創立70周年にあたって
別府の21世紀
別府商工会議所 会頭 津末武久


 別府商工会議所は昭和4年10月に創立され、 本年で70周年を迎えます。
 先人たちの努力によりBEPPUの名は日本 中に、また世界の国々に知られております。
 その恵まれた自然、わけても温泉の様子が古 くは『豊後風土記』に記録され、江戸時代には 貝原益軒の『豊国紀行』に、そして『鶴見七湯 迺記』の絵図に詳しく描かれているように、別 府は内外の様々な人々が疲れを癒し、病を癒し て《湯治》してきた町であります。また一方で、 帝国海軍の連合艦隊が停泊して町の経済を潤し、 近代のエネルギー産業の変遷をあらわすかのよ うに、炭鉱王たちや電力王たちが遊んで町の文 化を刺激したという歴史も持っております。
 昭和から平成に至る70年、好況、不況の時代 の波を浴びながら、別府市の観光、経済の中心 機関として別府商工会議所はたゆまぬ努力を重 ねてまいりました。
 さて、20世紀の終わりに至って、あらためて 私たちが認識しなければならない事柄がありま す。別府市は《湯治の町》 《人を癒す町》とい う基本的な性格を崩さなかったために、環境破 壊が少なくてすんでいる。今後の時代において、 なによりも大切な自然をこれから取り戻して行 く余地がまだ十分に残されているということで す。
 別府市は、人が住むに理想的な町であります。 これから定住人口が増え、それにつれて交流人 口が増え、別府市が輝きを取り戻していくよう、 私たちは方向を定めて努力していかなければな りません。
 「別府人は別府の悪口を言いたがるが、よそ の人間が同調して悪口を言うと怒る」と言った 人がおります。いい得て妙であります。別府が 好きで、別府を大切にしたいという熱い心を持 った人が多いのもこの町の特徴であります。そ の心を一致団結させれば、別府は、もっと素晴 らしい町になります。自然条件は勿論のこと、 人の心の力においても行動力においても、ポテ ンシャリティは非常に高いと私は考えます。
 あらゆる面で、厳しい選択をせまられている この20世紀末に別府商工会議所が70周年を迎 えたことは、願ってもない好機到来だと思いま す。いまここで、容赦のない選択をし、ときに は痛みも分かち合い、新しい時代に通用するB EPPUへと脱皮していこうではありませんか。
 70周年にあたり、本所ならびに別府市のさら なる飛躍を期して、ここに70周年記念事業を実 施し、新たなる21世紀への第一歩とするもので あります。■