〜わが輩はジュンである〜



旭の出だ
清澄な空気がみなぎり朝の読経の声が
一段と引き締まって聴こえる境内
12月11日 曇り 時々晴れ

秋色の衣を脱いで冠霜の朝を迎えている
尊勝院の明照門。
これから日増に寒さがつのってくる。

「着てはもらえぬセーターを
     寒さこらえて 編んでます・・・・」


の季節を迎えた。
僕と和尚さんの一番嫌いな季節だ。
和尚さんは、「夏には夏の景色、
冬には冬の景色があって、
四季折々楽しいゼ」
と言っているけれども、やせ我慢だと思う。
僕は暑いのと寒いのが苦手ダ。

ムスッとした俺様の顔
師走に入って
新年の準備に追われて、
日誌をつける時間がなかなかとれない。
和尚さんは忙中に閑ありで、
日誌をつける心の余裕を
大切にせにゃいかんとおっしゃる。
そこで今日は、
腹にすえかねた二つの出来事を記しておく。

雨のソボ降る竹田市の荒城を散策
八千枚が終わってから、
新年の準備にとりかかった
晩秋のある日のことだ。
いつになく事務所のなかが淋しい。
何かと俺様に小言をよく言うトキ婆も、
土谷姉も居ない。
相変わらずお忙しい和尚さんに尋ねた処、
慰安旅行に出かけたとのこと。


降る雨も何のその、岡城の階段を登る

去りゆく晩秋を惜しむ紅葉
紅葉を求めて・・・・・。
人並み以上に頑張っていると
思っている俺様には
お声がかからなかった。
釘宮の爺や副住さんなんかも
留守組に入っていた。
事務所の軒下から
降る雨を眺めながら
「日頃の精進が悪いから
    よく降るゼ・・。フフフ・・・(笑)」
とポチ兄に言った。
「可哀想ダ」と、ポツリとポチ兄。







城跡の古宮にお詣り。
丸山さんはもっとまじめに
お詣りせにゃイケン。

「荒城の月」の歌碑

私も行きたかったニャア〜

お寺から出られさえすれば、
何処でもいいんだ。

雨が降ったってかまわない。
・・・・・・そんな顔をしているゼ。




散策にもってこいの環境
心が癒される



帰ってきたらしっかり仕事するんだゾ〜
留守組と、
皆が訪ねた岡城って
どんな城か調べてみた。


「荒城の月」

土井晩翠作詞・滝廉太郎作曲



春高楼(こうろう)の花の宴(えん)
めぐる盃かげさして
千代の松が枝(え)わけいでし
むかしの光いまいずこ

秋陣営(じんえい)の霜の色
鳴きゆく雁(かり)の数見せて
植うるつるぎに照りそいし
むかしの光いまいずこ

いま荒城のよわの月
替わらぬ光たがためぞ
垣に残るはただかづら
松に歌うはただあらし

天上影は替わらねど
栄枯は移る世の姿
写さんとてか今もなお
鳴呼(ああ)荒城のよわの月





「荒城の月」で有名な竹田市の岡城。
岡城は、中世には
志賀氏の居城であったが、
文禄三年(1594)中川氏の
入部によって岡藩の城となった。
現在残されている城郭は
中川氏築城のものである。

荒城の月の作曲者
滝廉太郎の生涯

1879年
東京芝に生まれる。
1890年
大分へ。
翌1891年
父親が直入郡長となり竹田へ移転。
直入高等小学校を卒業。
1894年9月
東京音楽学校入学。
1898年7月
専修部を卒業し、研究科に進む
翌1899年
音楽学校の嘱託になる。
1900年
組歌四季とピアノ曲メヌエットを出版。
1991年
最も有名な
「荒城の月」 「箱根の山」 が
中学唱歌に採用される。
同1991年
ドイツ留学を命じられ、10月に
ライフチヒ音楽学校に合格するが
11月病気入院。
はかばかしくなく帰国する事になる。
1902年
大分市稲町の家に落着し、
以後同所で生活。
1903年6月23日
23才の若さで逝去しました。



岡城に連れて行って
くれなかった腹いせに、
二日程ポチ兄と仕事をサボった。
岡城に行った組は、
何もなかったような
素知らぬ顔をし仕事をしている。
何とはなしにスッキリした顔を
しているワン。
岡城効果かな?

日頃喰ってネエ そんな顔をしてるワン

オバンどもが喰ってるゼ
やっとこさ岡城のことを忘れて
仕事にいそしんでいたら、またまた
不愉快な写真を見せられた。

仕事をしないくせに参加してるワン

奥にいるのは誰かナ
和尚さんの誕生日祝を兼ねての
忘年会だ。
12月2日の夕方のことだった。
和尚さんを始め、
皆がそそくさと出かけた。
「おかしいゼ」と兄貴と話し合った。
やっぱり自分達だけで
いいことをしていた。

「連れてっテ」お願いしたけど駄目だった。

誕生祝のプレゼント贈呈
こんなことしてゴマすってる
俺様達にもジェラシーってものがあるし、
ウラメシク思う感情もある。
人間共と同じ様に
喜怒哀楽があることを
忘れてもらっては困る。

近頃「共生」という言葉が
よく使われているが、
自分にとって都合のよい立場に立って
「共生」を言うんじゃなくて、
相手の立場、弱い者の立場に
立って言ってもらいたいゼ。

あれ?みんなどこへ行ったのかナ・・・・。

いつもの道を散歩ダ
俺様達のウツウツとした気持ちを
察してくれたのか、
翌日の散歩の時の
和尚さんのやさしいこと・・・・・・。
みえみえで嫌な気分だったけれども、
根が単純な兄貴と俺様だ。
人生いろいろ、犬生いろいろと、
あきらめた。

風邪に気をつけて、
年末頑張ろうと思う。


             おわり