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ホタルを飼育して殖やす方法ですが、その地域における環境条件が違いますから、この方法がベストであるなどとは決められないかと思います。それぞれの人や地域に合ったものを見つけて実行するのがよいと思いますが、これから飼育に取り組む人、現在飼育をしている人の参考にしていただければと思い、私の実践してきた飼育法を紹介します。 ホタルの幼虫を得る方法ですが、5月末から6月中旬のホタルの飛ぶ時期に、メス・オスの成虫を採集して、密閉できるプラスチック製衣装ケースに入れて、市販の園芸用ミズゴケを湿らせたものに産卵させています。産卵後23日ほどで順次卵から幼虫が孵化して這い出してきます。それを水の中に移して飼育を始めます。孵化したばかりのゲンジボタルの幼虫は、体長が2mmほどでごく小さいものです。 私は幼虫を育てるえさとしてカワニナを与えています。孵化後の幼虫の餌としては、親貝から生まれたばかりのカワニナの稚貝(大きさ1〜2mmほど)が最適です。これを幼虫に与えて育てたものは、大きく成長したカワニナを与えたものに比べて、よく食べて早く成長します。幼虫が成長するに従って、だんだん大きなカワニナでも食べることが出来るようになります。
生きている稚貝を与える場合は水をあまり汚しません。水をきれいに保つように貝殻やゴミを早めに取り除くなどの手入れをしながらカワニナを与えて観察していますが、ホタルの幼虫は順調によく成長しています。 ホタルの幼虫の行動を観察していると、体長が大きくなるにしたがって、大きなカワニナに頭を突っ込んで1匹で独占して食べますから、それだけえさをたべるチャンスがふえ、成長しやすくなります。また、長い期間えさを食べなくても、飢えには強いので、毎日えさを与えることをしなくてもよいので、その点では育てやすいと思います。 カワニナを食べることの出来た幼虫は、からだが肥えて丸みを帯びています。やがて脱皮して白い色のからだにかわり、体長もだんだん増してきます。カワニナを食べた後の幼虫は短期間で体長が増しますから、食物の利用効率は優れているようです。 |
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げんじぼたるの幼虫の飼育は、えさのカワニナを確保できることがキーポイントです。あとは簡単な設備で室内でも飼育出来ます。 水の汚れを防いで水質を保つために飼育容器の水が外にごくわずかずつ流れ出す方式で飼育してみましたが、幼虫は水に浮いてどんどん逃げ出すことが分かりました。逃げるのを防ごうと、洗濯機に使用してゴミを集めるのに使う、極く小さい目の布製の袋で幼虫の脱出を止めようとしたところ、この布目をかいくぐって外に逃げ出します。台所用で使用する極くこまかい目の金網も試してみましたが、この小さな網目でも通って逃げます。それでこの方法はあきらめて、以下の方法に落ち着きました。 これは屋内に置いて、水道水を貯めた飼育容器で幼虫を育てる方法です。 多くの幼虫を飼育するために私は次のようにしています。 |
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できるだけ手間をかけずに多くの幼虫を育てようと、私は上の写真のような不透明な青色をした、大きな形の市販の樹脂製容器(50x35x17cm)を用いています。深さ5〜10cmほど水を入れていますが、小さい容器に比べて水質の汚れが起きにくくなります。ほぼ1週間に1〜2回程度、水換えをしています。幼虫は暗い場所にかくれようとしますから、不透明な容器を用います。幼虫が成長した時期には握りこぶしくらいの大きさで、下側がほぼ平たくて隠れやすい場所のある小石を入れてやると、幼虫はこの石の下に隠れています。幼虫が小さいあいだは、この容器中に後で述べる採取装置で集めたカワニナの稚貝を供給していますが、幼虫は順調に生育しています。 隠れる場所として、幼虫が小さい期間は石と共にミズゴケを少し入れておくと、それにかくれますが、この方法は、カワニナが出す糞などを取り除くのに手間がかかるので、入れない方が良いようです。 幼虫がある程度大きくなったものが死んでしまうことがおこり、その対策に悩みました。例年になく暑い夏で、室内でも水温が上がったのも一因でしょうが、まだその原因を確定できたとはいえません。つぎのことはいえるようです。掃除には手間がかかりますが、大きな石の間に直径2cmほどの小さな石をたくさん並べて、幼虫が安心してかくれることの出来る場所を確保することが、とても大事です。この対策をとってからは、死ぬ数が減ってきたようです。 台風の時期が過ぎた時期を待って、大部分の幼虫を、私がホタルを育てている川に放流しました。幼虫を放流出来る川や井手等を持つことも、ホタルを多く育てるための大切な要件だと思います。 幼虫が大きくなつてからは、植木鉢のかけらも置いて試してみましたが、その下にはほとんどいません。すきまが大きすぎるのが原因のようです。 稚貝を食べたあとの貝殻は、ゴミと共に時々取り除きます。目の小さい布製の袋で水をこしたり、スポイドで吸い取るとカワニナの出すふんはとりのぞくことができます。この飼育方法はエアーポンプを用いるだけで、割と簡単に幼虫の飼育が出来ます。カワニナに頭を突っ込んだ幼虫は、えさを石の下に運んでかくれて食べますから、容器の底は滑りにくくして、幼虫が尾脚でつかまって歩きやすいように、金属たわしなどを使ってざらざらの状態にしています。 水温上昇についてですが、私は自宅住居2階の廊下に飼育水槽を置いています。クーラーのない状態ですが、これまでの経験では夏場の気温や水温上昇で幼虫が死ぬことが起きます。直射日光があたる場所に置くと、まずいかと思います。 9月以降の時期になると、幼虫がかなり大きく育ったものも出てきますので、成長に合わせた大きさのカワニナも与えます。かくれる石も大きなものを入れるようにしています。 このときに、ホタルの幼虫と一緒の容器に入れた少し大きくなったカワニナは、幼虫に食べられる危険を避けて、写真のように大部分の貝がすぐに容器の周りにのぼってきます。小さなカワニナは吸盤を上にして水面に浮くものもあります。幼虫は容器の壁を登れませんから、カワニナを水中にもどしてやります。 9月中旬の幼虫は、大きいものは体長2.5cm近くに成長しています。また、同じ容器に入れて同じようにたべやすい大きさのえさを与えても、生まれたときとあまり変わらない、まだ3ミリほどしかないものもいます。成長には、かなりのばらつきがあり、どの幼虫も同じように成長させるのは困難です。 カワニナの確保さえ出来れば、幼虫はあまり手間をかけずに室内の飼育で、成長していきます。 また、実際に飼育してみると、えさとして与えるカワニナはほたるの幼虫の量に比べて、あまり多く必要としません。多く与えておいて食べた量を数えてみると、カワニナの大きさにもよりますが、11月初旬には、1日幼虫10匹あたり1〜2個程度のようです。幼虫が小さい時期は幼虫の数に比べて、ぐっと少ない数のカワニナで飼育できます。 |
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カワニナのえさとしては、野菜くずや川で採ったクレソンの枯れかけたものなども与えていますが、よく食べます。 |
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