1月10日
〜わが輩はジュンである〜


静かに去りゆく歳
新しく迎える年
除夜の鐘をついて以来
厄祓いを受けられる信者さんが
毎日お寺にやって来られる。
皆、今年の平安を願い、
心に秘めたお願い事の成就を願っている。
祈りの姿は美しい。
祈りの姿からその人の勇気と希望のオーラが
ほとばしり出ている。

お護摩の修法中

「こうなりたい!」という願いが
より強く 純粋になったのが祈り。
まず願いを起こし、祈る心が生まれた時、
実行の第一歩が始まる。
そしてどんなにそれが困難なことであっても
祈りがあれば、前に進むことが出来る。

素直な子になれば
仏様が守ってくれるんだっテ
「祈りても しるし無きこそ しるしなり
  己が心に まことなかりせば」

まごころを心に込めて祈る
日常の生活態度が誠心誠意であらねばならない
と和尚さんが僕に言う。
仏さんのおこころに照らして恥かしくない
言動が伴って祈りが通じるんだト。


昔から初夢の良いのは
「一富士 二鷹 三ナスビ」
と言われているが、僕は
一に彼女 二にオニク 三に散歩ダ
 いい処で目が覚めちゃった。残念だった。  恥かしながら 僕の初夢だ
「今年は彼女出来るかナ?」
橋本のお嬢にそっと尋ねた。
「頑張れば・・・・・」


どのように頑張ればよいのか
わからないので
先月から手伝いに来ている
留美姉チャンに聞いてみた。

つまらんことを
尋ねにゃ良かったゼ  糞!


留美姉は口ウルサくて嫌だ。
俺様を何だと思ってるんダ・・・


ゴチャゴチャ言い出したんで
眠った振りしてやったが・・・。
まだゴタクを並べているゼ。
「ジュンは 和尚さんの機嫌ばかりとって 
 ペコペコして愛想を振りまいているでしょう。
 オヤツをもらったり、散歩に連れていってくれて
 ありがたいのはわかるワ。
 けれども、汚れた体を洗ってくれたり、
 病気の時に看病してくれる
 本当の親のトキちゃんのことを
 もっと大切に思わにゃいけんヨ!」

「・・・・・有り難いと思ってるゼ」

「だったらもっときちっと『ありがとう』て、
 いつも折りにふれて感謝の言葉を言いなさいヨ」

「・・・・・言わなくても 
 わかってもらえていると思ってるけど・・・・・」

「それじゃ駄目なのヨ。ジュンばかりじゃないけど、
 だいたい私達は ともすれば一番大切な人達を
 あまり気をとめないことがあるノ。

 スーパーに買い物に行った時、
 店員さんには、『ありがとう』と言うわネ。
 しかし、配偶者や兄弟、友人や同僚、
 ごく親しくて身近な人には
 ついつい言わないことが多いよネ。
 してくれてあたりまえだとか、わかってくれている
 と思って言わないことが多いのよネ。
 本当は自分にとって大切な相手で
 あればあるほど、 きちんと感謝したり、
 ほめる言葉を 使わなければいけないのヨ。」

「・・・・・・・・」

「ジュンもトキちゃんに『ありがとう』
 ポチにも『ありがとう』
 迷惑をかけている私達に『ごめんなさいネ』
 こんな感謝の言葉を日常
 素直に使うように心がけるのヨ」

「・・・・・・・・」

うるさいんで、和尚さんの部屋に
逃げ込んで 毛布にくるまったら
留美姉が後を追っかけてきた
「『留美ちゃん今日はきれいネ』とか
『橋本さんは お若いネ』とか、
ほめ言葉も女心をくすぐって、
『ジュンはいい子ねー』ってなるのヨ」


「・・・・・・・・」

わかっちゃいるけど・・・
コうるせえ姉やんだゼ


「黙ってないで ここで『ありがとう』って 
 お礼の言葉を言うのヨ。
 こんな気遣いを心掛けて実行することが、
 橋本さんの言う『がんばれば・・・』の心なのヨ。
 こんな心掛けを持つことが、
 いい彼女が出来ることにつながるのヨ。」

「・・・・・・・・。」


正月早々・・・・・あんまり
面白くない雲行きだワン
正月早々 寒いところでお説教されたワン
なんだか寒気がして風邪を引きそう。
アー面白くない。初夢の続きでもみるか。


                       おわり