阿蘇神社の楼門で山下洋輔月夜に叩く
2006.8.3
阿蘇神社の楼門でジャズ。
神秘的な阿蘇の山々に囲まれジャズの音色で神々を癒すのか、と思ったら山下洋輔。
これは阿蘇八百万(やおよろず)の神々と洋輔おじさんのバトルなのか。
阿蘇神社のある一の宮町。
豊富な湧水こんこんの町らしい。町内各所には湧水が自由に飲める水基(みずき)があり、どうやら水基巡りを観光の目玉にしている模様。各ガイドブックにも協力プッシュして載っている。
雄大な阿蘇の山々、どーんと鎮座いたして阿蘇神社、地域にまつわる民話と水基。
なんと良いところじゃないですか。
でも、水基の点在する商店街は看板だけ雰囲気作ってるけど、お店の中身は従来の寂れた風情のままってとこが多い。
第一、買うものがない。せっかく来た観光客も、これじゃねえ、お金使うとこがないでしょ。
申し訳程度に民芸品おいててもだめでしょう。
もっと商店街のお店が充実するとこれからの注目スポットになること間違いなし。阿蘇神社楼門コンサートみたいないい地域の手作りイベントもあるんだしね。
阿蘇神社楼門コンサート
山下洋輔ニューヨーク・トリオ ゲスト:川嶋哲郎
2006年8月3日 阿蘇神社楼門にて

山下洋輔(p)
セシル・マクビー(b)
フェローン・アクラフ(ds)
川嶋哲郎(ts, ss, fl)
19時開始なのに2時間も前の17時開場。変だと思ったら、どうやら主催者の中心らしい居酒屋山頭火さんのバンドが前座。屋台テントも出て、お祭りムードが盛り上がってる。どうも地元バンドが前座やりたさに山下呼んだなんて気配も(冗談です・笑)、ま、楽しんでやってるんだからいいや。
こういうまったりムードのなか昼間の暑さが徐々に夕暮れの風に吹き消されていく。
馬コロッケ 冷やし汁
それにしても洋輔おじさんは闘ってるなあ。
ちょっと昔、地域にコンサートホールもない、もちろんグランドピアノもないという地元の音楽事情。ジャズ好きが集まってやっとこさ買ったヤマハのG3。文字通りじーさんのピアノであるが、山下洋輔さんになら弾き壊されてもいいという主催者の思いを汲んでか、がんがんががん、と弾いていく。
フリージャズがどうたらなんてまったくわからないけど、ソロの応酬は相手の反応を楽しんでるようでもあり、闘ってるようでもあり。
川嶋さんのサックスがこれまた熱い。前へ、前へとのめりこんでいくようだ。
フルートはまるで尺八のように響かせる。神社の楼門という舞台に不思議な空間が広がる。
山下洋輔さんはにこにこと川嶋さんの演奏を見つめる。おお、そうきたか、ほうそうかそうかとでもいうような音の応酬を心から楽しんでいる様子。いや、でも本当に楽しそうに見つめてました。
途中休憩をはさんでの2部構成。
アンコールはマイフェイバリットシングス。山下さん曰く、「世界一速い」。
この曲、いろんなコンサートでアンコール曲に使われてるのを聴きます。(liveimageでも定番ですね)

あっとういまの約2時間。
夕暮れのステージはいつの間にか月夜に変わり、とってもかっこいいおじさんたちの音の饗宴も幕を閉じました。
ああ、ジャズってかっこいい。
開場前、阿蘇神社の楼門にピアノやドラムがセッティングされてるのをみて、なんかすごいなあと、身震いし。
開場して、舞台右手の屋台テントにあっけにとられ、いかにもジャズ通といったかんじのおじさんやら、浴衣の子どもやら、はじめてコンサートを聴きますといったかんじのおばあちゃんなんかをみて、地域あげての手作りコンサートっていいなあとしみじみ思い。
夕まぐれの阿蘇神社を背景に山下洋輔ニューヨークトリオの登場を待ちながら、神々の降臨するジャズライブを想像し。

月清か 神々舞ひぬ 音に酔ひ    お粗末!
reported by miyashu
風に吹かれて