「たまには、浮気」


 「アオリイカ」がそれなりに釣れてるときはあまり思わないことだが、坊主や釣果が芳しくない日々が続くと、浮気心が顔をのぞかせる。
「何でもいいから釣りたい!」
「文句は言いません、何でもいいから釣らせてください!」
「今日から毎日欠かさず手を合わせますので、神様、仏様、お願いします!釣らせて下さい!!」

 そして次回の釣行でもしも「アオリイカ」が釣れないなら、「カサゴ」「メバル」を狙ってみようかとか、今は「太刀魚」がいるはずだから「太刀魚」も狙えるかなとか、「スズキ」が居るかもしれないのでレッドヘッドも必要だなとか、ひょっとして「ブリ」が回遊してくるかもしれないし、そうなるとメタルの準備もしておかなくては、、、等々、頭の中はいろんな考えがぐるぐる巡ってパニック。
 時には、「餌」を持っていって「餌釣り」もやってみようとか、とんでもない考えが浮かんだりすることもある。

 そうやってどんどんタックルが増えていく。実際、使いもしない道具で居住空間がどんどん侵略されていっている。当然、釣行の時の荷物も山のようになる。

 結果、「アオリイカ」が釣れなくてもほとんど他の釣りをすることはないのにだ。

 よーく考えてみると、もともとめんどくさがりやだから、現地に行って「アオリイカ」が釣れないからといって、他のタックルを準備するなどという大変めんどうな作業をする訳がない。それなのに、欲の皮がつっぱてるので、長い時間とガソリン代をかけてせっかく遠くの釣り場まで行くのだから、少しはおみやげが欲しいと思ったりするのが悪いのだ。

 「ようするにせこく、貧乏性なのである」

 で、ほとんどの場合、「アオリイカ」をルアー(餌木)で狙うオンリーとなるのだが、すごく低い確率で本当に違う釣りをやってしまうことがある。きっと、よほど気分がハイな時か、逆に落ち込んでる時かもしれない。あまり意識してないのでわからない(自分では気が付かない)

 「たぶん、血迷ってるのだ!」

 しかい長い人生、一途に「アオリイカ」って訳にもいかない。息が詰まってしまう。たまには、浮気。

 「ゆるして下さい!」

 結局、帰り着くのは。やっぱ「アオリイカ」しかないのだから。。。

-back-