太郎通信10号(97年9月)より抜粋


 日頃より大変お世話になっております。 今回は神奈川の浅田様より「雲仙被災動物を救う会、太郎の友」が、どういう所で、どんなスタッフ、ボランティアで運営して、これからの運動や展望や要望など通信文の中でお知らせ頂ければ、もっとそちらの事が身近に感じられるのですが」とのお手紙をいただきましたので、近況と今後の方針をお伝えしたいと思います。


近況 
 現在、被災動物を救う会では、犬130匹、猫80匹を保護しております。有家町の農業地域の元ミカン畑1200坪ほどを年12万円ほどでお借りしています。

 2名の運営スタッフと6名のお世話をしていただくスタッフ計8名で運営しております。全員専従スタッフとして時給600円、7時間勤務となっております。夕方から朝までは運営スタッフがボランティアとして宿直し管理しています。

 犬は、数匹を除いて、つながないようにフェンスで敷地を20に区切り、相性のいいグループでできるだけのびのびした環境を作るよう努力しています。広い遊び場で遊ばせるグループと散歩に出かけるグループがあります。周辺が畑ばかりで散歩コースが限られていることが残念です。

 猫は3つの建物に分け、それぞれフェンスと網でおおわれた遊び場を設けています。

 日常の作業としては、朝8時から犬の散歩が始まり、犬舎、猫舎の掃除、動物の食事、施設の補修、増設、健康管理、獣医さんでの診察、治療、不妊・去勢手術、事務、被災地の餌やりと捕獲などがあります。例えば、健康管理では、シャンプーやブラシ、カット、のみ・ダニ・寄生虫の駆除、フィラリアの投薬、ワクチンの接種、病気の動物の投薬や世話などの作業があります。

 日常的に様々な問題が生じるため事務作業や今後の活動に必要な準備が遅れています。
 
 行政からの援助はなく、すべてカンパと会費で賄われています。1万5千名の署名を添え、要望書なども提出しましたが、長崎県、島原市ともに理解がなく、援助は得られませんでした。

 今年3月まで続いていたペットフード工業会のペットフード援助もうち切られ、現在は各ペットフードメーカーに直接援助を交渉しています。幸い、犬のドッグフードはアイムス・ジャパン様より援助を続けていただいておりとても助かっています。その他、フリスキー様、味の素ゼネラルフーズ様、日本ペットフード様、ペットライン様からも援助が寄せられています。またヒルズ・ジャパン様からは今回限りということでしたが、ご援助いただきました。

 在庫がなくなった時点でまた他のメーカーに交渉し、必要な分量を確保するという作業が続いています。


今後の課題
 今後の活動は、現在保護している動物、今後保護する動物を最後まで看ていくことに全力を注ぎたいと思います。これまでは里親探しが主となっておりましたが、余生を看ていかなければならなくなった現在では、遠隔地の里親さんとしての「太郎の友」会員さんの募集を積極的に進めていきたいと思っています。

 また、余生を看ていくための課題の一つとして、近隣に迷惑をかけない、動物たちのより広々とした場所の確保、合理的な施設にするための移転を計画しています。しかしなかなかいい土地にめぐり逢えないためのびのびになっています。これまで熊本県矢部町、清和村、阿蘇町、南小国町、小国町、大分県玖珠町、湯布院町などを探してきましたが、もう一歩のところで様々な事情でダメになってきました。

 私達の探している土地の条件が厳しく候補が少ないため、今後も難航しそうです。6000坪(2ヘクタール)以上で都市計画区域外の山林、原野を探しています。約2000坪ほどはほぼ平坦地が必要です。1キロ以内に民家がなく、飲み水、電気、進入路が確保でき、獣医さんへ車で30分以内で、周辺に畑や家畜飼育施設がなく、車の通る生活道路に面していないことなどが立地条件です。

借地の場合は年20万円ほど。購入の場合は坪当たり800円未満を考えています。(購入費用は有志持ち寄りです。)このような条件で有家から4時間以内のところでお心当たりがありましたら、ご連絡いただければと思います。

 現在のところ余裕がなく、取りかかることができませんが、日常的に必要とされるものは関連メーカーへの寄付を呼びかけ、極力運営費用を抑えていくつもりです。移転が実現し、合理的な施設が出きればそうした余裕も生まれるものと期待しています。

 現在直面している最も重要で気が重い懸案として、まだ被災地を放浪している動物の保護があげられます。

 ここ数ヶ月で被災地の放浪犬を35匹ほど捕獲いたしましたが、現在もまだ10匹ほど放浪しています。警戒心が強くなかなか捕獲できない中、一日おきの給餌は続けています。施設が狭く、スタッフも少ないため、仮に保護しても目が行き届かないのではないかと思案に暮れておりましたが、建築用のユンボの購入を機に施設を拡張し、半年前から積極的に捕獲しております。

 小さな捕獲器では逃げられてしまうため、8畳ほどの大きな捕獲器を作成し、車を横付けし、人間が触らなくても車に追い込めるようにしています。しかし、捕獲器に対しても警戒心が増し、困難が続いています。さらにこれまでの捕獲器の場所がすべて埋め立てられてしまったため、捕獲器の場所を移し、新たに作らなければならなかったため、2ヶ月間休止状態となってしまいました。

 現在は新たに捕獲する10匹のために保護施設の整備を進めています。これらの放浪犬が保護できた時点で、被災動物の新たな捕獲が終了となりますが、本当に捕獲できるのかどうか不安です。場合によっては途中で捕獲の打ち切りとなるかも知れません。


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