〜わが輩はジュンである〜
5月27日 晴れ 

今日は 東門の棟上げだ
クレーン車が来て
材木をつり上げて

組立作業が進められてゆく。

乗用車やライトバンが
ゆっくり通行出来る程の
大きな門だ

鶴原住建さんが、
尊勝院の門に続いて

二つ目の門の建設だ。
事務所の方は手が足りてるので
工事の加勢をしようと考えて
おりて来たが

皆に何か言われそうなので
お兄ちゃんが来るまで 
独りで眺めていた。
お兄ちゃんが来たので 
草を取っている和尚さんに

「僕 加勢したいんだけど・・・・
側に行ってもいいですか?」
と尋ねた

お兄ちゃんは小声で
「ジュンの出しゃばりメ」
と僕をたしなめた。
和尚さんは聞こえぬ振りして
横を向いた

「ネエ 和尚さん いいでしょう」と
繰り返し言ったんだけど
返事がない
お兄ちゃんの悪い癖で、
僕に加勢してくれない。
「和尚さん 僕をあまり軽く見ないで
『一寸の虫にも五分の魂』とか
『一心 岩をも通す』とかいう諺が
あるでしょうが。
僕は九州の白熊と
呼ばれる男ですヨ」と声を荒げて言った。
すると和尚さんが僕の剣幕に驚いたのか
優しい声で
「今日は大きな機械が入っているので ちょっと危険だ。
側で皆の仕事ぶりのカントクをしてくれヨ」 と言う
「お兄ちゃん カントクだって
うれしいじゃないか
行こう 行こう」
喜んでお兄ちゃんと現場に
行きかけたら

和尚さんが「ちょっと待って」
僕たちの首に紐をかけた。
カントクになった熊王様の威厳も
お兄ちゃんの自尊心も 
いたく傷つけられた。
                   

僕たちの心中を知ってか知らずか
サツキは咲きほころび
静けさのただよう浄土院の前庭

あア〜 今日も憮然とした気持ちで仕事が出来なかった。

明日こそ頑張ろう。

             おわり