太郎通信22号(2000.8.1)より
太郎通信の発送がたいへん遅くなりご迷惑をお掛けいたしております。お詫び申し上げます。2月から始まった移転工事のため通信制作の時間が取れず、お詫び申し上げます。今号にて移転工事の進日状況を報告させていただきます。
この半年で、高齢だった犬のかげちゃん、チャチャ、ヒデが亡くなりました。みな17歳から19歳と天寿をまっとうしてくれたように思います。また、幼少の頃から難病の脂腺増生症を患っていた犬のみっちゃんが7歳の若さで亡くなりました。
移転を直前にして、これまでいっしょに苦労してきた動物たちが亡くなっていくのは残念でなりません。ご報告につきましては、紙面の都合で次号早めにさせていただきたいと存じます。
移転工事の近況
工事を始めて早や半年が経過いたしました。これまで、小径木の伐採と片付け、松の伐採と片付け、進入路の整備、フェンス設置場所の整備が完了し、現在は、フェンスの設置、宿舎兼事務所の建築、犬舎猫舎建築地整地、基礎を進めています。来週には犬舎猫舎のほぞ加工された部材が搬入される予定です。電気はすでに敷地まで引き込み済みですが、水道設備はこれから進めてまいります。現在の進行状況からすると完成は9月にずれ込む見直しです。引越しは9月になる予定です。
工事の内容
想像していたよりも建築前の段階が大変で、特に台風対策のための、松の伐採、基礎作りは大掛かりとなってしまいました。雑木に混じってたくさんの松がありましたが、台風で倒れ、動物が犠牲になったり、フェンスが倒壊したりするのを防ぐため、遊び場周辺の松はほとんど伐採致しました。重機を入れて伐採後の松を片付けなければならなかったため費用がかさみましたが、小径木の片付け、フェンス設置場所の整備も重機で行うことができました。新しい施設は標高500メートルの高台にあり、これまでのように大水の心配はありませんが、風の通り道となっているため台風はかなり強いと予想されます。そのため犬舎の床が地面から浮き上がる独立基礎から、平らに地面を掘り下げたブロック基礎に変更致しました。
当初は、工事専門のスタッフを置いて進めてまいりましたが、なにぶん規模が大きく、このままでは遅くなってしまうため、フェンス工事は業者に請負で依頼致しました。このようなことから費用が大幅に膨らみ、再びみなさまにご迷惑をお掛けすることになりました。
工事費用と今後の方針
今回の移転工事では動物たちにのびのびとした環境を用意することとともに、動物たちの安全が確保できること、そして運営費節減が可能な、作業に合理的な施設を形作ることを目標に進めてまいりました。そして、将来的に必要な工事は、二度手間による工事費の余分な出費を避けるため、また上記目標を実現するため、今回の工事で済ませてしまうことを念頭に置いています。一方で、養育費をできるだけ残すため、将来に持ち越せる工事は、多少不完全であっても残し、無理をしないことを心がけています。現在までのところ、動物の生命を左右する台風対策(建築地、基礎の堅牢化、フェンスの堅牢化、松の伐採)は、将来に持ち越すことができなかったため、かなりの費用を充てざるを得ませんでした。また山林工事特有の出費(林道の整備、傾斜地の整地、樹木の伐採等)も予想外にかさみました。そのため、フェンス設置計画を当初の3分の2に縮小致しました。それでもかなり当初予算を上回ることになりました。最終的には2000万円程度の施設建築費となる見込みです。
施設完成後の運営のための残余金を当初は1200万円と考えていましたが,現在400万円に変更せざるを得なくなりました。運営のための残余金が少なくなり、不安を抱えることになりましたが、今後の運営計画を考慮し、完成まで漕ぎ着けることを決断致しました。完成後は、運営費をこれまでの3分の2に削減し、この難局を乗り切るつもりです。
みなさま、どうぞご理解、ご協力お願い申し上げます。
運営費ご支援のお願い
これまで度々のご無理をお願いし、心苦しく存じますが、施設完成後の養育費のご支援をいただければ幸いです。今後しばらくの間、運営が軌道に乗るまでは度々のお願いとなり、ご不快の念をお持ちになることと存じますが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。
(今井)
フードのご援助ありがとうございます
本年1月11日─167キロ、3月1日─314キロ、5月30日─600キロ、6月19日─400キロ、アイムスジャパン株式会社様よりフードのご援助いただきました。いつもながら、多大のご支援誠にありがとうございました。
太郎の友の動物たち
今回の「太郎の友の動物たち」は、めぐみ、きのこ、くるみ、いくみグループ、キュウ、のぶこ、もんこグループ、あかね、なつき、ももたグループをご紹介いたします。めぐみ、くるみ、いくみ、きのこ
めぐみは平成5年6月会で引き取りました。普賢岳に近い仁田峠で商売をされている人が保護したものの、子供たちが大きくなるにつれて手が負えなくなり引き取りを依頼してきました。めぐみと、当時6ヶ月くらいだったいくみ、くるみ、きのこが一緒でした。会に引き取られる前は、一日の内、ほとんどを犬舎がわりの車に閉じ込めていたとのことで、毛並みも悪く、4頭とも本当に不幸な様子でした。保護して間もなくくるみがパルボにかかりましたが、点滴を続け10日後には回復しました。くるみ(来未)の名前の由来は、今後も無事に楽しい未来が来るようにとの想いからその時名づけられました。
いくみは残念ながら、今年の4月バベシアの症状が非常に重くなり、獣医さんでの通常の治療に加え、母親めぐみからの輸血もかなわず亡くなってしまいました。もっと早く症状に気づいてあげられればと申し訳なく思っています。
めぐみ くるみ きのこ きのこはとても身軽な子で、2m以上のフェンスを登ってしまうことと、雷の時パニックになるため、家族と離れ、宿直棟に同居させています。めぐみはとても穏やかなお母さんらしいおおらかな子です。いつものんびりしているせいか、少々肥りぎみです。
くるみは表情がきついため誤解されそうですが、とても甘えん坊でやきもちやきな子です。よく隣近所のグループの敷地に入り込み、メスの中では一目置かれているような感じです。きのこは、くるみと正反対の控え目な子で、争いを好まず、優しい子たちと静かに遊んでいる時が楽しいようです。いくみを失ってしまうことがありましたが、これからも家族一緒に末永く元気にいてくれるよう見守ってまいります。
のぶこ、キュウ、もんこ
のぶこは1992年、島原市内を放浪しているところを保護しました。当時は一才位でしたので、現在9才位になります。身体にマジックでいたずら描きをされながらも、優しくしてくれる人を求めている様子でした。明るく気が強い方ですが、最近は年齢のせいか、落ち着いた性格になりました。少々涙目の傾向がありますが、病気知らずの健康な子です。
のぶこ Qちゃん もんこ キュウちゃんは、同じく1992年、深江町を放浪中保護しました。当時、放浪している被災動物が田畑を荒らすということで、近辺の農家の方と、エサやりをしている町民との間でトラブルがあり、行政の捕獲器が仕掛けられていました。行政よりも早く捕獲しようと私たちも捕獲器を置いていましたが,その時捕まったのがキュウちゃんでした。キュウちゃんは見かけどおりたいへん人なつっこく、優しい性格でした。当時5歳くらいでしたので、現在13歳くらいだと思います。保護以前にフィラリアにかかってしまっていた影響で、昨年からセキをすることがあり、薬を飲ませています。今のところ食欲も元気もあり、散歩を楽しみにしています。
モンコは同じく1992年、生後2ヶ月位の頃保護しました。最初はモンローちゃんだったのですが、成長とともにいつのまにか、モンコと呼ばれるようになりました。気の強い性格ですが、先輩ののぶことキュウちゃんには一目置いているようです。今年の2月頃突然軽い発作が起こり、すぐ獣医さんに連れて行きましたが、先天的器質障害のため根本的治療方法はないとのことでした。深刻な発作ではないので、余命に影響はないとの診断でしたが、今後も注意して育てていきたいと思います。
3頭いっしょの生活もはや7年になりましたので、結束が固く、家族のようにしています。高齢になってもそろって元気に過ごせるよう願っています。
あかね、なつき、ももた
あかねは、なつき、さゆりと共に1993年春、深江町の住民の方が保護したものの、引き取りを依頼してきた子です。当時あかねが5歳、なつき、さゆりが3歳位でした。比較的人なつっこいあかねと違い、なつきとさゆりはひどく怯えており、人間に甘える様子がまったくありませんでした。特にさゆりは人間が近づくと動けなくなり震えが止まらない状態でできれば室内で時間をかけて世話をしたかったのですが、時間がなくて困っておりました。幸い岡山市に私たちに代わって部屋の中で育ててくださる方と縁があり、今は散歩もできるようになり、とても幸せに暮らしています。
あかね なつき ももた あかねはめぐみ同様おっとりした、優しいお母さんのような子です。会で暮らすようになってからは、ますますのんびりした性格になり、少し肥満が気になっています。気の強い女の子たちとのつき合いが嫌いなようで、なつき、ももたと一日を過ごしています。
なつきは、さゆりに比べるとやや人馴れしていましたが、とても散歩できない状態でしたので、早くなついてくれるようにと名付けました。今では抱っこされるのも好きになって、散歩はリードがなくてもできるようになりました。呼ぶと嬉しそうに走ってきてくれるのが私たちのよろこびです。
ももたは1993年、生後2ヶ月位で保護しました。生まれつき神経質な性格で、大勢の子と集団で遊ぶのが嫌いでした。生後6ヶ月ほどで一度、佐世保のご家族にお世話いただきましたが、気難しい性格のためお客さんを噛むようになり、再び会で過ごすことになりました。多感な頃を外で過ごしたため、そっけない様子で帰ってきました。今は、心を許した人といっしょにいる時だけ楽しそうな様子をしてくれます。写真では、神妙な顔になってしまいましたが、実際はもっと若々しくかわいらしい子です。ブラシが嫌いなのがかわいそうです。散歩を一番楽しみにしていますので、引っ越したら環境を整えて、ずっと楽しい顔をしていてくれるようにしたいと考えています。
3頭とも手がかからない優しい子たちですが、控え目にしている分、もっと時間を作って遊んでやりたいと思っています。
(以上 渡部)
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