平成23年3月8日(火) 第1回定例県議会 一般質問 答弁

地域主権改革への対応について(知事)

地域主権改革については、全体として当初の期待が大きかっただけに、現状を見ると期待はずれの感は否めませんが、いくつかの点については、一歩前進と言うべき部分もあります。

まず、補助金の一括交付金化については、各省のひもつき補助金を廃止し、地方の自由度を高めるという主旨で、地域自主戦略交付金5,120億円が平成23年度政府予算案に盛り込まれました。金額的にはまだまだ小さいと思いますし、9割が継続事業に基づく配分とされていますので、本県でも現時点では継続事業に支障のないよう計上するにとどまっています。国が執行状況を点検するとい

うこともあり、本当に自由度が高まるのか疑問なところもありますが、地方にとって、より使い勝手の良い制度となるように期待しています。

義務付け・枠付けの見直しなどについては、関係法令を整備する法律案が、国と地方の協議の場に関する法律案などと合わせ、いわゆる地域主権関連三法案として、1年前、国会に提出されたところですが、地方の再三の要請にも関わらず、未だに成立していません。

県としては、義務付け・枠付けの見直しに伴う条例整備に向け、1年前から準備を進めており、法案が成立して政省令が示されれば、直ちに対応できる体制は既にできています。法案を早期に成立させ、その上で更なる分権を進めていただくことを期待しています。

出先機関の原則廃止については、ハローワークを都道府県に移管するよう求めていたにもかかわらず、アクション・プランには反映されておらず残念です。一方、受け皿となる広域行政機構を作って、今の出先機関の事務、権限、財源、人員を丸ごと受け取るという九州の案がアクション・プランに反映されたことは評価したいと思います。プランの中で具体的なスケジュールも示されましたので、きちんとした受け皿としての九州広域行政機構の設立に向け、今後もしっかり準備していきたいと考えています。

九州広域行政機構について(知事)

去る2月17目、アクション・プラン推進委員会の第1回会合で、「九州発」の構想である「広域行政機構法の骨子案」を説明しました。片山地域主権推進担当大臣からは九州の考え方はよくまとまっているとの話があったところです。

この構想は、これまで国会や大臣の目が届きにくかった国の出先機関を、地域に精通している知事や議員をメンバーとする広域行政機構の下に置くことで、出先機関の弊害と言われている、地域二一ズヘの柔軟な対応の欠如、住民ガバナンスの欠如、二重行政による無駄・非効率といった課題を解決しようとするものです。

具体的には、出先機関の事務・権限・人員・財源等について「丸ごと」受け入れ、執行機関である「知事連合会議」の下に置き、別に議事機関である「議会代表者会議」を設置し、現行の地方自治体と同じように二元代表制で運営することを考えています。これにより、様々な地域ニーズを迅速かつ的確に捉え、

住民の厳しいガバナンスの下で、無駄を省いた効率的な行政運営が図られるものと考えています。

加えて、外部監査制度や住民による直接請求制度、住民監査・住民訴訟制度についても地方自治体に準じた形で導入し、「住民自治」の強化を図りたいと考えています。必要な財源については、移譲される事務・権限に見合う分を、国からの交付金として受け入れることを想定しています。

このような組織・運営形態をとる広域行政機構は、既存の広域連合制度とは異なることから、新たな立法を求めるものです。今後、この構想をたたき台にして国と九州との間で十分な協議・調整を行った上で、国は平成24年の通常国会に関連法案を提出し、最終的には平成26年度中を目標に出先機関の権限が移譲されることになっています。国の法案作成と並行して、九州においても九州広域行政機構の内部組織についての具体的な設計をしておくことが必要です。知事連合会議における各県知事の役割や執行体制のあり方、議会代表者会議の組織、定数、議員の選出方法などについて、具体的に詰めていく必要があります。機構の設立にあたっては、各県議会での審議、議決も必要になってまいりますし、また、県民の皆様にもご理解をいただけるようPRをしていくことも必要です。

九州地方知事会長として、九州各県と連携して準備を進めるとともに、議会の皆様方のご理解を得ながら、九州広域行政機構の具体化に努めてまいりたいと考えています。

市町村合併後のフォローアップについて(総務部長)

(課題)

・アンケート調査の結果によれば、合併後の主な課題として、「旧町村部対策」と「住民サービスの維持・向上」が挙げられている。

・これらの課題は、県としても、当初から重要な課題と認識していたところ。

(その後の対応)

・これまで県として、地域活性化総合補助金等により、コミュニティビジネスの立ち上げ支援をはじめ、消防団応援隊の設置、コミュニティバス運行費や宅配サービスヘの助成などを行ってきた。

・また、合併市においては、窓口業務などの支所でのサービス維持、郵便局による住民票など各種証明の交付、ケーブルテレビによる情報格差の是正など住民サービスの向上に取り組んでいる。

・更に、20年度からは小規模集落対策に取り組んでおり、小規模集落応援隊を派遣して継続が難しくなったお祭りや地区の草刈りを支援するなど、旧町村時代には無かったきめ細かな支援を行っているところ。

市町村合併支援プランの進捗について(総務部長)

・合併支援プランでは、?新市の円滑な立ち上げ及び行財政基盤の確立等の支援、?新市建設計画の具体化に対する支援、?旧町村部に対する支援を三つの柱とし、各種施策を推進してきた。

・新市の円滑な立ち上げ等を財政的に支援する合併推進交付金は、これまで約84億円を交付し、それを財源として小中学校校舎や図書館、給食センター、放課後児童クラブ施設、ゴミ処理施設、消防庁舎など様々な施設建設、ケーブルテレビの整備や電算システムの統合などが着実に進んでいるものと考えている。

・行財政基盤の確立についても、合併12市においては、将来の財政需要に備えるための基金残高が5年連続で増加するなど合併の効果が伺える。

・また、新市建設計画の具体化に向けては、例えば、県の合併支援道路は10年間の整備計画の中間点である21年度時点での進捗率が77%に達するなど、道路や下水道、農業基盤などの整備が着実に進んでいる。

・今後とも、旧町村部対策と併せて、合併新市の振興・発展を支援していく。

市町村への権限移譲について(総務部長)

・18年度から市町村と協議を始め、これまで移譲対象とした21事務のうち12事務については、移譲が完了。

・残る9事務については、受け入れ準備が整ったところから順次移譲を進めており、例えば、旅券法に関する事務は16市町村に移譲済みである一方、農地法に関する事務は3市村にとどまっているなど、受け入れ状況に差が生じている。

・権限移譲は市町村の十分な理解と受け入れ態勢の下で実施することが肝要であることから、当初から市町村担当課長をメンバーとしたワーキンググループを設けて、移譲に向けた課題を整理しながら進めている。その中で、市町村からの要望に応えて、事務処理マニュアルの作成や、事前研修などきめ細かな受け入れ支援も実施してきている。

・一部の市町村からは、処理件数が少なく県で行った方が効率的だとか、すぐ近くに県の機関があるからいいではないかといった声もあるが、住民視点に立って、住民メリットを第一に考えて対応していただきたいところ。

・今後もワーキンググループの場等を活用し、国の動向を逐次情報提供するとともに、市町村との議論を深めながら、円滑に移譲を進めていきたいと考えている。

農林水産業の振興について(知事)

農林水産業は、課題の多い今こそ構造改革のチャンスと捉え、2千億円という高いハードルを掲げ、その再生に取組んでいます。再生の第一の切り札として進めてきた、市場を見据えた「商品づくり」は着実に成果を上げています。

例えば、ピーマンは、京阪神市場への出荷により農協取扱額が11年ぶりに10億円を突破し、白ねぎは、今年に入って京都市場でも出荷量がトップとなるなど、大分ブランドは大規模市場で地歩を固めつつあります。

木材生産では、市場ニーズを踏まえて開発した大分方式乾燥材等の生産量が、18年度の1万8千立米から22年度は7万9千立米と大幅に拡大する見込みです。

また、全国一の養殖ヒラメ、三位の養殖ブリでは付加価値を高めた「かぼすブリ・かぼすヒラメ」を新たに市場出荷するに至りました。

このように、順調なものがある一方、米の作柄や価格が下落傾向にあるため、産出額全体としては厳しいものがあります。

再生の第二の柱である力強い経営体の確保については、集落営農組織は152が法人化し、19年から取組んでいる農業への企業参入では、既に95社が参入し、目標の105社を達成する見込みです。また、その生産目標は90億円を超え、生産の本格化につれて更なる上乗せが期待できます。

このような成果を踏まえ、本県の農林水産業は、今後も「マーケット起点の商品づくり」と「力強い経営体の確保・育成」を柱に進めてまいります。

農業では、大規模市場で存在感を増した、ねぎ類の売上げ80億円を目指すなど、園芸戦略品目の更なる拡大を図ります。畜産は、4年間で2200頭増加した肥育牛の商品性の向上を図り、更なる増頭を目指すほか本県の持つ画期的な特許である豚の凍結精液により生産コストの削減を進めます。

また、担い手の確保については、企業参入の成果もあり昨年度138名まで増加した新規就農者について、その確保目標を年間200名、5年間で1000名とします。

林業では、12年連続日本一の乾しいたけの生産拡大を進め、木材については大分方式乾燥材等の需要を拡大し、これを森林・林業の再生に繋げます。また、九州各県と連携して木材の海外輸出を拡大します。

水産業では、ブリフィレ加工場の完成も間近となり、県産ブリの商品性が格段に向上することから、今後は取引の拡大に取組みます。

このような取り組みをスピード感を持って進め、「もうかる農林水産業」を実現してまいります。

林業従事者等の減少について(農林水産部長)

(県民への周知)

・森林の持つ多面的機能や森林を育てる林業の重要性については、森林環境税を活用し、積極的に県民一の周知を行っている.

(林業従事者等)

・林業従事者の減少一については、外材輸入等による材価低迷が大きく影響していると考えられるが、新規就業者については、「緑の雇用担い手対策事業」や「緊急雇用対策事業」の活用により、近年、増加傾向にあり、ここ5年間で合計214人を確保した.

・乾椎茸生産者については、市況の回復や新規参入の取組みにより、19年の4,076人を底に減少に歯止めがかかり、ここ2年間で67人増加した。

(県民の森利用)

・県民の森利用者については、天候に左右されるところも大きいが、ここ5年間は17万人前後で推移しており、18年度からは、指定管理者制度を導入し、利用者数の増加を図るため、ラベンダー祭り、さくらまつり等の各種イベント情報の発信に努めている。

森林整備の推進について(農林水産部長)

(現状)

・森林の整備については、地球温暖化防止のための森林吸収源対策として、18年度から24年度までに8万4千haの森林整備目標を設定し、計画的に実施しており、21年度までに4万6千haの間伐等を実施した。

・森林の持つ多面的機能の周知については、マスコミ等を通じたPRを実施するとともに、森林ボランティア活動の支援などを行っており、この4年間で県民や企業等の森林ボランティア活動に4万3千人、子供達の森林体験学習で2万8千人、延べ7万人を超える方々に森林整備活動に参加していただいている。

(まとめ)

・今後とも、公共事業等の活用により、森林機能の回復を図るとともに、県民総参加の森林づくりを推進してまいりたい。

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