日出生台・十文字原での今秋の日米共同訓練決定に抗議する声明

 陸上自衛隊西部方面総監部は8月27日、日出生台、十文字原の両陸上自衛隊演習場で11月中旬から下旬の約2週間、日米共同訓練を実施すると発表した。日出生台ではこの春、米海兵隊の実弾砲撃演習が終わったばかりで、またこの秋に今度は日米共同訓練をやるというこの発表は、演習場の地元住民にとって11月下旬が牧草の刈り込みの真っ最中に当たることとあわせて考えても、演習場周辺の地域住民の負担とその痛みを、国はまったく理解してないものと言わざるを得ない。

 沖縄から移転になった米海兵隊の実弾砲撃演習は、本土5ヶ所の演習場で年間4回行われているため、毎年1ヶ所が休みとされてきた。今年度は、日出生台では米海兵隊の実弾砲撃演習は行われないとされていたはずであり、その休みであるはずの年に、同じ米海兵隊参加による日米共同訓練を行うなどというのは、地域住民の願いを踏みにじるものであり、大分県民をペテンにかけるものといわざるをえない。実はこの同様のまやかしは、すでに宮城県王城寺原、北海道矢臼別においても、同様に住民を欺くかたちで行われてきたものだ。
 演習場周辺に暮らす住民の負担を全く考慮しない、このような日本政府の欺瞞的姿勢と、今回の日出生台での日米共同訓練の決定に対して、私たちは満身の怒りを込めて抗議する。

 すでに過去4回行われてきた日出生台での米海兵隊の演習においても、回を重ねるごとに演習の拡大、強化が行われ、演習場内には米軍演習の恒常化につながりかねない300人収容の3階建ての宿舎や大食堂、シャワー施設までつくられている。
 平松大分県知事は1997年4月22日、日出生台への米海兵隊実弾砲撃演習移転を受け入れた際のコメントで「米軍による反復かつ継続した演習により常駐化されることのないこと」「米軍演習を将来にわたって縮減する方向でぜひ検討していただきたい」とコメントしている。
 米海兵隊の実弾砲撃演習の開始と共に始まったこれまでの日出生台での演習、及び演習場の状況を見れば、米軍演習は「縮減」どころか、むしろ「反復」「継続」「常駐化」の方向にあると言わざるをえない。大分県としてもこのような流れをさらに決定づけることになる今回の日米共同訓練を認められないはずだ。
 さらに日出生台では、今秋、10月23日に「日出生台演習場の米軍使用に関する協定」が期限切れとなる。県と地元3町が異議を唱えなければ自動的に延長になるというが、もし協定延長認めれば、この先さらに5年間の日出生台での米軍演習を容認することになる。このようなことは、先の平松知事の言葉とも相容れるものではない。
 日出生台での米軍演習があきらかに「反復」「継続」「常駐化」の方向にあることがはっきりした今、私たちはこの米軍使用協定を破棄するよう県、地元3町に対しても求めていく。

 また、この秋には臨時国会で、前国会で継続審議とされていた有事法制についての議論が再開されようとしている。この秋に日米共同訓練を入れるということは、この有事法制の審議の行方いかんにかかわらず、既定の路線として有事法制体制づくりの実地体制を一気に進めようとするものだ。
 米海兵隊は、戦場に真っ先に乗り込んでいく攻撃専門のなぐり込み部隊であり、現在、アメリカはイラクへの軍事攻撃を準備しているとも言われている。そんな状況の中で今回、日出生台で日米共同訓練が行われることになれば、これまで日出生台で行われてきた演習の中でも、もっとも実戦的な激しい訓練とならざるを得ず、兵士たちの過重なストレスによる外出時のトラブルなども大いに懸念される。

 そして、日本の自衛隊がそのような実戦的訓練を米海兵隊とともに行うことは、自衛隊が米軍とともに戦争をする軍隊へとさらに進むことを意味する。これは「集団的自衛権」を否定した憲法に抵触するものであるとともに、そのようなかたちで自衛隊員らを、殺し殺される戦場に送り出すことを私たちは絶対に許すわけにはいかない。
 アメリカでは、アフガンでの戦闘から帰国したアメリカ兵士らが、日常の生活に戻ることができず、家族を射殺してしまう悲惨な事件が相次いでいるという。日本でも、今年になって、より実戦訓練を行うようになった自衛隊部隊の隊員らが謎の連続自殺を遂げている。このことは、自衛隊が今、より実戦的な部隊へと変えられようとしている徴候ではないかと見られる。このような自衛隊員が戦場に出撃することは、自衛隊員の家族はもとより隊員本人も望んではいないはずだ。自衛隊員の犠牲を出すことも、私たちの国の軍隊によって再び他国民に犠牲を出すことも、私たちは絶対に容認できない。
 よって、私たちは、この秋に日出生台・十文字原で行うという日米共同訓練を絶対に許さない。

  2002年8月30日 
米軍基地と日本をどうするローカルNET大分・日出生台
大分県大分郡湯布院町川上1525-12
tel&ax 0977-85-5003


この声明は、大分のマスコミを通じて発表するとともに、防衛庁に電子メールで
西部方面総監部にFAXで送付しました。

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