う不誠実きわまりないものでした。
 米軍演習のなし崩し的な拡大に対して、大きな不安を抱いている私た
ち地域住民に対する今回の福岡防衛施設局の対応は誠意のかけらも見ら
れないものでした。

 これまでローカルNETが出してきた質問状に対し
ては、福岡防衛施設局が(なっとくできる回答ではなかったにしろ)ま
がりなりにもそれぞれの質問項目に対して、回答をしていたことを考え
ると、施設局の情報公開に対する姿勢が大きく後退ていると言わざるを
えません。また今回の日出生台現地対策本部の広報の対応が例年よりも
丁寧で、好感を持てただけに、今回の福岡防衛施設局の対応には怒りさ
え覚えました。
 外出問題は、日出生台に米軍演習移転問題が起きたときに、住民が
もっとも不安を覚えた部分でした。これに対して、国は「米軍の最高度
の規律確保」と「施設局職員の同行」を約束し、住民を納得させようと
してきたことを考えると、今回、この外出問題について、長崎県民、市
民に十分な事前情報も、議論する時間も与えないまま、長崎市への外出
を突然決定し、強行実施したことは、長崎県民、市民を巧妙に欺くもの
ではないかとの疑念を抱いています。
 その意味で今回の7項目の質問は、今後の米軍の外出について、長崎
県民、長崎市民がこの問題にどう対処していくのかを判断するための基
礎的な情報となるものです。日出生台でもそうですが、地域のことを決
定するのは主権者である地域住民であり、その主権者が、判断し、決定
するための必要十分な情報を福岡防衛施設局は開示する義務があると考
えています。
 福岡防衛施設局が、今回のような不誠実な回答を持って対応する以
上、私たちローカルNETとしては、あらためて防衛施設庁本庁に宛てて同
様の質問をしていくとともに、今回の福岡防衛施設局の不誠実な対応に
ついても、問題にしていかねばならないと考えています。

福岡防衛施設局側の担当官は施設企画課の田中さん
ローカルNET側は事務局 浦田


<2002年2月27日午後1時>

【防衛施設局】これで答えになるかどうかわかりませんけれども、外出についての当局の考えを整理してございますので、それを説明したいと思います。

【ローカルNET】えーと、それは文書で?

【防衛施設局】いえ、文書でなくて今から私が言いますので・・・

【ローカルNET】あ、読み上げるんですね?

【防衛施設局】はい。

【ローカルNET】ちょっと待って下さい。・・・。はい、お願いします。

【防衛施設局】米軍の射撃訓練終了後の外出は、上官の指示のもとに訓練用員が日本の歴史文化等に触れ、もって周辺地域社会に対する理解を深め、さらに休養することを目的に行われるものと承知しており、今回外出先を長崎方面としたのは、原爆の影響を研修し、その地域における歴史文化を理解するためである。 ・・・ということで、ございます。

【ローカルNET】えーと、それは長崎市に渡している今回の(米軍外出の)理由の文書といっしょですよね。

【防衛施設局】いえ、そういうことではなくて、要はその、この公開質問状のまあ、あの回答も踏まえてですね、要はその、当局のその、なんて言うんですか、その外出に関する考え方。これを整理したものです。

【ローカルNET】ということは、この質問の一項目目の「いつ、誰が、どのように決定したのか?」というのは、今の答えで言うと、この、まず「いつ」という部分は「いつ」でしょう?

【防衛施設局】ええ。それでですね。これ、よくわからないんですけども、当方としてね、結局その、こういう一つ一つの質問に対して、ちょっとお答えするのがですね、まあ、どういうものかなと思うんですよ。というのは、これは、例えばその外出について、何か問題があったなら、これはわからんでもないんですけれども、今回特に問題あったわけでもございませんし・・・。で、これがあれですか、浦田さんが個人的にこういうことをお知りになりたい、ちゅうかたちで当方の方に投げてきたものなんですか?

【ローカルNET】個人的に?

【防衛施設局】ええ。

【ローカルNET】あの、僕らはですね。住民としてこの間、今回は(米海兵隊の外出が)長崎になりましたけども、別府での外出においても、これが「公務として」、「訓練として」行われるということで、私たちの税金を使って行われていたわけですよね。ということで、納税者としての立場もありますので、どういうふうに私たちの税金が使われているかと、いうことをきちんと確認したいと、いうことで、これまでの別府での外出についても、それがどういうふうにおこなわれているかと言うことを見てきたわけです。
 それで福岡防衛施設局と、大分県、地元3町の間で米軍使用協定が結ばれていますよね。これが結ばれた段階では、「長崎」というのはまったく入ってなかったんじゃないかと思うわけです。

【防衛施設局】ちょっと主旨が違うと思うんですけどね。まあ、私も詳しいことがわかる者じゃないんですけど、協定の主旨というのは、演習場を使う上での、結ばれた内容だと思うんですよ。で、その外出とかなんとかっていうところまでも踏まえたものなのかっていうことは、私の方もちょっとわからないんですけれどもね。

【ローカルNET】外出についての規定が協定の中にありますよね。

【防衛施設局】ええ。外出については、規律だとかなんだとか、あるいはうちの同行だとかそういうことにちょっと触れてございますよね。

【ローカルNET】これが長崎への外出の際には、どのように扱われるんでしょう?

【防衛施設局】だから、そういうところまではちょいとわからないんですよね。あの、まあ結局なんていったらいいのかな・・・。協定を結んだ時にそういう地域のしばりまでもかけるようなかたちでやったのかとなると、そのへんのところまでは、ちょっと私の方ではわからないんですよ。

【ローカルNET】つまり、「協定では地域を限定していない」という意味合いでよろしいですか?

【防衛施設局】だからね、そのへんのところを私の意見というかたちで個人的なものを求められてもちょっと困るんですよね。

【ローカルNET】僕は田中さんの「個人的意見」を一切求めていません。防衛施設局の公式見解をお願いしますと言うことです。

【防衛施設局】ああ、そうですか。それだったらですね、先ほど読み上げたもの以上のものは、ちょっと私としてはわからない、お答えできないということにしかならないんですけれどもね。

【ローカルNET】ええ、「田中さんとしては」ではなくて、「福岡防衛施設局としては」というところでお願いしたいんですけれども。

【防衛施設局】ですから、先ほども言いましたように、「外出に関する当局の見解としては」って形で、先ほどの外出に関する当局の見解を話させていただいたわけです。

【ローカルNET】あるいは、この「長崎県、及び、長崎市に対してどのような事前の手続きを踏んだのか」という2番目の質問については、どうですか?

【防衛施設局】ですから、個々のこのお宅様からのこの公開質問状についてはですね、もうそれも含めて、先ほどお話した内容以上でもないし、以下でもないっていうことで理解願いたいんですよ・・・。

【ローカルNET】つまり、今回の質問に関しては、一切個別に質問事項について答えるつもりはないという意味でよろしいですか?

【防衛施設局】ええ。トータルで答えさせたものの中で理解して頂きたいということです。

【ローカルNET】今まではわりと福岡防衛施設局は、個別にお答えいただいてましたけれども、これからはそういうふうには答えないということなんでしょうか。

【防衛施設局】そうですね。まあ、今回の答えとして、こういうかたちで回答するようになっておりますので、そのように理解してくださって結構かと思いますけれども・・・。

【ローカルNET】それは福岡防衛施設局として、そのような形の対応をするという方針がでているわけですね。

【防衛施設局】そうですね。まあ、そういう方針というよりは、外出に関しての当局の見解はこういうことですよというだけのことなんですけれどもね。

【ローカルNET】わかりました。

【防衛施設局】はい、そういうことです。

【ローカルNET】この福岡防衛施設局の現地対策本部宛に出した質問状は、そもそも柿原さんを窓口にしてたのですが、柿原さんは今どうされてますか?

【防衛施設局】広報官としてやっておりますよ。

【ローカルNET】これ、質問そのものは柿原さんに宛てて、ファクス送りますということでお渡したんですけれども・・・。

【防衛施設局】ええ、でもこれは一応、局宛の公開質問状ですよね。

【ローカルNET】ええ。じゃあ、同じ答えということでよろしいですか。柿原さんであっても。

【防衛施設局】はい。担当として、局の見解を述べさせてもらったわけですから・・・。

【ローカルNET】はい。現地対策本部の柿原さんを窓口にしてお渡ししましたけれども、現地対策本部の目的が「米軍演習の円滑実施と、周辺住民の・・・、不安の・・・」ええっと、どういう表現でしたかね?

【防衛施設局】「解消」ですかね。

【ローカルNET】「解消」ですかね。っていうようなことだったと思うんですけれども。私たちは、これについて、今回、突然、長崎に「訓練」「公務」としての(米軍の)外出が拡大されたことについて、突然発表され、実際に行われたことについて、非常に不安を覚えているわけです。で、これについて、その不安を解消してほしいということでこのような質問を出したわけですけども、それに対しては、「逐一答えるつもりはない」ということで、よろしいですね。

【防衛施設局】逐一というよりも、要はその外出とはどういうものかということをご説明すればそれで十分なのではないかなというふうに考えています。

【ローカルNET】私たちは、今回の今のお答えでは、まったく納得できるものではないと考えますけれども・・・。

【防衛施設局】う〜ん・・・。であっても、まあ当局としてのいわゆる外出に関する考え方はこういうことですよということでしかないんですよね。

【ローカルNET】・・・。

【防衛施設局】平行線になっちゃいますけれどもね。

【ローカルNET】田中さんは上からの答えを、今、そのままこういう方針が出てますということでおっしゃられているわけですね。

【防衛施設局】はい。

【ローカルNET】わかりました。こちらもまた対処させていただきます。

上記のような福岡防衛施設局のあまりに不誠実な対応を受けて、
3月1日に中央の監督官庁である防衛施設庁に同様の主旨での質問と、
福岡防衛施設局の今回の対応について厳重注意を求める文書を
FAXし、担当の方に返事をいつもらえるか確認したところ、

「福岡(防衛施設局)から既に答えているので、あらためて
 防衛施設庁としては回答するつもりはない」

担当は防衛施設庁「104支援本部」中谷さん。

これを受けて以下の抗議文を防衛施設庁と
福岡防衛施設局に対して出しました。

防衛施設庁長官   嶋口武彦様
福岡防衛施設局局長 末永純司様

「米軍基地と日本をどうするローカルNET大分・日出生台」が
提出した米海兵隊の長崎外出に関する公開質問状に対する
福岡防衛施設局、並びにその中央監督官庁である
防衛施設庁の不誠実な対応について強く抗議するとともに、
日出生台での米軍訓練の廃止を求める

 私たち日出生台演習場の周辺に暮らす住民は、大分県日出生台演習場での実弾砲撃訓練を終了した米海兵隊員らの集団外出が「長崎市方面」へと突然変更された件について、福岡防衛施設局に7項目の公開質問状を出していました。しかし、2月27日、福岡防衛施設局の回答は、これまで発表されていた説明を繰り返すのみで、「回答」とは呼べない不誠実きわまりないものでした。

 この状況を受けて、3月1日、私たちは、福岡防衛施設局の中央の責任監督官庁である防衛施設庁に対して、福岡防衛施設局の今回の対応について厳重注意を求めるとともに、あらためて同件に関して防衛施設庁に同趣旨の質問をしました。
 しかし、防衛施設庁の担当部局「104支援本部」は、「福岡(防衛施設局)から既に答えているので、あらためて防衛施設庁としては回答するつもりはない」と、これまた誠意のかけらも感じられない、演習場地元住民への配慮のまったく感じられない対応に終始しました。

 97年4月22日、当時の久間防衛庁長官は、大分県庁で「国の責任でやらせていただく」と発言し、米軍訓練の日出生台への移転を強行に決定しました。もし、いささかでも「国の責任」を果たす意志があるのであれば、私たち住民の質問に対して、納得のいく説明をしようとする努力があってしかるべきではないでしょうか。国としての説明責任を果たす努力を最初から放棄しているのではないかとの疑問を持たざるをえません。

 今回のような福岡防衛施設局、並びに防衛施設庁の、最初からまったく地域住民を無視する態度の中で強行されている米軍訓練が、私たちの故郷、大分、日出生台の地で行われていることを、私たちは断じて許すことはできません。

 よって、私たちは、今回の福岡防衛施設局、並びに防衛施設庁の、地域の主権者たる地域住民に対する誠意のかけらもない対応について、強く抗議するとともに、住民を無視して進められている日出生台での米軍実弾砲撃演習の廃止を求めます。


2002年3月4日

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