平成七年八月二十四日
島原市長様
私共「雲仙被災動物を救う会」では平成三年六月の大火砕流以来、飼い主に置き去りにされた動物たちの保護に努めてまいりました。これまでに約600匹の犬や猫を保護し、そのうち約460匹を全国各地の心ある方々に、新しい家族の一員として、余生をお願いしております。
しかしまだ当会では犬猫あわせ百数十匹、仮設施設にて保護しております。当会の運営資金はすべて全国の被災動物を気遣う2500名以上の方々のカンパによって賄われています。
被災当初、島原市衛生課長より『被災者の避難施設近辺に動物たちの保護施設を必ず作る!』とのお約束をいただいておりましたが、結局なんの進展もないまま反古に近い形で現在に至っております。しかしながら私共には伐然鮮明にこのお約束は記憶に残っております。
また被災動物の保護に当たり当会から捕獲器の貸出しをお願いいたしましたが、「処分のための捕獲が忙しい」との理由で断られておりました。つまり島原市では独白に被災動物を保譲するということがまったくなかったばかりでなく、進んで市街地周辺へ逃げ惑った被災動物の多くを殺処分してしまったと言えるでしょう。
これらのことを総合すると、『島原市は島原市およぴ島原市民が当然とるべき責任を放棄し、各地から駆け付けたボランティアの願いをはねつけ続け、ただ全国の人々の善意に甘え、基本的な姿勢としてそのような善意の人々を欺く冷酷な施策のみを行ってきた。』との誹りを免れ得ないものがあります。
そのような時代錯誤の施策には当会といたしましてもまったく納得できないものがあります。ここに今後の動物たちの保護の保証を求めるものとしていくつかの要望を記載し提出いたします。
−、島原市は被災動物の余生を保証するものとして、当会で保護する動物たちの今後
十数年にわたる養育費等を全額負担すること。
−、島原市は当会で保譲する動物たちの今後十数年にわたる保護施設及び保護場所取
得に係わる費用を全額負担すること。
以上。
被災当初は確かに〈動物よりも人間が優先〉ということがあったかもしれません。しかしすでに四年の歳月を経て、もはやそのような理由は社会通念上許されない時期に至つたと言えます。
私たちはすでに、動物や自然を単なる人間の所有物と考え、傍若無人に振る舞うことが許されない時代を迎えています。二十一世紀を目前にして諸外国に日を転ずる時、被災動物に限らず、あらゆる生命ある存在への畏敬を基調とした姿勢と施策には目を見張るものがあります。
これまでの島原市の無為無策とは隔世の感を拭えません。先の阪神大震災においてさえ行政の保護活動とその初動には完全とはいかないまでも評価に値する政策が施されています。
今、ひとり島原市のみが前時代的行政姿勢を守り、暗い過去に生き続けるのかどうか、多くの人が注視しています。島原市長としての責任を果たす英断を期待いたしております。
雲仙被災動物を救う会
責任者 今井 真
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