太郎通信9号(97年)より抜粋
たいへんご連絡が遅くなりました。6月20日、愛ちゃんが死亡いたしました。私どもの不注意により、馴染みのない犬たちに噛み殺されてしまったことが原因です。
比較的最近保護した被災地の放浪犬20匹のための遊び場として200坪ほど新設いたしましたが、時間をくぎって他の動物たちの遊び場としても兼用しておりました。その動物たちを移動させる際、愛ちゃんが残っていることに気づかず、そのまま放浪犬を開放し、翌朝発見するまで気づかなかったためこのような事態にいたりました。
愛ちゃんの里親様をはじめ、ご援助をいただいた皆様にはお詫びのしようもありません。これまで多くのボランティアの方々、会員の方々にお越しいただき、動物たちの様子について、暖かいお言葉をいただいておりましたが、皆様の信頼を裏切る結果となり、本当に申し訳なく思っております。
自信を失ってしまいましたが、今後このようなことが二度とないように確認を徹底してまいりたいと思っています。
愛ちゃんは私どもの元へ来て5年になりました。年齢は不明ですが、7歳から10歳だったと思います。島原の施設で3年半を過ごし、有家の施設に移って1年半になりました。他の動物たちに遅れて今の施設にやってきました。おっとりとした優しい性格で、その名の通りスタッフ全員誰からも愛されておりました。
他の動物と馴染めなかったため、散歩の時以外は家の中に入れておりました。狭いながらも他の臆病な犬20匹、病弱な猫15匹といっしょに、のんびりと寝そべっておりました。私達の朝食の時はパンをねだり「自分のところまで持ってくるように」と少し離れて、慎ましくもしっかりと私達に指示しておりました。そのためか最近ではふくよかな姿となっておりました。
どういうわけか、私のことを一番気に入ったようで、散歩の時、他の犬を連れてすれ違うと、姿が見えなくなるまでいつまでも私の方を振り返ってみておりました。最近ではそれが可哀相なので、途中で放してもらい、私の後にとことこついてきておりました。のんびりとして、生き生きとして笑顔をたたえておりました。
その優しい姿がもう二度と見れないかと思うと悲しくて仕方ありません。愛ちゃんが苦痛と恐怖で助けを求めているときに、助けにいってやれなかったことを悔やむ毎日です。
今井 真
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