〜わが輩はジュンである〜
梅雨があけて、
毎日うだる様な暑さが続く 

暦の上では、7日が小暑
今日23日が大暑。
もっとも暑い日が続く頃。
和尚さんは暑さに強いが、
僕はからっきし駄目。
お兄ちゃんと、土間に寝そべって
お腹を冷やす毎日。
お寺ではクーラーの設備はあるのだけども
和尚さんが嫌いで、皆辛抱しているのダ。
和尚さん曰く
「夏は汗びっしょりかいて
水をガブガブ・・・・」
がいいんだト。
僕に、「自然児になれ」なんて事を言う。

PM16:00頃だ。
本堂の階段でお兄ちゃんと涼みながら
語り合った。
「お兄ちゃん シャーベットを食いたいなア
昨日、貴美ちゃんが作ったやつを
もっと喰いたいなア〜」
「入道雲がソフトクリームに見えるゼ」
お兄ちゃんは、食い意地が汚いんダ。
その時、下の方でカラアゲが
例の如くけたたましく
俺様を呼ぶ声が聞こえてきた。
「あの阿呆が呼んでるゼ。
ジュン、散歩がてらに行ってみるカ」
「ケコケッー コケッコケッ〜 ケッ〜」
まことに神経質な
カン高い声で走ってくる。
いつもエサをやる和尚さんが
側に近づいても
「コケッー ケッケッ コケー」と鳴く。
「今晩、お前はカラアゲにしてやる」
と、毎度叱られている。
「ジュンちゃん〜 コケッ コケッ〜
ケッケッコケ〜 ケケケ〜 ケッ〜」
長官さんと変わらないくらい大きくなった
ヒヨコのパー子が
「落ち着きのない頭がパーのおじさんネ」
とあきれた顔をしている。
「どうせ 大したことないんだから・・・・」
とチョ子が言う。
スープと手羽先が寄ってきた。
「ジュンちゃん、熊蝉の誕生ヨ。
鎧兜を脱いで・・・・・・ビックリしたワ」
スープが
「私、食べたかったけども我慢したノ」と言う。
手羽先からにらまれていた。
ワシワシワシワシ鳴いている
熊蝉の誕生を僕も初めて見た。

近頃の都会の子供は、
死んで動かない蝉を見て、
「電池が切れてル」と言ったそうだ。
自然と親しむ生活、自然と共生という事を
もっともっと子供に体感させねばと思う。
教室の中の勉強、机の上の学問、
知識の詰め込みで、
子供を教育しようとするから、
情操不安定で、「キレル」
という現象が起きるのダ。
熊蝉の下の方の草むらに
これも見たことのないキノコが生えていた。
卵は産まないけれど、よく喰う「スープ」が
つついてない処を見ると、毒キノコかナ?
それからお兄ちゃんと、
七福神様の前を通って
東門の工事現場に行った。

お陽様にギラギラ照りつけられて、
七福神様もお暑いことでしょう。
今、和尚さんが、寄進者を募集している。
生き別れた、オヤジやオフクロの
幸せを祈って
一体寄進しようかと考えているのダ。
東門の処で、和尚さんの長女の旦那さんが
加勢に来て、地面に穴を掘っていた。
水道のパイプを生けこむそうだ。
ここのお寺は、皆よく加勢に来て頑張る。
和尚さんの人徳というよりも、
口やかましいので
加勢に来るんだと思うのダ。
せっかくの休日に、土方仕事で汗ビッショリ。
使う方も、使われる方も感心ダ。
何事も「人の和」が第一ダ。
郵便局長の徳田さんも、
和尚さんに引っぱり出されて、
加勢に来ているワ。
可哀想・・・。
そばに、氷水に浸された
真っ赤なトマトがあった。
トマトは南アメリカ、アンデス山脈原産の
ナス科のつる性多年草。
日本では一年草として栽培する。
世界中のほとんどの地域で栽培される、
ミネラルとビタミンを多く含む
栄養価の高い食物である。
・・・・・・・以上 受け売りダ。
トマトは血液をサラサラにして、
頭が良くなると言って和尚さんはよく喰う。
僕にも食べなさいと、
しょっちゅう言われるけれども、
僕はキライなのダ。


扉が取り付けられ、いよいよ門らしくなった。
お盆に間に合うように、
最終仕上げが行われるという。
2月に仮本堂の解体作業が始まり、
造園工事から、休憩所、東門建設と
半年間があっという間にすぎた。
月日の流れは早い。光陰矢のごとしダ。
したがって
伝教大師様が
「一寸の陰(トキ) 半寸の暇を惜しめ」
とおっしゃったのダ。
瞬時を大切に、充実させて、たった一度の
やり直しのきかない人生を、有意義に送らねば
ならない。
このことについて、僕も賛成ダ。
蓮華にトンボ。
うだる暑さの中に一服の涼を感じる。
気ぜわしく、多用な、
そしてストレスの多い生活の中にも
自然を楽しむのどかな風情を
大切にしたいと僕は思うのダ。
明日も元気に頑張ろう。

            おわり