ゆふいん私のお気に入りスポット、「ゆふいん麦酒館とイビサ」by Mie

 

秋晴れの素晴らしい日曜のお昼、私たちの大好きな湯布院へ行きました。湯布院へ近づくにつれて、山の木々が少し黄色くなってきているのが見られます。谷あいの小さな田んぼはすでに稲刈りを終えています。川と線路に挟まれた道路をくねくねと曲がって車は走ります、やがて、パッと視界が開けて目の前に由布岳が見えました。雲一つ無い空に頂上が二つに分かれた独特の姿で立っています。和服のすそ模様のように山すそに固まってある集落が由布院温泉です。

今日は、ホテル山水館の小野会長さんに、会うためにやってきました。私たちのアメリカ旅行の記録をいつも読んで下さっていたそうで、特にカーメル、モントレーの所に共鳴したとわざわざメールを下さった、私たちが、いつも行くゆふいん地ビールの麦酒館を小野さんが作られた動機がカーメルにあると伺って、もっと詳しいお話が聞きたいなと思っていました。

日曜日のお昼は、人と車の溢れた湯布院です。駐車場に困るのではないかと小野さんは、約束の時間に外で待って下さっていました。早速、麦酒館に案内をして頂きましたが、満席の上、待ち人がたくさん行列をしています。ここでは写真だけ撮らせて頂いて、ホテルのロビーでお話をしました。

麦酒館を作るきっかけになったというカリホルニア州のカーメルは、俳優のクリント・イーストウッドが市長さんだったことで有名、美しい花の溢れたリゾート観光地です。またモントレーは海の側の美しい観光地、そのことを知って小野さんは矢も盾もたまらず一人で飛んで見に行った。予想に違わず素晴らしい所だった、特にカーメルのショッピングセンターの素晴らしいこと、そこには絵画を売るギャラリーをはじめいろいろおいしい食べ物のお店もあえい観光客、町の人が一緒になって楽しめる憩える所だった。

これだ!こんな所がゆふいんに欲しい。今度は観光協会の人たちと一緒に視察に飛んだ。皆さんもこんな所が欲しいと同じ思い。山水館の改装に合わせて、そんな場所を作りたいということで、この麦酒館が出来たと言われた。毎夕、一杯のゆふいん地ビールと枝豆を楽しみに来られる地元の方がある、とうれしそうな小野さんでした。

私たちは、麦酒館での食事を諦めて、今度はイビサに行く。青空に映える白い壁、この一角はちょっと不思議な空間、レストラン「イビサ」です。オープンのパン釜から丁度、大きなパンが何本も焼きあがった所でした。バンダナを巻いた若いパン職人が大きなざるにパンを移している、香ばしい香りが辺りに漂っています。スペインで見たパン焼き釜をそのまま真似て作りましたよ、薪をくべるのですよ、職人さんが釜を開けてくれました。炎を上げて薪が燃えています。道理で、あたりには一杯薪が積み上げてあるのです。今日はこのパンも食べられる筈。

イビサ、変わった名前、いつも気になっていました。今日はこのイビサを作られた小野さんからいろいろなお話を聞くことが出来ました。

イビサとは、スペインの西にある小さな島の名前、とっても素敵な所なのだそうです。しかし、少し悲しい歴史も秘めていて、、、昔、ヨーロッパ中の王族、貴族の子弟で体が不自由だったり、精神を病んだりしている人たちが、社交界を離れて暮らす場所、それがこの島だったという。

本国からはいろいろなものが船で運ばれてくる、しかし海の荒れる時には何日も船が通わない、そこで、ヨーロッパ中の最高の材料と最高の技術を集めてハムやソーセージを作るようになった。それが、この島独特の優れた製品になっている。そんな中で人々は芸術や文学を語り、独特の雰囲気を醸すようになっていった。こんなお話を伺うことが出来ました。

その島の雰囲気に魅せられた小野さんは何度か通い、島のあちこちを見て回り、気に入った古いタイルや食器を買い、持ち帰った、そしてそんな古いタイルやお皿を装飾に生かした、このちょっと不思議な雰囲気のイビサが生まれたということです。

そんなお話を伺ってお店の中を見渡してみると、また何ともいえない雰囲気が漂ってきます。ホール、半地下の穴蔵のような部屋、そして天井裏の雰囲気を持った二階。何と言っても素敵なのが、馬蹄形をしてホールに張り出しているオープンキッチンです。

白いタイを結んだシェフが、大きなパエリア鍋を覗き込んでいます。その上からはブタのモモの大きなハムや、黒いフライパンがぶら下がっている。壁にはもっともっと大きなパエリア鍋が太い鎖で架けられている。このパエリア鍋はスペインで見つけ、一目で気に入って縄をかけて、友達と二人で担いで日本へ持ち帰ろうとしてオランダまで何とか持ち帰ったけれど、そこでとうとう飛行機にも入らなくて、荷物にして送ることになってしまった。「何とかして自分の手で持ちかえりたかった、、、」と茶目っ気たっぷりの小野さんです。

昼食の時間を大きく下がってしまっている今、私は早くこの大鍋のパエリアが頂きたい。壁がそのままベンチになっているそんな穴蔵のような席に座って、待ちました。頭の上の小さな明かり取り窓から、秋の日がやわらかく差し込んでいます。まずは、麦酒館で作られている「ゆふいん地ビール」を頂きました。ホップの香りが口中に広がって、何とも言えないおいしさです。

トマトの爽やかな味のスープ、パリパリとしたサラダ、パイナップルのソースとしっかりしたお肉の組み合わせがおいしい鶏肉料理、やがて運ばれてきたパエリアは、彩りも鮮やかでいかにも食欲をそそります。きっとスペインの青い空に負けない色彩だと思いました。口中に広がるふわっとした香り、ふっと大きなパエリア鍋を引きずるように担いでいる小野さんの姿が目に浮かんできて、余計においしい!と思いました。

それにもまして、小野さんのゆふいんを思う熱情のあふれるお話のあれこれ、おいしいお食事というのは、素敵な仲間と食して始めてそのおいしさが生きてくると再確認しました。

ゆふいん山水館グループ 〒879-51 大分県湯布院町 0977-84-2101(代)