平成23年3月 第1回定例県議会 一般質問

3月議会 一般質問 

梶原九州男

はじめに
 私は、15歳で社会人になりました。今年で64歳でありますから約50年、49年間働いてきた事になります、そのうち24年間が議員生活でありました。田舎生まれの私にとって、この24年間の議員生活は、大変貴重な素晴らしい人生経験であったと思っております。この間御指導いただきました、県民の皆様方、知事はじめ執行部の皆様方、先輩・同僚議員各位に心からお礼を申し上げます。本当に有難うございました。
 少しだけ時間をいただいて振り返ってみたいと存じます。市議会議員時代3期、11年と9カ月別府で務めさせていただきました。市政を市民に開かれたものにしたい、もっと身近なものにしたい、そんな思いで取り組みをしてまいりました。そして、県議会議員として3期12年、多くの皆様方に支えられて、無事に任期を全うしようといたしております。この12年間は、私にとっていや政治全体にとって、大きな変革の時期であったと思います。時代の先行き不安と、閉塞感の中で国民の皆さんが選択したのは、政権交代でありました。何回も申し上げましたが、政権交代は目的ではなく、新しい国民本位の社会を創るための手段であったと思います。 
 政権交代なった今、いろいろなところで問題や課題が派生をいたしております。これは、政権与党の責任も大きいものがあるでしょうが、物事を変える時、特に時代が変わるときには、必ず起きる現象と言ってよいと思います。問題なのはこの危機をどのように知恵を出して乗り切るかであります。
 私は、昨年の9月議会で質問をしたときに、工業社会から知識社会へと変わろうとしていると申し上げました。そして分かち合いの社会にならなければと申し上げたところであります。これは、神野直彦先生の書を引用させていただきました。今回その続きを述べさせていただきます。
 「危機を乗り越えるには改革が必要である。危機を乗り越え、より人間的な社会を築くために行動しようとすれば、必ず歴史的反動と戦わなければならない。改革とは現状を否定する事である。この現状の否定は二つの方向がある。一つは暗い過去に引き戻すように現状を否定することである。もう一つは未だない、より人間的な未来を目指す方向である。」と述べておられます。
 そして、「危機の時代という歴史の曲がり角で、こうした知識社会へハンドルを切っていく政策的戦略は次の戦略が基本となる。
 第一の基本戦略は、人間の人間的能力を高めることである。つまり、社会の構成員の人間的能力を高める教育的投資が重要となる。
 第二の基本戦略は、人間に健全な生命活動を保証することである。人間に人間的能力が高まったとしても、それは人間の生命活動が健全に機能して初めて意味がある。つまり、人間的能力を高めてみても、健康でなければ砂上の楼閣である。
 第三の基本戦略は、社会資本の培養である。社会資本とは人間と人間との信頼の絆である。すなわち、社会の構成員同士が信頼し合える絆を育てる事が必要である。」と述べておられます。
 さらには、「新しい時代を形成しなければならない歴史の曲がり角で必要なのはスピードではない。歴史の曲がり角では、進むべき道を間違えないように、車を止めてでも地図で目的地と現在地を確認する必要がある。
 改革にはスピードが求められるというヒステリックな主張は、邪な利益の為に誤った方向に進むことを促しているにすぎまい。歴史の曲がり角での改革の合言葉は「冷静に落ち着いて」である。必要なスピードはたかだか、舵を切るために必要な最低速度である。」とも述べられております。
 今やらなければならない事は、政治家は勿論のこと、国民の皆様の声を聞き協働しながら、新しい時代の新しい国づくりに向けて、心を一つに取り組む事だと思います。
 与党とか、野党とか国民にとってはどうでもよい事ではないでしょうか。私たちは、本当の意味で国民の皆様方の、いや県民の皆様方の思いを政治に反映できているのでしょうか?この政権交代なった事をきっかけにもう一度考え直す時ではないででしょうか、
 翻って、私たち県議会は二元代表制の一翼を担っている事の、自覚と誇りを持って行動が出来ているでしょうか?私は、引退するにあたって、大変おこがましい事ではありますが、一言考えを述べさせていただきます。それは、議会の一方の役割である行政施策のチェック機能の強化が、政策提言にもまして必要があると感じます。議員同士の議論・討論や、知事が提案する施策の検証、評価など議員個人としてではなく、議会の意思としてチェックをし、意見提言する事が求められていると感じております。今、全国各地で首長のパホーマンスが目立っており、議会が押されてばかりのように見えます。地方自治法での二元代表制の思想から遠いものに感じられます。これは、議会が総与党化しチェック機能が上手く働かなかった事の表れ、といってもよいのではないでしょうか。 

 今こそ、議会は議員それぞれの資質を高め、地方自治法の趣旨に則り、二元代表の一翼を担っている事の、自覚と責任と誇りをもって首長に負けないパホーマンスを実施していただきたいと思います。
少し余分な事を申し上げましたが、以上前置きして質問に入ります。

最初に

1、      地域主権改革と九州広域行政機構について

 今、地方の姿が大きく変わろうとしております。意識改革を含め取り組みを急がなければならないと思います。

 地域主権改革については、新政権はもとより旧政権時代から、地方が要望してきたものであります。私は、昨年の9月議会においても質問をいたしましたが、引き続き質問をさせていただきます。

 昨年12月27日に国の地域主権戦略会議が行われました、この地域主権戦略会議のメンバーは、菅総理を議長に片山総務大臣他関係大臣、地方側から上田清司、橋下徹両知事、その他北川正恭、小早川光郎、神野直彦、前田正子の各氏も参加しております。1、国の出先機関改革 2、補助金の一括交付金化 3、義務付け・枠付けの見直しについて、論議がされております。

 まず、国の出先機関改革アクションプランでは、出先機関の事務・権限をブロック単位で委譲する。その為の法整備を行う。その際1、広域実施体制の在り方、2、事務・権限移譲の在り方、3、職員、財源に係る措置の在り方、4、スケジュールについてなど具体的に提案され、検討されております。

 次に、補助金の一括交付金化についてでありますが、ひも付き補助金を一括交付金化するものであり、地域自主戦略交付金という名称になっております。3兆2900億円余りの投資的事業があるうち、平成23年度5120億円を内閣府に一括計上しようとのことであります。平成24年度はこれを1兆円規模まで拡大する事になっております。

 次に、基礎自治体への権限移譲及び義務付け・枠付けの見直しについてであります。基礎自治体への権限移譲については、48法律について都道府県の権限を市町村へ移譲する法案が今国会に提案される予定となっております。例えば、未熟児の訪問指導、都市計画決定、家庭用品販売業者への立ち入り検査などがあります。また、義務付け・枠付けの見直しについても、163法律の見直しが、今国会に提案される予定となっております。

 知事は、昨年の第四回定例会において、近藤議員の質問に答えて、地域主権の実現に向けた取り組みは遅々として進んでいないというふうに思いますと答えております。

 しかし、その後先ほど紹介しました地域主権戦略会議の中で論議された内容を受けて、ある委員はこのように言われております。即ち「一括交付金はある意味革命的な制度改革であり、義務付け・枠付けの見直しについても大幅前進で高く評価したい。しかし、出先機関改革はちょっと生煮えで、事ハローワークに関しては、移管がないので遺憾。」と。私は、必ずしも国の改革が進んでいないというふうには、捉えておりません。

そこでいくつか質問をいたします。

 (1)地域主権改革への対応について

 まず、これらの地域主権戦略会議の論議経過を受けて、県がどのように対応しようとしているのか伺います。

(2)九州広域行政機構について

 また、国の出先機関改革の中で、地方の受け皿の問題が論議されておりますが、九州はいち早く広瀬知事を会長とする、九州地方知事会で九州広域行政機構(仮称)を創るべく国に要望したところであります、その事は高く評価したいと思います。その後、去る2月17日には知事が地域主権戦略会議の中のアクションプラン推進委員会で、九州広域行政機構(仮称)骨子(案)について説明されております。その内容と、今後どのように取り組みをしていくのか伺います。

2、      市町村合併と権限移譲について

 次に、市町村合併が行われて、5〜6年がたとうとしております。県は、大分県市町村合併支援プランを策定し、合併支援本部を中心に、いろいろな取り組みを行っているところであります。この合併支援プランは、大きく分けて、?旧合併特例法に基づく新市に対する支援、?合併特例法に基づく合併実現に向けた支援からなっております。つまり、合併をした市と合併をしなかった町村への支援からなっております。

 一方国は、先ほど述べましたように、国の地域主権戦略会議の中で、基礎自治体への権限移譲を行おうといたしております。

 そこでいくつか質問をいたします。

(1)市町村合併後のフォローアップについて

 まず、市町村合併後の問題点のフォローアップは、どのようにしているのか、昨年2月には合併市町村へのアンケート調査を行い、結果をまとめて発表されましたが、その際課題となっているものについて、その後の対応について伺います。

 (2)市町村支援プランの進捗について

 次に、合併支援プランの実績は上がっているのか、例えば合併推進交付金の活用状況はどのようになっているのか伺います。

(3)市町村への検眼移譲について

さらに、国の法律改正で権限移譲が、加速されると考えますが、県と市町村との間には、権限移譲に関する協議の場があるようですが、具体的にどのようにして、市町村への権限移譲の協議はされているのか、また、権限移譲は順調に進んでいるのか伺います。

3、      第一次産業の振興について伺います。

 (1)農林水産業の振興について

次に、第一次産業の振興について伺います。

 一次産業の振興は、大分県にとっては最優先課題として捉えなければならないと考えます。農業、林業、水産業それぞれの発展振興こそが大分県の将来を左右すると言っても過言でないと思います。

 県は大分農山漁村活性化戦略2005を作成し、目標年次を2010年として取り組みをしてまいりました。農林水産業出荷額目標2000億円を掲げ、平成20年実績で、1,907億円まで伸ばしてまいりました。達成率(基準年から20年の増加額の目標年と基準年の差額に対する比率)は約20%であろうと思います。しかしながら基準年18年に比べて20年度は、園芸、畜産、木材生産、海面漁業、海面養殖業いずれも下回っております。わずかに栽培キノコ類だけが、基準年を上回っております。これらの現状を見ますと、目標達成はきわめて困難と考えます。そこで、目標年は今年で終了するわけでありますが、今後の一次産業の振興策についてどの様に考えているのか伺います。

 (2)林業の振興について

 また、農業、漁業いずれも重要でありますが、特に林業の振興策について伺います。

 まず、人の面で見てみますと林業従事者は、昭和45年3099人いたものが平成17年では1362人で、しかも65歳以上が約30%を占めております。生産が増えている、シイタケ栽培者についても、乾し椎茸生産者、生椎茸生産者いずれも減少傾向であります。また、県民の森利用者数も平成10年308千人だったものが、平成19年は175千人まで減少いたしております。

 このように、林業従事者も森林利用者も統計で見る限り、減少いたしております。

イ、      これは、森林の持つ機能について、県民周知がうまく行なわれていないのではないかと考えますが、他に原因があるのでしょうか。伺います。

ロ、      森林整備の推進について

 木材の供給は勿論でありますが、森林の持つ二酸化炭素吸収源としての役割をはじめ、人々を癒してくれる機能、水源を涵養する災害を防ぐ機能など、多面的な機能についてもっともっと、県民に周知をし、森を県民皆なで守ることに取り組むことが大切と思います。そのためには森林整備のための公共事業はまだまだ必要で、今以上に整備を進める事で森林機能の回復はもとより、森を守ろうとする県民も増えてくるのではないかと考えます。当局の考えをお聞かせください。

以上で通告による質問は終わりますが、
最後に、議員を退任するにあたって、ノーベル文学賞に輝いた、文豪川端康成氏のことを振り返り終わりとします。川端康成先生は自ら命を閉じた事は有名であります。その前後の文脈や評論から、「老醜をさらしたくない」という、思いが強かったのではないかと言う、趣旨の事がいわれております。

私は、勿論川端康成先生には及びようもありませんが、自らの身の処し方は参考にさせていただきました。

以上で、わたくしの最後の質問を終わります。

御清聴ありがとうございました

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