〜わが輩はジュンである〜












8月29日 晴れ

九月を目前にして
境内の蝉時雨が非常に少なくなり、
赤トンボの姿が見られるようになった。
ご主人を亡くされて
今年 初盆を迎えられた
岩田町の佐藤 和子さんの
暑中見舞いです。

濡れない時雨も
降らなくなり、
朝夕は秋の気配が
感じられる。
夏の陽に照りつけられたけや木が
葉を落とし始めました。
朝夕は涼しく、凌ぎ易くなる。
僕の好きな季節が巡ってくる。
けれども、日中はまだまだ
残暑が厳しい。
山門の石敷がまだ完成していない。
休憩所は、
ほとんど出来上がったが、
外めぐりの仕上げが残っている。
PM4:00
陽がだいぶ西の空に傾いたので
和尚さんと丸山さんが、
休憩所の庭づくりに出かけた。
一緒に行ったが、
何故か体がダルイ。
ウトウトしたら
卵焼きや肉の夢を見た。
思えば久しく喰ってない。

和尚さんは、夏バテ防止に
「いちじく」をよく喰っているようダ。
食べながら僕に説教する。
「ジュンヨ いちじくは漢字で
無花果と書くんだ。
果実の内側に、
白い小花が多数集まって、
花が開かないまま結実する
不思議な果物だ。
中国では漢方薬だ。
タンパク質の消化吸収や、
夏に弱った胃腸の調子を整える
働きがあるんだ。

だから夏バテ防止にいいんだ。
お前も喰いなさいヨ。」

「・・・・・・・・・・」僕はキライダ。
何でも凝り性の和尚さんが
野津町の森迫さんから、
いちじくの苗木を
三本持ってきてもらって植えた。
毎日、水をやっている。
再来年は実がなるそうだ。
僕には関係ない。


ついでに今時の健康食品を
もう一つ。
「青じそ」だ

和食のあしらいに使う青じそ。
これにはβ−カロチン、
ビタミンB1・B2・C・E
カルシウム、鉄、銅、亜鉛
が含まれている。
特にβ−カロチンは豊富で、
ニンジンより含有量が多い。

注目したいのは香り成分の
ペリラアルデヒド。
防腐力に優れ、食欲増進に
一役買うとのこと。
残暑厳しい季節の今、
栄養豊富で、食欲回復の
効果著しい青じそを、
沢山食べるとよいとのこと。
これも僕はキライなのダ。
「コケッ ケッ ケッコケッケ〜
ジュンちゃん来てヨ〜
ケッ コケッ ケッ〜」
甲高いカラアゲの声に目が覚めた。
わらべ
童の地蔵ちゃんが
「ホッときなさいヨ」と言ったが
根が正直な僕はトコトコ出かけた。
「ケ〜ケッ コケッ ケッ ケッ〜
ジュンちゃん早くウ〜 ケッコケ〜」
手羽も長官さんも皆集まっている。
胸騒ぎがした。


烏達がのぞき込んでいるのは
お兄ちゃんだった。
いつもよりも一段とボーッとして、
うつろな目をしている。
お兄ちゃんも暑気にあたったんだと
すぐわかった。
「俺様が来たからには大丈夫だ
皆うるせエから外に出ていけヨ」

ケッ ケッ コケ〜 ケ〜
ケコ ケコ〜ケ〜
          
うるさく鳴く 烏達を追いたてた。
手羽先が
「ケッ ケッ コ〜ケ〜
ジュンのやつすぐ威張るんだから」

「今度、あの丸いお尻を
思い切りつついてやりましょうヨ」
とカラアゲ。

コケッ ケッ ケッ 
ケッケッケッ・・・・・(笑っている)
もそもそ起きあがって
車の下に潜り込んでゆく
お兄ちゃんにお説教した。

「お兄ちゃん、
ニガウリというのを知ってるかい。
ウリ科の一年草。
原産は熱帯アジア。
夏から秋にかけて、葉の脇に
黄色い小さな花が咲いて、
イボのような突起のある
先の尖った長楕円形の実がなる。
キュウリにイボのついた
様なもので、食用すれば
苦いのでニガウリと呼ぶ。
明の時代に東南アジアから
中国に伝わり、
日本には江戸時代に入ってきた。
沖縄では「ゴーヤ」と呼ばれる、
夏の郷土料理の材料の代表格。
良薬は口に苦しというが、
ビタミンCとカリュウを多く
含んでいて、夏バテ防止に最適。
和尚さんから聞いたんダ。
お兄ちゃんも食べるといいヨ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

実は僕はこいつも苦手ダ。
仏様は暑い真夏も
冬の雪の降る日も
泰然自若として静か。
世の中のコセコセしたことに
動じない。
雲の上の青空のようだ。
尊勝院の明照門の付近も
世間の騒ぎを寄せ付けない
静けさを漂わせている。
香のかほりに、
蝉時雨さえも寂として
樹間にしみ入る・・・・・・・
お寺のひととき。


いちじくと青じそとニガウリ喰って
明日は元気で頑張ろう。

            おわり