知っていますか? | 福岡市中央区の婦人科 イリスMORIウイメンズ 女性のプライマリーケアの専門医を目指して


知っていますか?

サブメニュー

細菌性膣症(膣炎)

膣粘膜は豊富に粘液線がありグリコーゲンを豊富に含んだ粘液を盛んに分泌します。膣の温度は36〜7℃に保たれ栄養は豊富で細菌等の微生物にとっては格好の棲家になります。

しかし、健康な生体はそれらの微生物を寄せ付けない防御機構があります。それが、膣内の乳酸菌(Lacto Bacillus sp以下LB)や白血球リンパ球等の免疫機構です。LBも細菌ですが良玉です。すなわち、膣のPHを酸性に保ち悪玉の病原的細菌(病原菌)の繁殖を防いでいます。

LBの活性が低下すると各種の病原菌が繁殖してきます。病原菌が繁殖すると、悪臭のある水っぽい灰白色の帯下が増加します。

この細菌過剰の状態を、細菌性膣症(医学的には膣症というより膣炎というほうが正しい)といいます(下記写真 症例1・2)。これは、性感染症に含まれてないので、ついつい見逃されやすいのでここで強調しているのです。

▲症例1

▲症例2

細菌性膣症の原因

細菌性膣症を起こす原因として、以下のようなものが考えられます。

  1. 疲労やストレスで免疫機能が低下した状態
  2. 性交過多
  3. パートナーからの感染
  4. 膣の洗いすぎ

当院の統計での原因菌はここ3年間で多い順に1.GBS等の連鎖球菌類、2.ガードネラ菌、3.ブドウ球菌、4.大腸菌、5.クレブシェーラ菌です。特に2.のガードネラ菌による膣炎は酷い悪臭があり嫌がられます。

細菌性膣症は一般に弱毒菌で、放置していても自然に治ることもありますが、除菌しないといつまでも帯下が続き、いろいろな病気を起こす原因になります。

菌力が強く宿主の免疫力が低下すると膣炎・子宮頚管炎をおこし、子宮頚管から上行感染し子宮の周囲炎になって子宮周囲や卵巣卵管の炎症癒着をおこします。これが生理痛や不妊症の原因となります(前述)。

また、そこで子宮内膜が生着すると内膜症となるのです。妊娠末期には、細菌が子宮頚管から卵膜に上昇して、早産の原因になることもわかっています。その他に、尿管炎や膀胱炎等の尿路感染症の原因にもなります。

したがって、「膣の中には誰でも雑菌くらいいるさ」と、軽く考えてはいけません。そのときは、このような感染症のわかる専門医を受診してください。

ページトップへ