ゲンジボタルの生態
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土から這い出すホタル

 3月下旬〜4月中旬に水中から上陸して土マユの中で蛹(さなぎ)になったあと、5月下旬〜6月初旬にホタルが羽化して土から這い出してきます。

ホタルが飛び立つ瞬間

 ホタルの飛び立ち・・・大分県下では、5月下旬から6月中旬にかけて、きれいな光を放ちながら飛ぶホタルの姿が県下各地でみられます。

メスボタルの発光

 

1.ホタル観賞に適した時期と時間帯

ホタルがとぶ時期 (大分県内の例)  (更新日 2010.1.13

 大分地方では今年は暖冬が続き、桜の花の開花時期が例年より早くなりました。
 ホタルの幼虫が水中生活していたものが上陸する時期に、雨が降ると土が湿って上陸し易くなります。

 昨年は、庄内町の一部で5月16日に初ホタルが観測されました。今年ホタルの乱舞が見られるのは5月末〜6月上旬ごろと思われます。

ホタルの見られる時期は、鹿児島などの暖かい地方ほど早く飛び始めるようです。川の水温なども関係して、地域によってもかなりの違いがあり、同じ地域でも場所によって飛ぶ時期が少しずつ異なります。また、その年の平均気温が高かった年には、平年よりも早く飛び始めます。

夕方、西の空がだんだん暗くなって星の光が見え始める午後7時半ごろから少しずつ光を出し始めます。ホタルが多く飛ぶ時間帯は午後7時30分〜9時ごろです。その時間帯に合わせてホタルの観賞に出かけるとよいでしょう。午後9時を過ぎると飛んでいるホタルの数がだんだん減ってきて草の葉や樹木などにとまり、光を出すのを休むようになります。

気象条件

風がなくて生暖かく感じる、月明かりもない暗い夜にはホタルが多く飛ぶのが見られます。風の強い日や冷え込む日には、夜になっても飛び回らず、草むらにかくれて光を出さずにじつとしているものが多くなります。また暗がりのある場所に集まる習性があります。雨が強く降るほど、飛ぶ数が減ります。ホタル観賞には、気象条件を確かめて出かけましょう。

観賞者のマナーを守りましょう

★ホタルは暗い場所で、交尾のためのメスを探して光ります。強い光を嫌いますから、現地に着いたら車のライトを消しましょう。
★まだまだホタルの数は少ないので、ホタルを見つけたら、よく観察した後、放してやりましょう。

 

2.ゲンジボタルの生活史
5月下旬〜6月中旬
湿度の高い梅雨の時期に、ホタルの成虫はきれいな光を出して飛び交います。メスは交尾後産卵し、子孫を残します。ホタルの成虫になってからの寿命は1週間〜2週間ほどで、えさは水だけです。ホタルが飛ぶ時期は、地域や場所で違います。暖かい年には早く出現する傾向があります。
7月上旬〜3月中旬

メス1頭が産む卵の数は560〜960個ほどです。産卵後23日ほどで、孵化が始まります。大きさ2ミリほどの幼虫となり、水の中でおもにカワニナを捕食して生長していきます。脱皮を繰り返しながら、3cmほどにまで大きくなります。大部分の幼虫は1年で成長して成虫になりますが、生育が遅れたものは2年ないし3年かかって成虫になるものもいます。

3月下旬〜4月上旬
気温や水温が上がってくると、雨の降った日の夜に水中から這い出して岸辺の土に上陸し、土にもぐります。
5月上旬〜5月中旬
柔らかい所を探して土にもぐり、土まゆをつくってその中で過ごします。約1ヶ月余り経つと、幼虫の形をしていたものが、淡い黄色をしたさなぎに変態します。
5月下旬〜6月上旬
さなぎに変態してから数日後には、だんだん色が濃くなり、土繭の中で成虫になります。羽根がのびて固まり、からだの色が真黒くなると、暗いうちに地上に這い出して成虫のホタルとなって、飛び立ちます。

ホタルのメス成虫

 これはゲンジホタルのメスですが、オスと比較すると、からだが大きく、1.8cmほどで、羽の付け根の左右を手でつまんだ時にからだが硬く感じます
  メスも強い光を出しますが、光る間隔がオスと異なります。からだの大きなオスもいますので、上側から見ただけではオス・メスの見分けはつきにくいので、腹側の発光部分の違いで見分けます。


3.ゲンジボタルの好む環境と生態について

 成虫のほたるは、湿度の高い所を好みます。川面やたんぼの水面からは、人の目には見えませんが水分の蒸発がありますから、その近くではホタルが多く飛んでいます。乾燥した場所ではホタルの寿命が短くなります。季節的にも、湿度の高い梅雨の時期にホタルが出現するのも、湿度が高い時期と一致しているのではないかと私は思っています。

夜の9時以降の時間帯は草に止まって、交尾状態に入ったものが見られます。雨が降っている夜でもホタルは飛びますが、その数は普段の日に比べて減っています。

ホタルはオスとメスが光で交信するために、ホタルが飛べる暗い場所があることが大切です。道路や住宅などが近くにできると、その照明の光を避けてホタルは暗い場所に集まります。ホタルの飛ぶ時期には、その近くの街灯に覆いをかぶせるなどして、光が当たらない工夫がされているところを見かけます。

ゲンジボタルのオスは、同時発光を繰り返しながら集団をつくって飛び交います。関西や九州地方では、発光間隔は約2秒です。飛び回っているものはほとんどがオスです。

メスはオスに比べて数が少ないのか、なかなか見つかりません。草むらなどにじっとひそんでいますから、棒などを使って草むらを揺らして刺激を与えると光を出しますから、見つけやすくなります。卵を産みやすいコケなどが生えている水辺で探すと、メスに多く出会うことがあります。

ホタルの成虫の餌(えさ)は何を与えようかと心配になりますが、草の葉にたまった水滴など、水を飲むだけで生きられますから、容器の中を霧吹きなどで水分でしめらせます。ただし長生きさせるには、スイカの赤く甘い部分や、ハチミツを水で薄めて与えたら寿命がぐ〜っと長くなったという飼育結果などが知られています。私の経験では、羽化した日が分かっている成虫で調べた結果、19日間生存した記録がありますから、いろいろと試してみるとよいでしょう。

成虫の生存期間ですが、オスが交尾しても、すぐに死ぬことはありません。また、メスが産卵しても、すぐに死ぬことはなく、どちらも成虫になって這い出したあと、条件にもよりますが1週間〜2週間で寿命が尽きます。乾燥した場所に置くと長く生きられませんので、湿度を保った場所で過ごせるようにして下さい。ある程度大きい密閉状態に近い容器に入れれば、ホタルが弱ることはありません。ただし、ほたるは水につかると、おぼれて死んでしまいます。

大分県内では、ホタルといえばゲンジボタルを指しますが、ゲンジボタルはヘイケボタルに比べて大型の体型で、光が強く、遠くからでもよく見えるので、見ごたえがあります。


ヘイケボタル

4.ヘイケボタル

 ゲンジホタルの時期が終わりに近づく6月初旬から中旬頃から、稲を植えたたんぼの水面などで、ゲンジぼたるに比べて小型のヘイケポタルが飛び交います。このホタルは懐中電灯を点滅させたり車のウインカーが点滅すると、この光の点滅に反応して近づいてきます。チカチカッと発光間隔が短かい弱い光を出します。近い場所から見ると数が多いときは結構見ごたえがあります。大分県内でも、地域によつてはたくさんのヘイケボタルが自然発生する場所があり、発生時期が長く、9月を過ぎて見られることもあります。ゲンジぼたるは、光の点滅には反応しません。

 


ホタルはこの中から出てくるの

あわふきむし

 5月ごろの時期になると、草むらのあちこちに写真のようなあわを見かけます。
 私もほたるの研究を始めるまでは、このあわからホタルが生まれるんだと、幼いころから聞かされていて、それを信じていました。
 この白いあわの中から、どんな虫が出てくるかを調べて見ると、ご覧のようなあわふきむしのあかちゃんがいました。
 白いあわを減らして調べてみると、たいていは1〜2匹ですが、大きいあわの中には3〜4匹もかくれています。
 ちょうど、ほたるが飛び始める時期にこの泡が出来るために、この中にほたるがいると思われたのでしょう。
 本当かなと思ったら、実物を手にとって、よく調べてみることが大切だと思います。



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