太郎通信13号(98年3月)より


 厳しい冬も過ぎ、日増しに暖かくなってまいりました。一つ心配が減り、安堵しております。この冬は猫のさざえさんの病死、捕獲犬の死亡と残念なこともございましたが、みなさまの暖かいご支援のもと、おおむねみな元気に過ごしております。ありがとうございます。


フードご援助誠に有り難うございました。

 一月はアイムスジャパン株式会社様より、犬ドライフード1000kg程ご援助いただきました。いつもながら誠にありがとうございました。2月に入りまして、ハインツ日本株式会社様より猫ドライフード4000kg、株式会社シーエイディー様より猫缶詰5kg、3月にはライオン商事株式会社様より犬ドライ100kg、そしてアイムスジャパン様より犬ドライ560kgご援助いただきました。

 誠にありがとうございました。年月の経過とともに、ますます援助も得にくくなってまいりましたが、そうした中でもご援助を続けていただけるメーカーのみなさまには大変感謝しております。


放浪犬の状況

 太郎通信10号でもお伝えしておりました、現在も被災地を放浪している犬たちの捕獲状況をご報告いたします。

 施設移転を前に現在も放浪を続ける犬たちの捕獲に努めておりますが、その後9頭を捕獲いたしました。一頭を除き、人間にはまったく慣れておりませんので、捕獲器により保護いたしました。

 その中の雌2匹はすでに妊娠していることも考えられたため一週間後に不妊手術を実施いたしました。ところが残念なことに一匹は手術後4日目に突然なくなってしまいました。

放浪中に交通事故にあったのか、後ろ片足を引きずって歩いていましたが、その後遺症に手術が悪影響を及ぼしたのかもしれません。これから幸せにしたいと思っていた矢先に、捕獲、手術などの怖い思いのまま死んでいったのが悔やまれます。

 その後、まだ数匹放浪していることが判明しましたので、しばらく努力を続けるつもりです。


移転地探しの状況

 10号でお伝えしておりました移転地探しの状況をお伝えいたします。

 その前に、事情をご存じない方のために移転理由を簡単にご説明させていただきます。

 私どもで移転地を探している理由としては、第一に動物たちにもっとのびのびとした広い場所を与えたいという気持ちがあります。

 第二に、土地の借用期限の問題があります。現在の土地はもともと2年ほどで解決するものと思い、地主さん、近隣の方々に同意いただいておりましたが、島原から引っ越してきてはや7年目となってしまいました。地主さんには移転地が見つかるまで待っていただくようお話ししています。

 第三に、近隣への鳴き声の問題があります。隣家まで150mと近く、これまで苦情などはありませんが、問題にならないうちに自主的に解決したいと考えています。

 第四に、簡易施設として建築したため、老朽化も早く、立て替えが待たれています。いずれ建て替えるなら動物に快適な、作業効率のよい合理的な施設を建築したいと考えています。

 第五に、広い土地があれば、今後の運営の課題である運営費削減が可能となるのではないかと考えています。現在一ヶ月の運営費が約150万円かかっておりますが、そのうち人件費が90万円と大きな比率を占めております。もし、散歩をやめても十分楽しく遊べる広い場所があれば、人件費も年間にして500万円近く削減できるのではないかと考えております。

 フードひとつ取ってみても、時の流れとともに協力が得にくくなり、いつの間にか厳しい状況に直面しています。今後ますます運営は逼迫していくものと思われます。将来を見据え、今のうちにできることはやっておきたいと考えています。

 その他に、現在の施設も不便なところが多く改善が必要になっています。宿直している小屋は12畳と屋根裏がありますが、いじめられる犬や病弱な犬猫を部屋に入れているうちにいつの間にか、夜は犬35匹、猫15匹となってしまいました。外に遊び場を作ろうにも、土地もなく、うんこ、おしっこの片づけだけでも労力が大変です。

 散歩道が生活道路を通るため、車や人の行き来に神経をすり減らしていること、周辺は田畑が多く、安心して散歩させることができないことなど、動物の世話を通して初めて実感できる不便が数多くあります。

 これらの改善点を考慮し、これまで各地を探してまいりましたが、ようやく適地が見つかりました。2月25日には一番近い集落のみなさま6件と役場にご挨拶にうかがい、ご検討をお願いしてまいりました。

しかし、残念ながら結果は「動物の糞尿で地下水の汚染のおそれがあり、全面的に反対である」とのお話でした。高い尾根をはさんで400m、音響試験の結果鳴き声はまったく響きませんでした。

糞については、毎日集め焼却又は土に埋め堆肥化していることをお伝えしておりましたが、ご理解いただけませんでした。現在、<動物の糞尿と地下水汚染>のデータを収集し、話し合いに移るかどうか、検討中です。


猫の生活

 猫舎は、二つのプレハブに30匹づつ生活しています。それぞれ10坪と30坪ほどの遊び場を設けて、室内と室外自由に行き来できるようにしています。室外はすべて、側面はフェンス、上は網を張り犬に襲われたり、外に出ないようにしています。

 プレハブは老朽化し、ようやく暑さ寒さ、雨風がしのげるという状態です。時々、雨漏りなどしますが、新しい施設が出きるまではと我慢しています。

 冬はセラミックヒーターとホットカーペットで暖をとっていますが、電気代が5万円もかかり、移転後は改善が必要です。

 もうひとつのグループは、宿舎に15匹で、4坪ほどの狭い遊び場となっています。

 病弱な猫は宿舎に連れてきて看護しています。

 いずれもこのままでは狭くて可哀相なので、移転後はそれぞれ100坪ほどの遊び場を作りたいと考えています。

 普段天気がいいときは、のんびりとみな外へ出て日向ぼっこをしています。プレハブの屋根の上がとくにすきで、こういう姿を見ると私達も安心します。

 最初慣れなかった猫も静かな生活の中で徐々に温和になってきました。猫の場合、被災動物は少なく、3割程度でしょうか。

 施設の前に段ボールに入れられて捨てられていた猫も保護しますが、ほとんどは健康状態が悪く、後々猫エイズ、腹膜炎などを発症する猫もいます。現在も5匹ほど、猫エイズの対処療法を続けています。治療法の見いだされていないこれらの病気に今後とも悩まされるかもしれません。

 また動物を保護している方々からお願いされ、受け入れた猫たちもいます。しかし、最初は「養育費はもちろん、私達にできることは何でもします」と言っていた人たちも、2ヶ月もすると音沙汰がなくなります。現在では、どのようなお話でもお断りせざるを得なくなっています。


さざえちゃん

 さざえちゃんが、1月15日、病気のため亡くなりました。昨年12月31日より点滴を実施しておりましたが、一進一退の状態で、一時は持ち直すかと思いましたが、残念でした。点滴で二週間がんばったさざえちゃんの死に顔は安らかなものでした。

 私どものところで6年以上過ごし、来たときにはすでに成猫でしたので、少なくとも8才以上、10才ぐらいだったかもしれません。メスにしては体格が大きく、風格のある猫でした。

 非常におだやかで、他の猫とけんかしたこともありませんでした。いつも静かに私達の活動を見守っている眼差しが忘れられません。

                      1998/3/14   今井


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