2019年2月22日
「なぜ早期発見が大事? がんについて知っておくべき基礎知識②」
「がん検診が重要なことは分かったが、どんな検診を受ければよいか分からない」という人も多いだろう。国が推奨しているがん検診は、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸(けい)がん、乳がんの5つで、対象年齢と受診間隔は下図の通りだ。これらのがんは、いずれも日本人の罹患(りかん)率、死亡率が高いがんなので、検診を受けることをぜひ習慣化したい。ちなみに、日本人のがんの死亡率を見ると、男性は1位肺がん、2位胃がん、3位大腸がん。女性は1位大腸がん、2位肺がん、3位胃がんとなっている(2015年人口動態統計によるがん死亡データ)。
なお、「1センチのがんが2センチになるのにかかる時間は、乳がんのように遅いもので2年、肺がんのように早いもので1年」(中川さん)だ。そのため、乳がんの検診は2年に一度、肺がんの検診は毎年とされている。がんの種類によって受診間隔に違いがあるのは、こうした理由による。
がんが見つかった場合、どんな治療が可能なのかについても知っておきたい。一般的ながん治療には、「手術」「放射線療法」「化学療法」の3つの方法があり(*2)、がんの種類と進行度などを踏まえ、これらを単独、また組み合わせて行うことが推奨されている。
「手術」はがんを外科的に切除する治療法で、「放射線療法」は放射線を当ててがんを消滅させる治療法、「化学療法」は抗がん剤を使用する治療法だ。
血液がん以外の、いわゆる「固形がん」の完治を目指す場合は、手術か放射線療法が選択肢となるが、「日本では同じ治癒率が見込まれる場合でも圧倒的に手術を選ぶ人が多く、欧米に比べて放射線療法が浸透していない」と中川さんは言う。「例えば、子宮頸(けい)がんのII期では欧米では8割が放射線療法だが、日本では8割が手術。同じ子宮頸がんのIIB期の場合、日本以外の先進国のガイドラインには手術がなく放射線しかないが、日本では手術も入っている」(中川さん)という。
「放射線療法は1回の治療にかかる時間が数分で、通院で行うことができ、がんを切らずに治療するので、その意味では体への負担も比較的少ない。欧米ではがん患者さんの60%が放射線療法を受けているが、日本では25%程度にとどまっているのが実情。その一番の理由は、『放射線という選択肢を知らない』人が多いからでしょう」と中川さんは見る。 日本では過去に胃がん患者が多かった。胃は、がんになった場合に全摘(組織あるいは器官全体を摘出する外科手術)が可能なため、胃がんの治療には手術が適している。「そのため『がん治療=手術』という図式が一般に浸透したのだと思われる。放射線療法という選択肢があることも知ってほしい」(中川さん)。
中川さんが開いたセミナーでは講演に続いて、9人のがんサバイバー(がん経験者)が登壇し、自らの体験談を語った。9人のうち、男性は2人、女性は7人で、がんの種類は胃がん、乳がん、肺腺がんなど様々だ。人間ドック、職場の検診、自らの触診などでがんを見つけて治療し、治療を続けながら、また治療後に仕事に就いている。
その中で、広島市に住む柳田真由美さんが強調したのは、「早期発見、早期治療すること。がんと診断されたとき、すぐに会社を辞めないこと」の2点だ。柳田さんががんと診断された10年前は、がんになったら会社を辞める、というのが暗黙の社会通念としてあったという。柳田さんは「自分は、20数年間勤めた会社を早期退職してしまったが、今でも非常に後悔している。40歳過ぎての転職は過酷そのもので、新しい職場に慣れる大変さを身をもって感じている」と話す。中川さんも、「がんでも仕事を辞めない、辞めさせない」を標語にしたいと言い、がん治療と仕事の両立推進が重要と語った。
2013年の男女の年代別がん罹患数を見ると、30代、40代では女性のがん患者数が多く、50代以降では男性のがん患者が急増している。今後は企業に勤務するがん患者、がんサバイバーが増えることは必至だ。がん対策推進企業アクションでは、従業員ががんになっても安心して働ける環境を整えるため、勉強会や出張講座などのサポート事業を行っている。
〜日経Goodayより抜粋〜



2019年2月21日
「なぜ早期発見が大事? がんについて知っておくべき基礎知識①」
日本人のがんによる年間死亡者数は2015年には約37万人(厚生労働省「人口動態統計」)で、死亡者の数は年々増え続けている。しかも、「先進国でがん死亡が増えているのは日本だけ」と東京大学医学部附属病院放射線科准教授中川恵一さん。例えば、日本では近年大腸がんが増え、年間5万人強が亡くなっているが、日本より人口が約2.6倍多い米国での大腸がんによる死亡者数は5万人弱だという。がん死亡が増えている理由には、高齢者が増えていることもあるが、「がんに関する教育が不足しているのも大きな要因と考えられる」と中川さんは指摘。「がんは、わずかな知識の有無によって、その人のその後の人生が大きく左右される病気。それだけに予防法、早期発見の方法、治療法など、がんに関する様々な知識を得ておくことがとても大切」と強調する。「がん=不治の病」というイメージを持っている人は多いかもしれないが、実は早期に発見されるほど治る可能性が高くなり、中川さんは「多くのがんで、早期に発見すれば約9割が治る」と話す。
実際、がんと診断された患者の5年相対生存率はがん全体で約66%(国立がん研究センター調べ)だが、胃がん、大腸がん、子宮頸(けい)がんなどでは、ステージIという早期に発見された場合の5年生存率は約95%、乳がんでは100%となっている。「『5年相対生存率イコール治癒率』ではないが、多くのがんでは5年後に再発することはまれであり、治療後5年間再発しなければ、がんはおそらく一掃されたと考えてもいい」(中川さん)。
では、どうすればがんを早期に発見することができるのだろうか。がんの種類によっても異なるが、「おおまかに言うと、見つけることのできる早期がんは1~2センチの大きさ」(中川さん)だ。だが、1~2センチの大きさのがんでは、自覚症状はまず出ない。つまり、早期でがんを見つけるためには定期的にがん検診を受けるしかない、ということだ。「がんが検査で見つけられる1~2センチ大になるまでに10年から20年かかります。つまり、がん検診で10年間一度も引っかからなかった人でも、あるときがんが見つかることもあるということです。早期でがんを見つけたければ、たとえ絶好調であっても、がん検診を定期的に受けることが大切です」(中川さん)。
しかし、日本人のがん検診受診率は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最低レベルだ。例えば、乳がんや子宮頸がんの受診率は、米国では約8割に上るが、日本では4割程度にとどまっている。欧米では乳がん検診を徹底することで実際に死亡が減ってきているという話もあり、日本もぜひ見習いたいものだ。
〜日経Goodayより抜粋〜


2019年2月20日
「定年退職後も働く人の方が健康で寿命が長い」
定年退職といえば、これまでは60歳が一般的でしたが、今は、それ以降も働く人が増えています。慶應義塾大学の岡本翔平氏らは、日本人男性を対象として、60歳以降も仕事を継続している人とそうでない人の、死亡と認知機能低下、脳卒中、糖尿病のリスクを比較する研究を行いました。その結果、就労が健康に利益をもたらす可能性が示されました。
この研究は、一般に公開されている全国高齢者パネル調査の情報を利用しています。岡本氏らは今回、分析対象を60歳から75歳までの男性にしました。この年代の男性に限定したのは、60歳以降に賃金労働をしている女性は男性に比べかなり少なく、男女問わず75歳を超えて働いている人も非常に少なかったからです。
条件を満たした男性1288人(就労者644人と非就労者640人)について、1987年の初回調査から最長で15年後までの、死亡、認知機能の低下、脳卒中、糖尿病の発生の有無を調べました。
非就労者、就労者のなかで、追跡期間中に死亡、認知機能低下、脳卒中、糖尿病(これらを「イベント」と呼びます)を経験していた人の割合を比較すると、就労者のほうが死亡した人は少なく、認知機能の低下を経験した人と、脳卒中を発症した人の割合も少なくなっていました。ただし、糖尿病発症者の割合には差がありませんでした。
対象となったこれら2群の人々の特性を比べると、いろいろな項目に差が見られました。たとえば、予想されたように、調査時点で健康状態が悪いと回答した人の割合は、就労者が7%、非就労者は17%で、後者のほうが高くなっていました。そこで、分析結果に影響を及ぼすと考えられるさまざまな要因を考慮した上で、就労者と被就労者を比較し、働き続けることが健康に及ぼす効果を推定しました。その結果、4つの評価項目の全てに、就労によるイベント発生までの時間の延長が認められました。
なお、今回分析対象となった就労者644人のうち、被雇用者は83人に留まり、561人が自営業者でした。そこで、被雇用者と自営業者に分けて、それぞれ非就労者と比較したところ、自営業者のほうが余命は長くなっていたものの、糖尿病または脳卒中の発症を遅らせる効果は、被雇用者のみに認められることが明らかになりました。
 〜日経Goodayより〜


2019年2月19日
「激しい運動は中年男性の心臓に危険を否定、米研究」
中年期の男性は激しい運動を行っても、心臓に悪い影響はないことが、米テキサス・ヘルス・プレズビテリアン病院付属運動・環境生理学研究所のBenjamin Levine氏らによる研究で示された。週に8時間以上の激しい運動をする比較的年齢の高い男性アスリートは、運動強度がより低い男性と比べて早期死亡リスクが上昇するわけではないことが分かった。中でも動脈硬化が進んでいない中年男性では、激しい運動を習慣的に行っていると早期死亡リスクが半減したという。
これまでの研究で、激しい運動をするアスリートは、動脈硬化の指標とされる冠動脈石灰化(CAC)のレベルが高い傾向がみられており、こうした運動は健康に有害ではないかと疑問視されていた。Levine氏によれば、特に男性アスリートで冠動脈プラークが蓄積する傾向があり、その多くは石灰化していることが分かっていた。しかし、CACレベルの高さと死亡リスク上昇との関連については、ほとんど検討されていなかったという。
そこでLevine氏らは今回、1998~2013年に40~80歳だった2万1,758人(平均年齢51.7歳)の健康な男性のデータを収集して分析した。対象とされた男性は身体活動レベルについて報告し、CACレベルを測定されていた。そのほとんどがランナーで、自転車競技や水泳、ボート競技、トライアスロンの選手も含まれていた。
研究では、「激しい運動」は平均で平均で6METsの運動を週8時間以上(3,000METs・分/週以上)と定義した。なお、6METs以上の運動には毎時9kmの速さでのジョギング、毎時22km以上の速さでのサイクリング、競技としてバスケットボールやテニスをプレーすることなどが含まれた。Levine氏によれば、これらの激しい運動はレクリエーションとして楽しむレベルではなく、競技レベルに相当するという。
対象とした男性アスリートをCACスコアで2つの群に分けたうえで、身体活動レベルに基づいて比較検討した。平均で10.4年間追跡した結果、激しい運動を行う男性は、身体活動レベルが低い男性に比べてCACスコアが高かった。解析の結果、CACスコアが低く激しい運動を行う男性群では、CACスコアが同程度で身体活動レベルが低い男性群と比べて死亡リスクが半減したことが分かった。また、CACスコアが低く激しい運動を行う男性群では、心臓病で死亡するリスクも61%低かった。
さらに、CACスコアが高い男性においても、激しい運動を行うアスリートでは、身体活動レベルが低い男性と比べて死亡リスクが約23%低かった。しかし、死亡例が少なかったため、統計学的な有意差は認められなかった。
これらの結果から、Levine氏は、動脈硬化が進んでいない中年男性では、「ハイレベルなアスリートであることは明らかに心臓に保護的な作用があり、有害ではないようだ」と話している。
今回の研究では、対象に女性が含まれていなかったが、この点についてLevine氏は「女性でも男性と同様の傾向がみられる可能性が高いが、中年女性では死亡率がもともと低いため、断定はできない」と説明している。また、激しい運動が心臓への保護効果をもたらす理由として、同氏は、長期間にわたる運動で心臓や血管は柔軟性を増し、若さを保つことができる可能性などを指摘している。
さらに、何歳になったら激しい運動を控えるべきかという点について、同氏は「メリットが得られる年齢に上限はない。今回検討したほどの激しい運動を行う必要はないが、生涯にわたって有意義な運動を続けることが重要だ」と助言している。
 〜CareNetより〜


2019年2月18日
「”1日30分でも立ち上がって運動”が長生きの秘訣?」
1日に30分ほど椅子から立ち上がって運動するだけで、余命が延長する可能性があることが、米コロンビア大学のKeith Diaz氏らの研究で示された。同氏は「デスクワークや座りがちな生活習慣の人は、できる限り立ち上がって動くことで、早期死亡リスクを減らすことができる。運動はランニングなどの高強度のものでも、ウォーキングなどの軽めのものでもよい」と述べている。
この研究は、脳卒中のリスク因子などの検討を目的とした大規模な観察研究であるREGARDS(REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)研究に参加した45歳以上の男女7,999人を対象としたもの。2009~2013年に、参加者には活動量計を4日間以上装着してもらい、座位時間を測定した後、2017年まで追跡した。
その結果、座り続ける代わりに、1日30分でも軽い運動を行っていた人は、そうでない人に比べて早期死亡リスクが17%低いことが分かった。また、運動の強度を高めると、より大きなベネフィットが得られることも明らかになった。座っているよりも中強度の運動を1日30分行うと、早期死亡リスクは35%低減することが示された。
これらの結果から、Diaz氏は「どんな強度であっても、運動は健康にベネフィットをもたらすようだ」と述べている。
最近の研究から、米国成人の4人に1人は1日に8時間以上座って過ごしていることが明らかになっている。専門家の一人で、米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏は「運動は余命延長だけでなく、心筋梗塞や脳卒中の予防にもつながると期待される」と話している。
同じく専門家の米ノースウェル・ヘルス・サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏は「座りがちな生活を改善する方法には多くの選択肢がある」と指摘する。例えば、米国心臓協会(AHA)は「中強度の有酸素運動を週150分以上、または高強度運動を週75分以上」行うことを推奨している。また、Google社などの一部の企業は、肥満や糖尿病、心臓病の予防のため運動を重視し、仕事中でも立ち上がって、ストレッチ、卓球、ウォーキング、トレッドミルやエアロバイクでの運動などをするよう勧めている。
Mintz氏は「従業員が運動するようになれば、生産性が向上し、病気による欠勤や医療コストが減り、モチベーションが上がるなどの効果が得られるという考え方が広まってきている」と話し、「いずれ他の企業もこうした取り組みを始めるのでは」との見方を示している。一方、Diaz氏は「今後は、座りがちな生活を続けた場合と座位時間を減らして運動を行った場合で、心筋梗塞や心不全、心血管死など特定の心血管転帰に差が出るのか検証していきたい」と展望している。
 〜CareNetより〜


2019年2月15日
「インフル罹患で脳梗塞や頸動脈解離リスク上昇か、米調査」
インフルエンザに罹患すると脳梗塞や頸動脈解離のリスクが高まる可能性があることが、国際脳卒中学会(ISC 2019、2月6~8日、米ホノルル)で発表された2件の研究で明らかになった。これらの研究結果は、インフルエンザの感染だけでなく、重篤な合併症から身を守るためにも予防接種を受けるよう注意を促すものだという。
最初の研究は、米コロンビア大学のAmelia Boehme氏らによるもの。ニューヨーク州全域の入院患者および外来患者のデータベースを用いて、2014年に脳梗塞を発症した男女3万912人(平均年齢71.9歳、男性49%)を対象に調査を実施した。
その結果、インフルエンザ様疾患の罹患から15日間にわたり、脳梗塞リスクが約40%上昇することが分かった。脳梗塞リスクはこの期間が最も高く、時間の経過とともに低下したが、最大で1年間続いていた。また、Boehme氏らの予測に反し、インフルエンザ様疾患と脳梗塞発症との関連は、性別や住居地域(都市部と地方)、人種(白人と黒人)による差はみられないことも明らかになった。
これまでの研究で、重症感染症に罹ると脳梗塞リスクが高まることが示されていた。Boehme氏は「脳梗塞リスクがもともと高い人は、インフルエンザの罹患が発症のきっかけになる可能性がある」と指摘する。ただし、この研究はインフルエンザの罹患で脳梗塞リスクが高まることを証明するものではない。
専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のSalman Azhar氏は「この研究で重要な点は、インフルエンザに罹ると脳梗塞のリスクが高まるだけでなく、そのリスクが数カ月の長期にわたることだ」とし、「だからこそ予防接種が重要で、インフルエンザの罹患後には患者を慎重に観察する必要がある」と述べている。また、同氏は、インフルエンザなどの感染症に伴う炎症が、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくするのではとの見方を示している。
もう一つの研究は、同大学のMadeleine Hunter氏らが実施したもの。Boehme氏らの研究と同じデータを用いて、非外傷性の頸動脈解離を起こした男女3,861人(平均年齢52歳、男性55%)を対象に調査を実施した。頸動脈解離を起こす前の3年間で、対象者のうち1,736人がインフルエンザ様疾患に罹患し、そのうち113人がインフルエンザと同定された。その結果、頸動脈解離を起こす1~2年前に比べて、発症から30日以内にインフルエンザ様疾患に罹患する確率が高いことが分かった。
これまでの研究で、非外傷性の頸動脈解離は15~45歳の脳卒中の主な原因であることが明らかになっている。ただし、大きな外傷もなく、頸動脈の解離がどのように起こるのかは分かっていないという。Hunter氏は「頸動脈解離のリスクはインフルエンザ様疾患を発症後、時間の経過とともに消失していくことが示された。この結果は、インフルエンザ様疾患が頸動脈解離の引き金になる可能性を示唆している」と説明している。
これら2つの研究をレビューした米ニューヨーク大学医学部内科教授のMarc Siegel氏は「インフルエンザに罹患すると過剰な免疫反応を引き起こし、血液凝固や頸動脈の損傷につながる可能性がある。インフルエンザの問題は、インフルエンザに罹ること自体ではなく、生命に危険を及ぼす合併症を引き起こすことだ」と述べ、予防接種が重要だと呼び掛けている。なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。
 〜飯尾副院長提供:HealthDay Newsより〜


2019年2月14日
「つらい花粉症に 効果続きやすい貼り薬も登場②」 日本医科大学耳鼻咽喉科学教室准教授の後藤穣さんに聞く
 「『治療薬では非鎮静性抗ヒスタミン薬が中心になっている』ことを強調したのは、医師によっては、『使い慣れている』『強い効果・即効性』といった理由で、眠気が出やすい第1世代や、非鎮静性ではない第2世代の抗ヒスタミン薬を、まだ処方しているケースが少なくないからです。また、市販薬においても、まだ鼻炎薬の8割程度が、眠気が出やすい薬となっている。こうした現状は少しずつ改善していかなくてはならないでしょう」(後藤さん)
後藤さんは、「花粉の時期くらい、多少の眠気が出ても仕方ないのではと言う医師もいるが、眠気がより出やすい薬は、安全性や作業効率の低下などに注意して処方する必要がある。また、第1世代の抗ヒスタミン薬は、睡眠の質や学習能力が低下しやすいことが懸念されるといった報告もある。働き盛りのビジネスマンには、比較的眠気が出にくい第2世代の抗ヒスタミン薬が適切だろう」とアドバイスする。今の薬が合わない、眠気が出やすい、効き目が弱いなどと感じていたら、医師に相談してみるといいだろう。
2016年の鼻アレルギー診療ガイドラインでは、理想的な抗ヒスタミン薬として「即効性があり効果が持続する」「副作用(眠気、作業効率の低下など)が少ない」「長期投与ができる(安全性)」「投与回数が1日1、2回でアドヒアランスが良い」の4点を挙げている。
こうした条件のもと、2018年4月に発売されたのが、世界初の経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療薬「アレサガテープ」だ。第2世代抗ヒスタミン薬に分類される「貼る花粉症薬」だ。本格的な花粉の飛散時期を初めて迎えるため、今季から本格的な活用が始まる。貼付薬とは皮膚に貼りつける薬で、有効成分が皮膚から吸収されるしくみ。内服薬とは代謝経路が異なるため、特に次のようなメリットがある
。 ・皮膚吸収であるため、胃腸・肝臓に負担をかけずに済む。
・薬効の血中濃度がフラットに安定するため、効果が持続することが期待できる。
 ただし、同じ場所に続けて貼ると、かゆくなったり赤くなったりしやすいので、貼る場所を毎日変更するなどの工夫が必要だ。
「貼る薬は、皮膚からの吸収でじわじわと血中に浸透していくため、効き目が安定し症状が変化しにくいという利点があります。『1日1回の内服薬では、朝飲んだら夕方に効き目が落ちる気がする』といった場合に、医師に切り替えを相談するのも一策かもしれません。また、ほかの抗ヒスタミン薬と比べて眠気がより抑えられたり(眠気が起きないということではない)、肌に貼るので、内服薬と違って貼り忘れに気付きやすいなど、使い勝手の面でもメリットを感じる人は多い。こうした貼る薬ならではの特徴は、アドヒアランスの向上につながるのではないでしょうか」(後藤さん)
つらい花粉症シーズンを楽に乗り切るには、効き目に優れた薬剤を使うだけでなく、薬剤を使うタイミングも重要であることをご存じだろうか。
まず、抗ヒスタミン薬などは、使い始めてから効果が出るまでにタイムラグがあることを押さえておきたい。また、花粉症では、繰り返し花粉を吸い込んでいるうちに、炎症が進み、症状が悪化する。症状がひどくなってから薬を使うのでは、症状が改善するまでにより多くの時間がかかってしまう。よって、花粉が飛ぶ前から薬での治療を始める(初期療法)ことが、シーズンを楽に乗り切る何よりのコツだ。そうすることで、症状が出る時期を遅らせ、ピーク時の症状を軽くすることができるという。
2019年は、広い範囲で例年より花粉の飛散量が「やや多い」との報告もある。早い地域では2月中旬から飛散開始となるため、そろそろ今年の花粉対策をどうするか、検討を始めよう。
〜日経Goodayより抜粋〜


2019年2月13日
「つらい花粉症に 効果続きやすい貼り薬も登場①」 日本医科大学耳鼻咽喉科学教室准教授の後藤穣さんに聞く
アレルギー性鼻炎のうち、花粉が抗原(原因物質)となり花粉が飛ぶ季節にだけアレルギー性鼻炎の症状が現れるものを「花粉症」という。近年では、ダニやペットの毛などによる通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の両方を持つ人や、複数の花粉に反応するケースも増えている。
後藤さんによると、アレルギー性鼻炎の中でも、重症例が多いのが花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)だ。また、スギ花粉症患者の重症度を年齢別に調べたデータでは、20~39歳で「重症/最重症」の割合が最も多く約6割、40代で5割超と、働き盛りの人に重症度の高い患者が多いことが分かっている。
花粉症によるくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状は、抗原(原因物質)が鼻腔に入ることで、肥満細胞がヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質を放出することから引き起こされる。ヒスタミンはくしゃみや鼻水を、ロイコトリエンなどは血管を刺激して鼻づまりを起こすと考えられているが、どんな症状が強く出るかは、個人差がある。また、繰り返し抗原が入ると、症状が強くなり慢性化してくる。
花粉症の治療法として、一般的に多く用いられているのは飲み薬や点鼻薬などの薬物療法だ。近年、レーザー治療、根治的な治療法としてアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法などがある)などが普及し、選択肢は広がっているが、手軽かつ即効性があるという点で、花粉症の症状緩和に薬の果たす役割は大きい。
花粉症で使われる主な薬剤としては、化学物質遊離抑制薬(肥満細胞からの化学物質の放出を抑える)や抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などの抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などが挙げられる。さらに、抗ヒスタミン薬は、第1世代、第2世代に分類され、いくつもの種類がある。
ここでまず押さえておきたいポイントは、「現在、スギ花粉症の薬物療法で使われる治療薬としては、より眠気が少ない『第2世代抗ヒスタミン薬』、その中でも集中力低下などの鎮静作用がより少ない『非鎮静性』のものが中心となっている」(後藤さん)ということだ。その理由として、より新しい第2世代抗ヒスタミン薬は、第1世代の欠点とされた副作用(眠気、口の渇きなど)が軽減されていることや、抗ヒスタミン作用に加えて抗アレルギー作用を持ち、鼻づまりにも効果が期待できることなどが挙げられる。
また、適切な薬剤を選択する上では、症状だけでなく重症度も重要であるが、第2世代抗ヒスタミン薬は、軽症から重症まで幅広く使用可能な薬剤であることが、ガイドラインにも記載されている。
 〜日経Goodayより抜粋〜


2019年2月12日
「糖質オフで話題の”カリフラワーライス”ってどんなもの?」
最近、話題に上がることの多い糖質オフ。中でも、ご飯をはじめとする炭水化物は、糖質オフのキーワードと言われている。そこで登場したのが、野菜をライスに見立てた食品だが、特に注目を集めているのが「カリフラワーライス」である。その正体を解明していこう。
1. カリフラワーライス登場の背景、糖質オフと炭水化物
糖質とは・・・糖質オフ、糖質制限など、糖質にまつわる言葉を耳にすることが増えた昨今。そもそも糖質とは何なのか?これは、人間が食事によって吸収する三大栄養素、炭水化物・たんぱく質・脂質の中でも、炭水化物と深い関わりがある栄養素だ。炭水化物は糖質と食物繊維からなるものだが、糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものということになる。
糖質オフの意味・・・糖質が体内に入るとブドウ糖に分解され、まずは血液に吸収される。その後、肝臓に蓄えられ、血液を通してエネルギー源として利用される。糖質自体は、身体を動かすために必要不可欠な栄養素だが、問題になるのは、その量と質である。糖質の摂りすぎは、結果として肥満をもたらす可能性が高い。そのため、糖質の摂取量をきちんと守ることが重要だと言われるようになり、カリフラワーライスなどの糖質オフを可能にする食品が注目を集めるようになったのだ。
糖質の量と質・・・糖質の必要摂取量は、総エネルギー量の約半分が目安と言われているが、実際のところ大きく上回っているケースが多い。また、糖質の中でもお菓子やジュースなど、体内に入るとすぐに吸収され、血糖値を急激に上げる単純糖質と呼ばれるものの比率が高いことも問題視されている。
2. カリフラワーライスとはどのようなものか
糖質オフの救世主・・・糖質過多の状況は、日本に限らず世界でも問題視されており、おのずと糖質オフに注目が集まっている。そんな中、アメリカで生まれたのがカリフラワーライスである。米やパン、パスタといった主食の代替え食品として注目を集め、今ではスーパーでカリフラワーライスが商品として販売されているほどである。
カリフラワーライスの正体・・・カリフラワーライスは、その名の通り、カリフラワーをライス状にしたもの。ライス状と言っても、実際は細かく刻んだだけで、正体はカリフラワーそのものである。カリフラワーライスは、米に比べると糖質が4分の1と少なく。ビタミンやミネラルの含有量も多い。特にカリフラワーにはビタミンCが多く含まれていることでも知られている。色も白いので、細かく刻むとライス風に見えないこともない。市販品には、ブロッコリーを使用したものもある。
3. カリフラワーライスの上手な使い道
自家製も可能!・・・カリフラワーライスは、自宅で作ることも可能。フードプロセッサーが利用できると便利だ。作り方としては、小房に分けたカリフラワーをフードプロセッサーに投入して、細かくするだけ。そのままだとやや野菜臭さが気になるので、オイルで炒めると美味しい。
かけご飯がおすすめ・・・カリフラワーライスは、あくまでもカリフラワー。白米のような味わいが楽しめるわけではないので、食べ方に工夫をするとよい。おすすめはかけご飯。カレーやシチュー、チキンやラム肉のトマト煮込み、中華あんかけなど、具材をかけて食べる料理がおすすめ。初心者でも、抵抗なく食べることができるはずだ。
サラダにもアレンジできる・・・カリフラワーライスは、ライスサラダ感覚で食べるのもおすすめ。クスクスにも似た雰囲気なので、タブレ風にするとよいだろう。さいの目にした野菜とカリフラワーライスを和えて、塩胡椒とオイルで味付けをする。レモンをたっぷり絞ると、味が引き締まってより美味しい。
結論・・・糖質オフの概念から登場した、カリフラワーライス。これを毎日の主食にするのは、なかなか難しいが、たまの置き換えなら難なくトライできそうだ。味の濃い具材をかけたり、サラダ感覚で調理する方法が食べやすいので、おすすめ。一度にたくさん作っておけば冷凍保存ができるので、まずはカリフラワー1房で作ってみるのがよいかもしれない。
 〜飯尾副院長提供:NewsCafeより〜


2019年2月9日
「糖質オフで話題の”カリフラワーライス”ってどんなもの?」
最近、話題に上がることの多い糖質オフ。中でも、ご飯をはじめとする炭水化物は、糖質オフのキーワードと言われている。そこで登場したのが、野菜をライスに見立てた食品だが、特に注目を集めているのが「カリフラワーライス」である。その正体を解明していこう。
1. カリフラワーライス登場の背景、糖質オフと炭水化物
糖質とは・・・糖質オフ、糖質制限など、糖質にまつわる言葉を耳にすることが増えた昨今。そもそも糖質とは何なのか?これは、人間が食事によって吸収する三大栄養素、炭水化物・たんぱく質・脂質の中でも、炭水化物と深い関わりがある栄養素だ。炭水化物は糖質と食物繊維からなるものだが、糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものということになる。
糖質オフの意味・・・糖質が体内に入るとブドウ糖に分解され、まずは血液に吸収される。その後、肝臓に蓄えられ、血液を通してエネルギー源として利用される。糖質自体は、身体を動かすために必要不可欠な栄養素だが、問題になるのは、その量と質である。糖質の摂りすぎは、結果として肥満をもたらす可能性が高い。そのため、糖質の摂取量をきちんと守ることが重要だと言われるようになり、カリフラワーライスなどの糖質オフを可能にする食品が注目を集めるようになったのだ。
糖質の量と質・・・糖質の必要摂取量は、総エネルギー量の約半分が目安と言われているが、実際のところ大きく上回っているケースが多い。また、糖質の中でもお菓子やジュースなど、体内に入るとすぐに吸収され、血糖値を急激に上げる単純糖質と呼ばれるものの比率が高いことも問題視されている。
2. カリフラワーライスとはどのようなものか
糖質オフの救世主・・・糖質過多の状況は、日本に限らず世界でも問題視されており、おのずと糖質オフに注目が集まっている。そんな中、アメリカで生まれたのがカリフラワーライスである。米やパン、パスタといった主食の代替え食品として注目を集め、今ではスーパーでカリフラワーライスが商品として販売されているほどである。
カリフラワーライスの正体・・・カリフラワーライスは、その名の通り、カリフラワーをライス状にしたもの。ライス状と言っても、実際は細かく刻んだだけで、正体はカリフラワーそのものである。カリフラワーライスは、米に比べると糖質が4分の1と少なく。ビタミンやミネラルの含有量も多い。特にカリフラワーにはビタミンCが多く含まれていることでも知られている。色も白いので、細かく刻むとライス風に見えないこともない。市販品には、ブロッコリーを使用したものもある。
3. カリフラワーライスの上手な使い道
自家製も可能!・・・カリフラワーライスは、自宅で作ることも可能。フードプロセッサーが利用できると便利だ。作り方としては、小房に分けたカリフラワーをフードプロセッサーに投入して、細かくするだけ。そのままだとやや野菜臭さが気になるので、オイルで炒めると美味しい。
かけご飯がおすすめ・・・カリフラワーライスは、あくまでもカリフラワー。白米のような味わいが楽しめるわけではないので、食べ方に工夫をするとよい。おすすめはかけご飯。カレーやシチュー、チキンやラム肉のトマト煮込み、中華あんかけなど、具材をかけて食べる料理がおすすめ。初心者でも、抵抗なく食べることができるはずだ。
サラダにもアレンジできる・・・カリフラワーライスは、ライスサラダ感覚で食べるのもおすすめ。クスクスにも似た雰囲気なので、タブレ風にするとよいだろう。さいの目にした野菜とカリフラワーライスを和えて、塩胡椒とオイルで味付けをする。レモンをたっぷり絞ると、味が引き締まってより美味しい。
結論・・・糖質オフの概念から登場した、カリフラワーライス。これを毎日の主食にするのは、なかなか難しいが、たまの置き換えなら難なくトライできそうだ。味の濃い具材をかけたり、サラダ感覚で調理する方法が食べやすいので、おすすめ。一度にたくさん作っておけば冷凍保存ができるので、まずはカリフラワー1房で作ってみるのがよいかもしれない。
 〜飯尾副院長提供:NewsCafeより〜


2019年2月8日
「糖質オフで話題の”カリフラワーライス”ってどんなもの?」
最近、話題に上がることの多い糖質オフ。中でも、ご飯をはじめとする炭水化物は、糖質オフのキーワードと言われている。そこで登場したのが、野菜をライスに見立てた食品だが、特に注目を集めているのが「カリフラワーライス」である。その正体を解明していこう。
1. カリフラワーライス登場の背景、糖質オフと炭水化物
糖質とは・・・糖質オフ、糖質制限など、糖質にまつわる言葉を耳にすることが増えた昨今。そもそも糖質とは何なのか?これは、人間が食事によって吸収する三大栄養素、炭水化物・たんぱく質・脂質の中でも、炭水化物と深い関わりがある栄養素だ。炭水化物は糖質と食物繊維からなるものだが、糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものということになる。
糖質オフの意味・・・糖質が体内に入るとブドウ糖に分解され、まずは血液に吸収される。その後、肝臓に蓄えられ、血液を通してエネルギー源として利用される。糖質自体は、身体を動かすために必要不可欠な栄養素だが、問題になるのは、その量と質である。糖質の摂りすぎは、結果として肥満をもたらす可能性が高い。そのため、糖質の摂取量をきちんと守ることが重要だと言われるようになり、カリフラワーライスなどの糖質オフを可能にする食品が注目を集めるようになったのだ。
糖質の量と質・・・糖質の必要摂取量は、総エネルギー量の約半分が目安と言われているが、実際のところ大きく上回っているケースが多い。また、糖質の中でもお菓子やジュースなど、体内に入るとすぐに吸収され、血糖値を急激に上げる単純糖質と呼ばれるものの比率が高いことも問題視されている。
2. カリフラワーライスとはどのようなものか
糖質オフの救世主・・・糖質過多の状況は、日本に限らず世界でも問題視されており、おのずと糖質オフに注目が集まっている。そんな中、アメリカで生まれたのがカリフラワーライスである。米やパン、パスタといった主食の代替え食品として注目を集め、今ではスーパーでカリフラワーライスが商品として販売されているほどである。
カリフラワーライスの正体・・・カリフラワーライスは、その名の通り、カリフラワーをライス状にしたもの。ライス状と言っても、実際は細かく刻んだだけで、正体はカリフラワーそのものである。カリフラワーライスは、米に比べると糖質が4分の1と少なく。ビタミンやミネラルの含有量も多い。特にカリフラワーにはビタミンCが多く含まれていることでも知られている。色も白いので、細かく刻むとライス風に見えないこともない。市販品には、ブロッコリーを使用したものもある。
3. カリフラワーライスの上手な使い道
自家製も可能!・・・カリフラワーライスは、自宅で作ることも可能。フードプロセッサーが利用できると便利だ。作り方としては、小房に分けたカリフラワーをフードプロセッサーに投入して、細かくするだけ。そのままだとやや野菜臭さが気になるので、オイルで炒めると美味しい。
かけご飯がおすすめ・・・カリフラワーライスは、あくまでもカリフラワー。白米のような味わいが楽しめるわけではないので、食べ方に工夫をするとよい。おすすめはかけご飯。カレーやシチュー、チキンやラム肉のトマト煮込み、中華あんかけなど、具材をかけて食べる料理がおすすめ。初心者でも、抵抗なく食べることができるはずだ。
サラダにもアレンジできる・・・カリフラワーライスは、ライスサラダ感覚で食べるのもおすすめ。クスクスにも似た雰囲気なので、タブレ風にするとよいだろう。さいの目にした野菜とカリフラワーライスを和えて、塩胡椒とオイルで味付けをする。レモンをたっぷり絞ると、味が引き締まってより美味しい。
結論・・・糖質オフの概念から登場した、カリフラワーライス。これを毎日の主食にするのは、なかなか難しいが、たまの置き換えなら難なくトライできそうだ。味の濃い具材をかけたり、サラダ感覚で調理する方法が食べやすいので、おすすめ。一度にたくさん作っておけば冷凍保存ができるので、まずはカリフラワー1房で作ってみるのがよいかもしれない。
 〜飯尾副院長提供:NewsCafeより〜


2019年2月7日
「糖質オフで話題の”カリフラワーライス”ってどんなもの?」
最近、話題に上がることの多い糖質オフ。中でも、ご飯をはじめとする炭水化物は、糖質オフのキーワードと言われている。そこで登場したのが、野菜をライスに見立てた食品だが、特に注目を集めているのが「カリフラワーライス」である。その正体を解明していこう。
1. カリフラワーライス登場の背景、糖質オフと炭水化物
糖質とは・・・糖質オフ、糖質制限など、糖質にまつわる言葉を耳にすることが増えた昨今。そもそも糖質とは何なのか?これは、人間が食事によって吸収する三大栄養素、炭水化物・たんぱく質・脂質の中でも、炭水化物と深い関わりがある栄養素だ。炭水化物は糖質と食物繊維からなるものだが、糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものということになる。
糖質オフの意味・・・糖質が体内に入るとブドウ糖に分解され、まずは血液に吸収される。その後、肝臓に蓄えられ、血液を通してエネルギー源として利用される。糖質自体は、身体を動かすために必要不可欠な栄養素だが、問題になるのは、その量と質である。糖質の摂りすぎは、結果として肥満をもたらす可能性が高い。そのため、糖質の摂取量をきちんと守ることが重要だと言われるようになり、カリフラワーライスなどの糖質オフを可能にする食品が注目を集めるようになったのだ。
糖質の量と質・・・糖質の必要摂取量は、総エネルギー量の約半分が目安と言われているが、実際のところ大きく上回っているケースが多い。また、糖質の中でもお菓子やジュースなど、体内に入るとすぐに吸収され、血糖値を急激に上げる単純糖質と呼ばれるものの比率が高いことも問題視されている。
2. カリフラワーライスとはどのようなものか
糖質オフの救世主・・・糖質過多の状況は、日本に限らず世界でも問題視されており、おのずと糖質オフに注目が集まっている。そんな中、アメリカで生まれたのがカリフラワーライスである。米やパン、パスタといった主食の代替え食品として注目を集め、今ではスーパーでカリフラワーライスが商品として販売されているほどである。
カリフラワーライスの正体・・・カリフラワーライスは、その名の通り、カリフラワーをライス状にしたもの。ライス状と言っても、実際は細かく刻んだだけで、正体はカリフラワーそのものである。カリフラワーライスは、米に比べると糖質が4分の1と少なく。ビタミンやミネラルの含有量も多い。特にカリフラワーにはビタミンCが多く含まれていることでも知られている。色も白いので、細かく刻むとライス風に見えないこともない。市販品には、ブロッコリーを使用したものもある。
3. カリフラワーライスの上手な使い道
自家製も可能!・・・カリフラワーライスは、自宅で作ることも可能。フードプロセッサーが利用できると便利だ。作り方としては、小房に分けたカリフラワーをフードプロセッサーに投入して、細かくするだけ。そのままだとやや野菜臭さが気になるので、オイルで炒めると美味しい。
かけご飯がおすすめ・・・カリフラワーライスは、あくまでもカリフラワー。白米のような味わいが楽しめるわけではないので、食べ方に工夫をするとよい。おすすめはかけご飯。カレーやシチュー、チキンやラム肉のトマト煮込み、中華あんかけなど、具材をかけて食べる料理がおすすめ。初心者でも、抵抗なく食べることができるはずだ。
サラダにもアレンジできる・・・カリフラワーライスは、ライスサラダ感覚で食べるのもおすすめ。クスクスにも似た雰囲気なので、タブレ風にするとよいだろう。さいの目にした野菜とカリフラワーライスを和えて、塩胡椒とオイルで味付けをする。レモンをたっぷり絞ると、味が引き締まってより美味しい。
結論・・・糖質オフの概念から登場した、カリフラワーライス。これを毎日の主食にするのは、なかなか難しいが、たまの置き換えなら難なくトライできそうだ。味の濃い具材をかけたり、サラダ感覚で調理する方法が食べやすいので、おすすめ。一度にたくさん作っておけば冷凍保存ができるので、まずはカリフラワー1房で作ってみるのがよいかもしれない。
 〜飯尾副院長提供:NewsCafeより〜


2019年2月6日
「高カロリーなのはファストフードだけではない」
外食のエネルギー量は、フルサービス食およびファストフード食のいずれもきわめて高く、むしろファストフード食のほうが低い傾向があり、これは広範な地域でみられる現象で、世界的な肥満の下支えとなっている可能性が、米国・タフツ大学のSusan B. Roberts氏らの調査で明らかとなった。肥満の有病率は多くの国で増加し続けている。大規模にチェーン展開しているレストランの栄養情報によると、ファストフードは世界的な肥満の最も重要な寄与因子とされるが、他の形式のレストランの食事については、エネルギー量の測定データがなく、肥満への寄与の程度はほとんど知られてないという。
研究グループは、5ヵ国のフルサービスおよびファストフードのレストランの、注文数の多い食事のエネルギー量を測定し、米国と比較する横断的調査を行った。
モデル解析では、中国を除くと、現在のフルサービス食またはファストフード食を毎日1食摂ると、追加食や飲み物、間食、前菜、デザートを摂らなくても、あまり体を動かさない女性に求められる1日のエネルギー量の70~120%が供給される可能性が示唆された。
著者は、「一般的な思い込みに反し、ファストフード食のエネルギー量は、フルサービスのレストランの食事よりも3割以上も低かった」とまとめ、「高エネルギーのレストランの食事は、世界的な肥満蔓延の重大な寄与因子であり、公衆衛生的介入における影響力の大きい標的として妥当である」と指摘している。
 〜CareNetより抜粋〜


2019年2月5日
「半年間のウォーキングで脳が若返る?」
記憶力や思考力に衰えを感じたら、ウォーキングなどの適度な運動を半年間ほど続けると脳が若返るかもしれない-。こんな研究結果を、米デューク大学医学部教授のJames Blumenthal氏らが「Neurology」オンライン版に発表した。記憶力や思考力が低下した55歳以上の男女が運動を6カ月間続けたところ、目前の状況を把握し、物事を整理して考えて行動する「実行機能」が特に向上することが分かった。
この研究は、客観的な検査で記憶力や思考力に低下がみられた55歳以上の男女160人を対象としたもの。参加者にはアルツハイマー病などの認知症はみられなかったが、実年齢の平均は65歳だったにもかかわらず、実行機能の成績は90歳代の前半に相当していた。また、参加者は高血圧などの心血管リスク因子を有していた。
この結果について、専門家らは、一般的に考えられている「健康的な生活習慣は脳の老化を防止する」という説を裏付けるものだとしている。その一人で米アルツハイマー病協会のKeith Fargo氏は「今回の研究に参加した人は高齢で、既に認知機能の低下がみられ、心血管リスク因子もある人だった」と指摘した上で、「運動を始めるのに遅すぎることはない」と述べている。また、同氏は「ランダム化比較試験で運動による認知機能への効果が示されたことは意義深い」と付け加えている。
Blumenthal氏は、運動や食生活の改善が認知機能に好影響をもたらした理由は明らかではないが、「今回の結果では、運動による体力向上とテストの成績の間には関連がみられたほか、血圧などの心血管リスク因子を改善しても成績は向上した」と説明している。ただ、同氏は「運動や食生活の改善が認知症予防につながるかどうかは明らかになっていない」と強調し、これらの有効性を検証する大規模な研究を行う必要があるとしている。
また、Fargo氏は、運動することで血流が改善し、脳への酸素供給量が増えたことが認知機能の改善につながっているのではとの見方を示している。同氏によれば、同協会は今後、運動と食生活、社会参加、パズルやクロスワードなどの知的活動の組み合わせが、認知機能にどのような影響を及ぼすのかを検証する研究を実施する予定だという。
 〜CareNetより抜粋〜


2019年2月4日
「地域ぐるみで認知症予防を……茨城・牛久で研究スタート」
運動や脳のトレーニングを楽しんでもらいながら、高齢者の認知症や活力低下の予防を目指す研究が1月下旬、茨城県牛久市で始まった。企業と研究者が連携し、筋肉を鍛える、クイズに答えるなどのメニューを用意。高齢者が好みのメニューを選んで、積極的に参加できるように工夫した。
「『人生をカッコよく』プロジェクト」と銘打った研究は、認知症対策の普及を図る企業「知の啓発社」(茨城県)が厚生労働省の補助金を受けて主導。ネスレ日本(兵庫県)、ニッセイ情報テクノロジー(東京都)など6社が協力し、朝田隆・東京医科歯科大学特任教授が監修している。
近年の研究で、運動は筋力や体力の低下を防ぎ、さらに認知症発症のリスクを下げることが分かってきた。脳トレーニングも認知機能の低下を抑えられると期待されている。ただ、健康教室で単一のメニューが用意されても、楽しめなければ高齢者は参加しなくなるという課題がある。
今回、画面に映る講師の動きに合わせて高齢者がかかと上げなどの運動をする、タブレット端末で間違い探しや条件に合う図形の選択のゲームをするなど、計11種のメニューを研究チームは提供している。いずれも10~30分ほどででき、市内の集会所で実施してもらう。参加回数に応じてポイントがたまり、ポイントに応じてプレゼントが得られる。
対象は牛久小学校周辺の約5000戸。研究チームは3月下旬までの2か月間で、高齢者計300人の参加を見込む。各メニューへの参加状況や利用のしやすさを調べるほか、参加した個人の利用データを蓄積し、認知機能や筋力の改善具合も分析する。
研究の説明会が開かれた1月28日、高齢者たちがタブレット端末を手に取りクイズを体験した。市内の女性(74)は「面白い内容だった。こまめに参加し、認知症を防げるようにしたい」と話していた。
研究チームは集会所に、認知症が心配な人やその家族を対象に、支援団体が相談に乗る部屋も設ける。希望に応じて医療機関や地域包括支援センターを紹介し、認知症の早期発見や支援開始につなげたい考えだ。
〜飯尾副院長提供:Medical Tribuneより〜


2019年2月2日
「ノンシュガー甘味料の健康への影響~メタ解析」
ドイツ・フライブルク大学のIngrid Toews氏らによる無作為化/非無作為化比較試験および観察試験のシステマティックレビューとメタ解析の結果、ノンシュガー甘味料(non-sugar sweeteners:NSS)の摂取群と非摂取群とでほとんどの健康上のアウトカムに差はみられないことが示された。ただし、著者は「NSSの摂取が有益であるという有力な証拠はなく、NSS摂取の潜在的な有害性が排除されたわけではない」とまとめている。これまでの研究では、NSS摂取による健康への影響(体重、糖尿病、がん、口腔衛生など)が示唆されていたが、一貫したエビデンスは得られていなかった。
研究グループは、Medline(Ovid)、Embase、Cochrane CENTRAL、WHO International Clinical Trials Registry Platform、ClinicalTrials.gov、および関連する参考文献リストを検索し、過体重/肥満の有無にかかわらず一般的な健康成人/小児を対象に、NSSの非摂取/低摂取と高摂取を直接比較した研究のうち、使用したNSSが明記され、摂取量が1日許容量の範囲内であり、介入期間が7日間以上の研究を特定し、標準的なコクランレビューの方法論に従いシステマティックレビューを実施した。
主要評価項目は、体重/BMI、血糖コントロール、口腔衛生、摂食行動、甘味の好み、がん、心血管疾患、腎疾患、気分、行動、神経認知機能、有害事象であった。1万3,941報がスクリーニングされ、56件の研究が今回のレビューに組み込まれた。このうち、35件が観察研究であった。成人では、症例数の少ない小規模な研究において、BMI(平均差:-0.6、95%信頼区間[CI]:-1.19~-0.01、2件の研究[174例])ならびに空腹時血糖(平均差:-0.16mmol/L、95%CI:-0.26~-0.06、2件の研究[52例])に関してNSSのわずかな有益性が示されたが、エビデンスの質はそれぞれ、低い、非常に低い、であった。
また、1件の研究(1万7,934例)において、NSSの低摂取は高摂取と比較し体重増加が少ないことが示されたが(平均差:-0.09kg、95%CI:-0.13~-0.05)、エビデンスの質は非常に低かった。他の評価項目についてはすべて、NSS摂取と非摂取ならびに摂取量の違いで有意差は認められなかった。
積極的に減量に取り組んでいる過体重/肥満の成人/小児において、NSSの有効性を示すいかなるエビデンスも確認されなかった(エビデンスの質は非常に低い~中程度)。
小児における検討で、NSS摂取は砂糖の摂取と比較し、BMI Zスコアのわずかな増加が確認されたが(平均差:-0.15、95%CI:-0.17~-0.12、2件の研究[528例]、エビデンスの質は中程度)、体重の差は認められず(平均差:-0.60kg、95%CI:-1.33~0.14、2件の研究[467例]、エビデンスの質は低い)、NSS摂取量の違いによる有意差は確認されなかった(エビデンスの質は非常に低い~中等度)。
なお、著者は、多くの研究は参加者が少なく、短期間であり、研究の方法論や質が限られていたことから、「今後は、適切な介入期間でNSSの影響を評価する必要があり、すべての報告で比較対照や介入法、評価項目について詳細に記述すべきである」と指摘している。
〜CareNetより〜


2019年2月1日
「揚げ物の摂取頻度が死亡リスクに影響」
揚げ物、とくにフライドチキンや魚介類のフライの頻回摂取は、全死因死亡および心血管死亡のリスクを高めることが、米国・アイオワ大学のYangbo Sun氏らによる、閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究「Women's Health Initiative(WHI)研究」のデータ解析の結果、示された。北米成人の約25~36%が、毎日ファストフード店で揚げ物を食べているという。揚げ物の死亡への影響については、科学的エビデンスが乏しく議論の的になっていた。
研究グループは、1993年9月~1998年9月に米国の40施設で行われたWHI研究に登録された、登録時50~79歳の閉経後女性10万6,966例を、2017年2月まで追跡調査した。 自己記入式食事摂取頻度調査により、揚げ物の摂取頻度と1人前の分量について評価。揚げ物は、フライドチキン、魚介類(魚、エビ、カキ)のフライ、その他の揚げ物に分類した。主要評価項目は、全死因死亡、心血管死亡、がん死亡とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、揚げ物の摂取との関連を解析した。
追跡した191万4,691人年において、3万1,558例が死亡した。揚げ物の総摂取量については、1日1人前以上を摂取している群は非摂取群と比較し、多変量補正後ハザード比が、全死因死亡1.08(95%CI:1.01~1.16)、心血管死1.08(95%CI:0.96~1.22)であった。
また、フライドチキンを1週間に1人前以上摂取している群は非摂取群と比較し、全死因死亡1.13(95%CI:1.07~1.19)、心血管死亡1.12(95%CI:1.02~1.23)であった。同様に魚介類のフライの摂取に関するハザード比は、全死因死亡1.07(95%CI:1.03~1.12)、心血管死亡1.13(95%CI:1.04~1.22)であった。
揚げ物の総摂取量および種類別摂取量と、がん死亡との一般的な関連は確認されなかった。
なお結果について著者は、揚げ方や揚げ油などに関する情報が限られていること、食物そのものの影響と揚げることによる影響を分けることができないこと、残余交絡の可能性があることなどを研究の限界として挙げている。
〜CareNetより〜


2019年1月31日
「子どもがなかなか薬を飲んでくれない時、どのくらい飲ませれば大丈夫?」
薬を子ども(特に乳幼児)に飲ませる苦労は、子育てを経験したことがない方にはなかなか分からないと思います。かく言う私も、薬局に勤務するようになるまで、自分の子どもに薬を飲ませたことはなく、その大変さには気付いていませんでした。
しかし、子育て中の同僚の薬剤師に聞くと、朝、保育園に連れて行く前に薬を飲ませるのはひと苦労だそうですね。「子どもは機嫌が悪いとそっぽを向くし、他のことをしていれば嫌がって泣き出すし……。仕事が始まる時間を気にしながら、身支度もしなくてはなどと毎日焦っています」。これは仕事をしているお父さん、お母さんにとってはよくある光景だと思います。
また、保育園で子どもが熱を出せば、仕事を中断して保育園に駆けつけ、その後、小児科を受診するわけです。そこで散々待って診察を受け、処方箋をもらって薬局に来ます。 その薬局で、「お薬は必ず飲ませてくださいね」と言われ、家に帰って子どもに飲ませようと頑張るものの、嫌がって泣かれる。そんなことをしていたら夕食の準備もできない……。
われわれ、小児科の処方箋を受け取る薬剤師は、何とか薬を飲んでもらいたいと思い、「ゼリーに混ぜて」とか、「ジュースに混ぜて」とか、「少量に分けて」とか毎回必死で説明します。でもある時ふと、「こういう指導はお父さんやお母さんを逆に追い詰めているのではないか」と感じたのです。
そう考えた時に、結婚式でよく聞く吉野弘氏の『祝婚歌』の一節を思い出しました。

「正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい」(『祝婚歌』より、一部を引用)

まじめな親御さんは、ジュースに溶かした時の残りかすも気にします。そんな親御さんに対して服薬指導という正論をかざして、追い詰めてしまっていないか――。
そう悩んでいた時に参考になったのが、患児の服薬アドヒアランス(*1)とその後の症状の変化を調べた研究です。予想通り、「服薬できた」子と「あまり服薬できなかった」子では、症状悪化や不変を訴えた割合が有意に後者の方が多くなっていましたが、興味深いのは、「服薬できた」子と「だいたい服薬できた」子の差には有意差がなかった点です。つまり、服薬はパーフェクトでなくても、だいたい飲めれば効果は得られるのです。
このことから私は、「お薬飲めていますか?」と聞いて、困った顔をする親御さんには「だいたい飲めていれば大丈夫ですよ」と言っています。「むしろ一度失敗しても諦めないことの方が大事ですよ」と伝えています。
ただ、安易に「だいたい飲めればいい」と言うのはやや言い過ぎなような気もします。個人的には、「だいたい飲めれば良くなりますよ、でも、しっかり飲ませてあげた方が早く保育園に行けますよ」とお伝えするのが一番かなと思っています。
*1 服薬アドヒアランス:薬の作用や副作用について納得した上で、患者自身が主体的・能動的に服薬を行うこと
 〜日経Goodayより抜粋〜


2019年1月30日
「便秘が、全死亡・心血管イベントリスクと関連」
便秘は日常診療で最も遭遇する症状の1つであり、アテローム性動脈硬化症の発症と関連している(腸内微生物叢の変化による可能性)が、心血管イベント発症との関連についてはほとんど知られていない。今回、米国退役軍人コホートにおける研究から、便秘であることと便秘薬の使用がそれぞれ独立して、全死因死亡、CHD発症、虚血性脳卒中発症のリスクと関連していたことを、米国テネシー大学/虎の門病院の住田 圭一氏らが報告した。Atherosclerosis誌オンライン版2018年12月23日号に掲載。
2004年10月1日~2006年9月30日(ベースライン期間)に、推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以上であった米国退役軍人335万9,653例において、2013年まで追跡し、便秘の有無(診断コードと便秘薬の使用により定義)・便秘薬の使用(なし、1種類、2種類以上)と、全死因死亡率・冠動脈疾患(CHD)発症・虚血性脳卒中発症との関連を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・335万9,653例のうち、23万7,855例(7.1%)が便秘と同定された。
・人口統計、一般的な併存症、薬物治療、社会経済的地位に関する多変量調整後、便秘の患者は、便秘ではない患者と比べて全死因死亡率が12%高く(ハザード比[HR]:1.12、95%CI:1.11~1.13)、CHD発症率が11%(HR:1.11、95%CI:1.08~1.14)、虚血性脳卒中発症率が19%高かった(HR:1.19、95%CI:1.15~1.22)。
・便秘薬使用なしの患者に比べ、1種類および2種類以上の便秘薬使用患者のHR(95%CI)はそれぞれ、全死因死亡率で1.15(1.13~1.16)および1.14(1.12~1.15)、CHD発症率で1.11(1.07~1.15)および1.10(1.05~1.15)、虚血性脳卒中発症率で1.19(1.14~1.23)および1.21(1.16~1.26)であった。
〜飯尾副院長提供:CareNetより〜


2019年1月29日
『高血圧患者が急増? 成人も「130/80」に目標変更へ』
血圧はどこまで下げた方がいいのか。米国で高血圧の診断基準が引き下げられたことを受け、国内でもガイドライン改訂を見据えて議論が進んでいる。現在のところ、日本では診断基準は変えないものの、治療の目標値が引き下げられる方向だ。現在治療を受けている約1千万人の高血圧患者はさらに薬が増える見込みで、厳しい服薬管理が求められそうだ。 昨年、米国の学会が24年ぶりに医師が「あなたは高血圧です」と診断する基準を変更し、大きな衝撃が走った。しばしば「上の数字」「下の数字」という血管の収縮期と拡張期のそれぞれの血圧を「140/90」から「130/80」に引き下げたからだ。
米国の高血圧患者は推計で7220万人。診断基準の引き下げで患者は一気に1億330万人に増えることになった。診断基準を引き下げた主な根拠は臨床試験の最新データで「130/80」以上でも脳卒中などのリスクが増えると分かったためだ。米国の基準引き下げを受け、今年の春にガイドラインの改訂を控える日本でも議論が進んでいる。もし米国と同様に引き下げれば、高血圧患者は現在の4300万人から2000万人増えて6300万人になる。日本の総人口の半分、成人の6割が「高血圧」になってしまう計算だ。 だが日本高血圧学会は昨年9月に開いた総会で「診断基準は変えない」という方針案を公表。議論に加わった学会関係者は「欧州の学会が6月に基準(140/90)を変えないと表明したので、日本でも変える必要はないとの意見が大勢を占めた」と説明する。正式な決定は春になるが、このままいけば日本で高血圧患者が激増するといった事態は避けられそうだ。東京都内で開業する60代の内科医は「患者が混乱せずに済みそうでよかった」と話す。
とはいえ、現在治療を受けている約1千万人の高血圧患者には、少なからず影響がある。なぜなら新しい方針案で治療の目標値が引き下げられたからだ。これまで高血圧の治療を受ける患者の目標値は75歳以上の高齢者が「150/90」、75歳未満の成人が「140/90」だったが、新しい方針案は高齢者が「140/90」、一般成人は「130/80」未満に下げることが目標となる。
引き下げ幅は米国と同様に10ポイントで、ほぼ降圧薬1種類を服用した場合の低下幅に相当し、降圧薬が1種類追加されるイメージだ。高血圧の治療に詳しい東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌医師は「多くの患者は今まで以上に積極的な治療が必要になってくる」と解説する。薬の種類や服用回数が増えると、飲まなくなる人も増えてくる。特に高血圧では薬が多く、一方で効果は実感しにくいため、治療目標値への到達率が低い。日本では男性で30%、女性で40%の患者しか到達していない。
到達率が低いのは世界共通で問題視されている。学会関係者は「高血圧は診断が簡単で優れた薬がいくつもあるのに、ここ10年低いままだ」とこぼす。こうした場合、2種類、3種類の降圧薬を1錠にまとめた配合剤を選択するのは1つの方法だ。従来のまま複数の薬を処方され、服用しやすい配合剤を医師から知らされていない患者も多い。最近は後発薬で安価な配合剤も増えている。一方で、夏場には血圧低下や脱水が起きやすく、季節に応じて薬の種類や量を調整する医師も多い。配合剤にはそうした調整がしにくいものもあるため医師との相談が必要となる。
日本高血圧学会の新しい基準案は、今後パブリックコメントを集めた上でさらに議論し、4月には正式に決定される予定だ。高血圧の患者はこれまで以上に定められた薬を飲む必要性が高まりそうだ。米国のガイドラインが改訂されたのは、降圧の是非に関する論争に終止符を打つ試験結果が発表されたことが大きい。
これまで、高齢者では血圧をあまり下げない方がいいという考えや、下げすぎるとかえって有害な結果を生み出すという考えがあり、議論がまとまらなかった。そこで「米国政府は決着をつけるために試験し、やはり下げた方がいいという結果を出した」(東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌医師)。
スプリント試験と呼ぶ臨床試験の結果、収縮期血圧を従来の140未満まで下げた群よりも、120未満に下げた群の方が心筋梗塞などが少なかった。過去にこうした降圧薬の臨床試験では一部の製薬企業が不正を働くなど不信感が残るが、桑島氏は「臨床試験の監視が厳しくなったのに加え、今は降圧薬はほとんど価格の低い後発薬に置き換わっており、製薬企業が不正を働いた結果ではない」と指摘している。
 〜日経Goodayより抜粋〜


2019年1月28日
「体重を毎日測定すべきに賛否両論」
2018年11月に開かれたAHAの年次集会で、毎日の体重測定が体重管理に有益とする研究結果が発表された。
1,042人の成人を1年間にわたり追跡した結果、週に1回以下の頻度で体重を測った人では体重が減らなかったのに対し、週に6~7回測った人では、体重が平均で1.7%減少したことが分かった。
この結果について、米セント・ルーク・ヘルスシステム・ハンフリーズ糖尿病センターのAmy Walters氏は「こうした行動はセルフモニタリングと呼ばれ、あらゆる種類の行動変容に適用できるエビデンスに基づいた方法の一つだ」と指摘する。同氏は「自分の行動の変化を把握することは、責任感を持つようになるだけでなく、フィードバックを得てモチベーションの源にもなる。つまり、“計画通り実行すれば、変化は本当に現れる”ということが理解できるようになる」と説明している。
ただし、頻繁に体重計に乗り過ぎると、体重のことが頭から離れなくなってしまうこともある。Walters氏は「測定値にこだわり過ぎず、体重の変化に注目することが重要だ。体重を毎日測定しても変化がみられないと、気分が落ち込んだり、モチベーションが落ちたりする可能性がある」と指摘する。健康的な生活習慣や減量をテーマに4冊の著書がある米メリーランドの医師、Pamela Peeke氏も、Walters氏の意見に同意し、「体重を毎日測るのは減量目標の達成に有用だが、それにより不安を感じるのであればやめた方がよい」と話している。
不安やモチベーションの低下には、いくつかの要因が関与すると考えられる。体重計の種類や測定するタイミングが違うと測定値にも影響するため、専門家らは同じ体重計で、毎日同じ時間帯に測ることを勧めている。Zerner氏によれば、「朝起きたらまず測定するのがベスト」だという。
また、Walters氏は「同じ体重計でも水分の摂取量やホルモン値、身体活動量などに応じて測定値が上下する可能性もある」と説明し、数字にこだわり過ぎないでほしいと呼び掛けている。一方、Zerner氏は、体重計はたくさんあるツールの中の一つに過ぎないとしながらも、体重測定はフィードバックになり、自分の健康状態に気を配るきっかけになるとしている。その上で、同氏は、体重だけでなく、体脂肪率とウエスト周囲長も測ることが望ましいと助言している。
 〜CareNetより抜粋〜


2019年1月25日
「妊娠中のインフル罹患は新生児の健康に悪影響」
妊娠中の女性は、自分自身だけでなく胎児のためにもインフルエンザの予防接種を受ける方がよい―。こんな研究結果を、米疾病対策センター(CDC)傘下の国立出生異常・発達障害センター(NCBDDD)のKim Newsome氏らが「Birth Defects Research」1月9日オンライン版に発表した。この研究では、妊婦がインフルエンザに罹患すると重症化しやすい以外にも、早産や低出生体重児などのリスクが高まることが示された。
Newsome氏は「この結果は、妊婦はインフルエンザのワクチンを接種する必要があり、もしインフルエンザに罹患した場合は、迅速かつ適切な治療を行う重要性を裏付けるものだ」と述べている。
CDCは、生後6カ月を迎えたら全員がインフルエンザの予防接種を毎年受けることを推奨している。特に、妊婦や乳幼児、高齢者、慢性疾患のある患者は合併症リスクが高く、ワクチン接種が重要となる。妊娠中は免疫系や心臓、肺などに変化が生じるため、妊娠中と産後2週間はインフルエンザに罹ると重症化しやすいとされる。CDCによると、米国では、今シーズン(2018/19)はA型のH1N1とH3N2が流行しているが、今年のワクチンはいずれの株にも有効性が高いと考えられ、今から接種しても遅くはないという。
今回の研究では、2009年4月~12月に、5つの州でインフルエンザに感染した妊婦490人と感染しなかった妊婦1,451人、妊娠の前年にインフルエンザに感染しなかった妊婦1,446人のデータを調査した。なお、2009年はH1N1新型インフルエンザが大流行し、全米で6000万人が罹患し、40万人が入院、1万8,000人が死亡したと記録されている。 解析の結果、インフルエンザに罹患していない女性に比べて、重症化したインフルエンザが原因で集中治療室(ICU)に入院した妊婦では、妊娠37週未満の早産や低出生体重児、低アプガースコア(新生児の健康状態を評価する指標)のリスクがそれぞれ高いことが分かった(調整後の相対リスクはそれぞれ3.9、4.6、8.7)。また、インフルエンザに罹っても入院に至らなかった女性や、ICU以外の一般病棟に入院した女性では、これらの合併症リスクの有意な増大はみられないことも明らかになった。
研究には参加していない非営利団体「March of Dimes」のRahul Gupta氏は、「出産可能な年齢の女性では、特に妊娠初期の女性におけるワクチン接種率は受け入れがたいほど低い」と指摘する。ワクチンはインフルエンザを100%防ぐものではないが、接種していれば罹っても軽症で済むと同氏は説明し、「妊娠初期のワクチン接種は、妊婦が自分の体を守るためにできる最も重要なことの一つだ」と述べている。
米国では近年、反ワクチン運動が活発化し、妊娠中のインフルエンザワクチン接種は有害とする誤った考え方が広まっている。しかし、妊娠初期にインフルエンザに罹ると、脳や脊椎、心臓に先天異常を抱えた子どもが生まれるリスクが2倍になるとも報告されている。そのため、Gupta氏は、「ビタミン類の摂取や健康に良い食習慣、運動、禁酒や禁煙に加えて、ワクチン接種は胎児の健康を守るためにできる手段として重要だ」と述べ、ワクチン接種に迷う場合は専門家に相談するようにと助言している。
  〜飯尾副院長提供:Healthy Day Newsより抜粋〜


2019年1月24日
「太れば太るほど、GFR低下・死亡リスク増」
肥満は、慢性腎臓病(CKD)の有無にかかわらず、糸球体濾過量(GFR)の低下および死亡のリスク増大と関連することが明らかにされた。米国・Geisinger Health SystemのAlex R. Chang氏らが、40ヵ国のコホートを基に分析した結果で、BMJ誌2019年1月10日号で発表した。これまで肥満と末期腎疾患(ESKD)との関連は示されているが、関連の程度は試験間でばらつきがみられていた。また、CKDのコホート試験で、肥満はリスク増大とは関連せず、死亡リスクは低いことが示されていた。BMI値とCKDの関連を検討したメタ解析では、被験者データが不足しており、ウエスト囲など体幹部肥満の計測値が含まれておらず結果が限定的だった。研究グループは、肥満計測値(BMI値、ウエスト囲、ウエスト身長比)とGFR低下および全死因死亡との関連を調べた。
研究グループは、1970~2017年の40ヵ国における、39の住民コホート(被験者総数:545万9,014例)と、高心血管リスクコホート6件(同:8万4,417例)、CKDコホート18件(同:9万1,607例)を基に、肥満とGFRとの関連を検証した。
全コホートにおいて、ウエスト囲やウエスト身長比の増加とGFR低下との関連は、BMI値上昇とGFR低下との関連と同様に認められた。一方、BMI値でみられたような死亡との関連はウエスト囲やウエスト身長比ではみられず、死亡リスク増大とウエスト囲やウエスト身長比の低下は関連がみられなかった。
〜CareNetより抜粋〜


2019年1月19日
「第8回認知症勉強会 〜糖尿病と認知症の関係〜」
一昨年の11月から始まって、これで8回目。講義する飯尾先生は説明が分かり易く、しかも興味が湧く内容に仕立ててくれる。終わりの質問コーナーでは、事例をあげて平易で丁寧。また宇都宮先生も、飯尾先生から意見を求められて交錯しない知識で論理的で納得。
さて、今回の勉強会は「糖尿病と認知症の関係」。これは聞いて奥が深いと思った次第で、それは認知症が生活習慣病から派生していることだ。もっと原点から、生活の視点から自分の生活習慣、とくに重要なことは毎日の食事を考えて下さいということだ。糖質摂取による脳の糖尿病化、高血糖になる糖質摂取、良好なタンパク質摂取、アルコールの制限、フレイル(虚弱)の悪循環。悪いと分かっていながら自分で自分をいじめる必要ないでしょ。でもそれが人間の弱く儚い性かもしれない。
フレイルにならないためにはどうすればいいか。毎日の食事に工夫を重ねること。主食や果物を減らすか、食べない。おかずをしっかり食べる。つまり、炭水化物を食べずにタンパク質をしっかり取ること。若年者と高齢者の体組成において、筋肉量と骨量は25%から15%まで落ちてくる。逆に脂肪は15%から30%に上がってくる。タンパク質をたくさん取って筋力をつけるのは当然の理屈。
オススメ書籍では白澤卓二先生の「認知症は脳のメタボだった!」を紹介。参考にしてください。
印象的だったのは、病型診断だけでは片手落ちという飯尾先生の診察資料を読んで考えさせられた。粗暴で、診察室で何を聞いても「元気が宝!」と返す90歳の患者さん。CT画像では言語を司る側頭葉がかなり萎縮している。患者の不機嫌や粗暴は、会話の無理解で悪口という思い込みかもしれず、それに起因する疎外感かもしれない。
語義失語がADLを疎外していると理解すれば、①言葉が分からないのであれば、相手の行動を前提としない声掛けを工夫してみよう。②機嫌良く同じ言葉を繰り返す常同行動があるのなら、粗暴な行動という困り事を、機嫌の良い常同行動に繋げて無害化できるのでは?
あとで訪れたケアマネさんから、問題行動がピタリと止まったと知らされた。
これを読んで以前読んだ平田オリザさんの「わかりあえないことから~コミュニケーション能力とは何か~」という本を思い出したので、概略を引用する。
“ホスピスに末期がんの患者が入院。奥さんが付きっきりで看護している。解熱剤を投与するが効かない。奥さんが看護師さんに「効かないようですが?」と聞く。 看護師さんは懇切丁寧に説明し、奥さんも納得するが、翌日もまた同じ質問をする。 看護師さんも親切に答えるが、それが毎日1週間近く繰り返された。優秀な看護師さんも嫌気がさしてくる。 そんなある日、ベテランの医師が回診に訪れたとき、やはりその奥さんが「どうしてこの薬を使わなきゃならないんですか?」と、くってかかった。 ところがその医師は一言も説明せずに、「奥さん、辛いねぇ」と言ったのだそうだ。 奥さんはその場で泣き崩れたが、翌日から二度とその質問はしなくなった。 奥さんの聞きたかったことは、薬の効用などではなく、「自分の夫が、なぜ、今がんに侵され、死んでいかなければならないのか」を誰かに訴えたかった、誰かに問いかけたかった。 しかし、その問いかけの答えを、近代科学、近代医学は持っていない。 科学は、HowやWhatについては、結構答えられるが、Whyについては殆ど答えられない。 昔は病気や怪我を治していれば患者から感謝された、いい商売だったが、今は医療が高度化しすぎて、治すことや、患者さんや家族の気持ちも複雑になってきた。 それを汲み取れる人材を育てるのがコミュニケーション・デザインだ。 今までのように強いリーダーシップは人々を力強く引っ張り、説得する。 しかし、時代に必要なもう一つのリーダーシップは、こういった弱者のコンテクストを理解する能力だと考えている。 社会的弱者と言語的弱者は、ほぼ等しい。 論理的に喋る能力を身に付けるよりも、論理的に喋れない人々の気持ちを汲み取れる人間になりたいと思う。”


2019年1月18日
「味覚障害の原因は鼻にあるは本当か?」
食事をしても味を感じないなどの味覚障害の原因は、必ずしも口の中にあるとは限らない―。
こんな研究結果を、米バージニア・コモンウェルス大学耳鼻咽喉科教授のEvan Reiter氏らが「International Forum of Allergy and Rhinology」2018年12月10日オンライン版に発表した。全く味を感じない味覚消失などを訴える患者の多くは、味覚機能ではなく嗅覚機能に問題があることが分かった。
Reiter氏らは、1980~2017年に、同大学ヘルスシステム味覚・嗅覚クリニックを受診した患者1,108人のうち、全く味を感じないなどの味覚障害やにおいを感じないなどの嗅覚障害を訴え、味覚や嗅覚の検査を受けた358人を対象に分析を行った。その結果、味覚と嗅覚の両方に異常があった患者295人では、86.8%に嗅覚機能の異常がみられたのに対し、味覚機能の異常が確認されたのは9.5%に過ぎないことが分かった。一方、味覚異常のみを訴えた63人では、44.4%に嗅覚機能の異常がみられ、25.4%に味覚機能の異常が確認された。
Reiter氏は「この結果は、味覚の異常を訴える患者の多くは、味覚ではなく嗅覚機能に問題がある可能性が高いという仮説を裏付けるものだ」と述べている。同氏は「食べ物を味わう味覚には、味覚と嗅覚という2つの感覚系がともに関与することはあまり知られていない。今回の結果からも、味覚に異常を訴える患者の多くは、その原因が嗅覚の消失や異常にある場合が多いことを認識していないことが示された」と付け加えている。
Reiter氏によれば、「甘味、苦味、塩味、酸味」それぞれに反応する受容体は舌にあり、これらの味を感じるには味覚が重要な役割を果たすと考えられている。しかし、食べ物の複雑な「風味」を感じるには、味覚よりも嗅覚が大きく関与し、鼻にある受容体が風味に反応することで味覚を補っているという。 なお、米国国民健康栄養調査(NHANES)によると、米国成人の10%以上が過去1年以内に食べ物の味を全く感じなくなった経験があると回答している。また、23%が生涯に1度はにおいを感じなくなった経験があるという。
 〜CareNetより〜


2019年1月17日
「糖尿病と認知症の関係」
健康講座を開催いたしました。昨年の9月に次いで三重原公民館で2回目となります。
当日は午前中に老人会が開かれて、午後からのお話だったので、寒い中を何度も足を運んでいただき、ありがとうございました。
飯尾副院長のお話は、福岡県の久山町研究のご紹介、糖質制限の有用性、糖と認知症発症との関連などのご説明がありました。食後高血糖が糖代謝異常を悪化させます。主食や果物を減らしたり、食べないこと、つまり炭水化物を食べない、タンパク質をしっかり食べることが虚弱(フレイル)の悪循環に陥らない方法だと言えます。
質問コーナーでは、疑問点を率直にお話して今後の生活に役立てようとする方々からたくさんの質問がありました。同席の宇都宮院長もご質問に答えていました。


2019年1月15日
「タミフルDSの後発品の薬剤費と味を調べてみた」
12月中旬からここ中津でも、インフルエンザの患者さんがパラパラと来局するようになりました。年の瀬、全国各地で流行がみられたようなので、年明けに学校が始まると、患者さんは一気に増えると思います。
国立感染症研究所の発表によると、2018年36-51週に報告されたインフルエンザのウイルス型は、検体470例中、AH1pdm09が339例(72.1%)、A/H3N2が112例(26.0%)、B型が9例(1.9%)と、AH1pdm09(09年に大流行したいわゆる新型インフルエンザ)が7割を超えています(18年12月28日時点)1)。前シーズンと同様に、これからA/H3N2やB型が流行するかもしれません。
さて、18/19シーズンのインフルエンザ診療で最も話題となっているのは、17/18シーズンの終わりに発売されたゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)ですが、タミフル(オセルタミビルリン酸塩)の後発品の登場(18年9月発売)も、もう1つの大きな変化です。
19年1月7日現在、タミフルの後発品(カプセル剤とドライシロップ)を製造販売しているのは、ご存知の通り、沢井製薬1社です。
オセルタミビルDSは生後2週齢から使用できますが、新生児の場合は用量が異なるので注意が必要ですね。リレンザは4歳以下には使えません。気になるのは薬価ですが、一番安いのはオセルタミビルDS3%「サワイ」です。あとは、使いやすさで薬剤が選択されます。吸入薬はどうしても使用できない子がいるので、その場合はDSや錠剤に変更となります。
小児科の処方箋が多い当薬局では、やはり、ドライシロップ(DS)の味が気になります。各薬剤のインタビューフォームを見ると、先発品のタミフルDSの味は、「ミックスフルーツ風味」とあります。一方、オセルタミビルDS「サワイ」の味は、「フルーツミックス様芳香を有し、味はわずかに甘い」とあります。両者は、ボトルの外観や、散剤の形状や色が似ていますが、よく見ると、オセルタミビルDS「サワイ」の方が、細粒のきめが細かいような気がします。
試食してみると、いずれも、舐めた瞬間は甘いフルーツ味がします。タミフルDSは、苦味を消すために少し強めの味付けがされている印象です。一方、オセルタミビルDS「サワイ」の味は、タミフルDSより淡い気がします。早速、薬局の薬剤師やスタッフに聞いてみましたが、それぞれタミフルDS派とオセルタミビルDS「サワイ」派に分かれました。個人的には、タミフルDSの方が濃い味がするので、小児では、これを嫌がる子がいるかもしれないと思いました(私見です)。
休み明けからどれくらいインフルエンザの患者さんが増えるかーー。それが小児科の処方箋を多く応需する当薬局の、現在の一番の関心事です。
 〜飯尾副院長提供:日経GIオンラインより抜粋〜


2019年1月11日
「よく歩く高齢者は肺炎やインフルエンザで死亡するリスクが低い②」
11.9年(中央値)の追跡期間中に死亡した人のうち、1203人(男性731人、女性472人)の死因が肺炎またはインフルエンザでした。参加者を、心筋梗塞と脳卒中の経験の有無によって3つのグループに分け、1日の平均的な歩行時間が0.5時間のグループを参照群として、肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクの検討を行いました。
・心筋梗塞と脳卒中の経験がない人たち
1日の歩行時間が0.5時間のグループと比較して、1時間以上歩行していたグループの肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクは10%低くなっていました。反対に、歩行時間が0.5時間未満のグループのリスクは、参照群より33%高くなっていました。
・心筋梗塞の経験者
1日の歩行時間が0.5時間のグループに比べ、1時間以上歩行するグループの肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクは34%低いことが分かりました。
・脳卒中の経験者
1日1時間以上歩行していたグループに、参照群と比較したリスク低下は見られませんでした。一方、1日に0.6~0.9時間歩行するグループの肺炎リスクは35%低くなっていました。なぜこうした結果になったのかは、明らかにならなかった、と著者らは述べています。
以上の結果は、心筋梗塞歴のある人を含め、高齢者が1日に1時間以上歩くと、肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクが下がる可能性を示しました。
 〜飯尾副院長提供:日経Goodayより抜粋〜


2019年1月10日
「よく歩く高齢者は肺炎やインフルエンザで死亡するリスクが低い①」
1日に1時間以上歩く高齢者は、肺炎やインフルエンザで死亡するリスクが低いことが、日本人を対象とした大規模な疫学研究で明らかになりました。
肺炎は、先進国における死因の上位に位置しており、特に65歳以上の高齢者に肺炎による死亡が多いことが知られています。これまでにも、よく歩く人や活発に運動する人は肺炎リスクが低いという報告はありました。しかし、高齢者には慢性疾患の患者が多いため、積極的に運動するのは難しい人が少なくない可能性があります。そこで北海道大学(所属は論文掲載時)の鵜川重和氏らは、日本の高齢者を対象に、心筋梗塞または脳卒中の経験があるかどうかを考慮しながら、日常的な歩行時間が肺炎またはインフルエンザによる死亡と関係するかどうかを検討しました。
分析対象になったのは、日本人のがんリスクの評価を目的とした疫学研究「JACCスタディ」に参加した、65~79歳の日本人2万2280人(男性9067人、女性1万3213人)です。参加者には、この研究への参加を決めた時点で、さまざまなライフスタイルに関する質問とともに、1日の歩行時間を尋ねました。質問は「平均すると1日にどのくらい屋内または屋外を歩いていますか?」で、回答は「0.5時間未満」、「0.5時間」、「0.6~0.9時間」、「1時間以上」の中から選択してもらいました。
また、心筋梗塞または脳卒中の経験についても尋ねたところ、1894人がこれらのいずれかを経験していました。内訳は、心筋梗塞のみが1210人、脳卒中のみが604人、これら両方が80人でした(したがって、心筋梗塞の経験者は1290人、脳卒中の経験者は684人)。1日の歩行時間が1時間を超えていた人の割合は、心筋梗塞と脳卒中のいずれも経験していない人では50.4%、心筋梗塞の経験者では41.8%、脳卒中の経験者では33.9%でした。
 〜飯尾副院長提供:日経Goodayより抜粋〜


2019年1月9日
「電子レンジ熱傷の原因となる食材は!?」
皆さんは、電子レンジで熱傷を起こして救急を受診した人がいるとすると、どの食材を頭に思い浮かべますか? みそ汁? カレー?
さて、「電子レンジ熱傷」の定義ですが、基本的に電子レンジで加熱した食材が爆発して熱傷を負ったものとします。電子レンジ自体の不具合で、機械そのものが爆発したものは含まれません。まぁ、どうでもいい定義ですが…。
「電子レンジ熱傷」自体が非常にまれなので、過去の文献を探してみても、症例報告かケースシリーズのいずれかです。今回は、電子レンジ熱傷の世界では最も新しいと思われる、2016年に報告されたケースシリーズを紹介しましょう。
これは、英国の熱傷センターで後ろ向きに「電子レンジ熱傷」を集めたものです。6年間で、たった8例しか見つかりませんでした。とはいえ、「電子レンジ熱傷」界では8例でも十分過ぎるほど大規模な報告なのであります!
8人のうち、4人がジャガイモ、4人がたまごでした。すごい! 引き分け! 基本的に熱傷面積は体表の2%未満と狭いエリアで、受傷者の平均年齢は41歳でした。6人(75%)に眼外傷がみられました。爆発した食材が眼に飛んできたのです。1人は永続的な視力障害を残してしまったそうです。
さて、「ジャガイモvs.たまご」で考えたとき、どちらの文献的報告が多いでしょうか。実は、これはたまごなんです。いや、たぶん。調べた感じでは、たまごの報告のほうが多いです。よくテレビでも「ゆでたまごを電子レンジでチンするな」と紹介されていると思うので、皆さんも注意してくださいね。
 〜飯尾副院長提供:CareNetより〜


2019年1月4日
「減量後の低炭水化物食、代謝量を増大/BMJ」
低炭水化物ダイエットは、体重減少維持中のエネルギー消費量を増大することが明らかにされた。
米国・ボストン小児病院のCara B. Ebbeling氏らが行った無作為化試験の結果で、BMJ誌2018年11月14日号で報告された。
エネルギー消費量は、体重の減少とともに低下し、体重再増加を促す要因となるが、この代謝反応に、長期間にわたる食品構成がどのような影響を与えるのかは明らかになっていなかった。今回の検討で示された関連性は、炭水化物-インスリンモデルで一貫性を持ってみられ、著者は「示された代謝効果は、肥満治療の成功を改善する可能性があり、とくにインスリン分泌能が高い人で効果があると思われる」と述べている。
総エネルギー消費量の変化は、高量ダイエット群との比較において、中量ダイエット群で91kcal/日 大きく、低量ダイエット群で209kcal/日 大きかった。per protocol解析(120例)では、それぞれの差は、131kcal/日、278kcal/日であった。
 〜飯尾副院長提供:CareNetより〜



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