平成21年7月 第2回定例県議会 一般質問 答弁


財政規律と景気対策について(知事)

 今回の補正予算編成では、今次の経済危機への緊急対応とともに、県が取り組むべき諸課題に前広に対処するための施策を盛り込みながら、併せて、将来の財政運営にできるだけ支障を来すことのないよう財政規律の維持にも意を用いたところです。
 特に、財政規律については、過去の度重なる公共事業偏重の景気対策により県債残高が大きく膨らみ、結果的に財政の硬直化を招いたという苦い経験があることから、財源手当について可能な限りの工夫をしました。
 具体的には、国から交付される2つの臨時交付金や複数年度にわたり政策を実行できる各種基金を最大限活用するとともに、交付税措置のある補正予算債を活用することにより、一般財源を使わずに、必要な施策を計上したところです。
 公共事業の財源については、今回、公共投資臨時交付金が措置されましたが、道路、河川等の法律補助事業にはこの交付金が直接充当できないため、補正予算債を充当せざるを得なかったことから、県債残高が増加します。後年度に交付税措置があるとはいえ、県債残高が増えることは十分注意しなければなりませんので、これについては、公共投資臨時交付金を今後、当初予算計上の県債と振り替えたり、基金に積み立て来年度の投資的経費に活用することにより対応したいと考えています。
 積極的財政出動と財政規律は通常、両立し難いところがあるのですが、今回の補正予算では、財政規律を緩めることなく、経済危機を乗り越えるための景気・雇用対策に加え、県内産業の足腰強化や子育て・教育環境整備など、将来にわたり効果がある施策を講ずることができたと考えているところです。

財政健全化について(総務部長)

(県の財政健全化指標の状況)

.県の19年度決算では、実質赤字比率、連結実質赤字比率とも、黒字決算のため数値はなく、実質公債費比率は11.9%、将来負担比率は212.4%といずれも早期健全化基準を大きく下回る。

(合併後の市町村財政)

・市町村の普通会計決算を16年度と19年度で比較すると、義務的経費のうち、扶助費や公債費は増加(計約140億円)したものの、合併効果により、それを上回る人件費、物件費の減(計約170億円)を達成。
・基金残高は、3年連続で増加し、239億円増(+23.8%)
・このように、合併による財政面でのメリットが現れている。
(財政健全化法に基づく市町村財政の評価)
・19年度決算では、実質赤字、連結実質赤字の団体はない
・実質公債費比率、将来負担比率とも早期健全化基準を超える団体はない
・県内の市町村の指標は、全国的に見れば、概ね健全な範囲内にある
・しかし、財政健全化法の4指標をクリアしているから安心というものではない
・厳しい経済環境の下、引き続き財政基盤の強化に努める必要あり

(再質問)

・合併は、市町村の財政基盤の強化に一定の効果あり
・財政健全化法の指標は、歳入歳出のみならず、県債残高などのストックや第3セクターなどを含めて、総合的に財政状況を判断する指標
・この指標をうまく活用しながら、市町村財政の健全化に向け助言していく。
・例えば、実質公債費比率では、地方債の発行に当たり県の許可が必要となる基準が、18%に設定されているため、この基準をクリアする財政運営を助言

臨時財政対策債について(総務部長)

(制度)

・臨時財政対策債は、地方の財源不足を交付税特別会計借入により賄う従来方式が、将来負担の存在を国民に分かりづらくしているとして見直され、平成13年度から始まったもの。

(元利償還金の交付税措置)

・その元利償還金は、地方交付税法に基づき、交付税に全額算入されているが、交付税総額が大幅に削減されている一方で、償還額は年々増加しており、実質的な負担感は増大している。

(臨財債の22年度以降の動向)

・例年8月に出される地方財政収支の仮試算を待たねばならないが、交付税原資となる国税5税の状況を見ると、臨時財政対策債の発行を要しないとは考えられず、従来のルールが維持されるのではないかと予想。

(臨時財政対策債の償還財源)

・21年度の地方財政計画上、臨時財政対策債については5兆1,486億円のうち、13年度以降に発行した既往の臨時財政対策債の元利償還分として1兆4,533億円が計上されている。
・過去の借金の返済を新たな借金によって行うという状況は一刻も早く脱する必要。
・交付税総額の確保、さらには抜本的な措置として地方税財源の充実等を、国に対して引き続き訴えていく。

事業仕分けについて(総務部長)

(基本認識)

・事業の必要性等を検証し、不断の見直しを行っていくことは、限られた財源の中で県民中心の県政を実現するために必要不可欠。
・そもそも地方自治法上は、事業の要・不要を、予算編成作業、更には議会の審議を通じて行うことと想定されていると理解するが、一方で、それらの過程のみで全ての事業について点検を行うことは困難な面もあることから、各自治体で行政評価制度が導入されているもの。

(本県の現状)

・平成14年度に事務事業評価、平成16年度に政策・施策評価といった行政評価の仕組みを整備し実施している。

(事業仕分け)

・「構想日本」が定義する仕分けは、国や自治体が行っている事業を、?予算項目ごとに、?必要かどうか、?外部の視点で、?公開の場において、?担当職員と議論して仕分けていく作業とのこと。
・これは県議会の常任委員会における審議と重なる部分がある。現に、宮崎県が独自の事業仕分けを実施した際に、仕分け委員会で行われた議論は、第一義的には議会と当局との間で行われるべきであるとの疑問も呈されたところ。

(まとめ)

・本県が取り組んできた事務事業評価も、創設以来6年が経過し、そのあり方について一度見直しを行うべき時期に来ている。「事業仕分け」を一つの参考に、より有効な形で行政評価が実施できるよう再検討してみたい。

CO2削減等環境保全対策について(生活環境部長)

(CO2削減目標達成状況)

・直近の平成18年度のCO2排出量の削減実績をみると、家庭部門は目標6.3%減に対して1.5%増、業務部門は目標11.4%減に対して16.4%増、運輸部門は目標6.1%減に対して2.6%増となっている。

(CO2削減などの環境保全対策)

・地球温暖化防止のための環境保全対策として、特に力を入れているのは次の3つの取組である。
・第一は、県民総参加による省資源・省エネルギー型ライフスタイルの実践に向けた取組である。マイバッグ運動やキャンドルナイト、緑のカーテン、ノーマイカーデーなどにより低炭素社会づくりを推進する。
・第二は、地球環境への負荷の少ないエコエネルギーの利用促進に向けた取組である。特に、太陽光発電導入の普及啓発等を推進する。
・第三は、森林吸収源対策としての間伐など森林整備の推進である。

(まとめ)

・市町村や関係団体と連携して、県民総参加により地球温暖化対策に取り組んでいきたい。

レジ袋削減について(知事)

 環境月間初日の6月1日から、県内のスーパーなど223店舗でレジ袋無料配布中止の取組が始まりました。マイバッグ持参率は、これまで約20%でしたが、初日の持参率は82.5%、直近のデータでは85.7%となり、県民の皆様の環境問題に対する熱心さを強く実感したところであります。
 レジ袋削減の目的は、次の3点であります。第一は、省資源・省エネルギー型ライフスタイルを考え、実践していくきっかけづくりであります。地球環境問題に対しては、県民一人ひとりの主体的な取組の積み重ねが重要であり、マイバッグ運動は、夏至の日のキャンドルナイトや緑のカーテン、ノーマイカーデーとともに、誰もが気軽に実践できる取組であります。
 第二は、ごみの減量や地球温暖化の防止に貢献していくことです。レジ袋の年間使用量は、県全体では約3億4千万枚で、重量では約3千4百トンとなり、この製造・焼却に伴うCO2発生量は約2万1千トンにのぼります。現状の持参率を維持すると、年間で約1億枚のレジ袋削減が見込まれ、CO2に換算すると約6,200トンの削減につながります。これは、杉の木約44万本が1年間に吸収するCO2の量に匹敵します。まさに県民一人ひとりが、身近にできることを積み上げると、大きな効果が期待できるということです。
 第三は、石油資源の節約にも効果があります。レジ袋は、石油を精製してできるナフサから作られます。かつては、ナフサの需要が少なく、余剰となっていましたが、その後の用途の拡大により、多くの化学製品の原料として活用されるようになり、現在では、半分以上を海外から輸入しています。限られた資源を大事に使うということからも大いに意義がある取組であります。
 これらの周知についてですが、地球環境問題は、誰もができる取組であることをしっかりと啓発していくことが大事であります。今回の取組についても、事業者、消費者団体、行政が一体となって進めており、街頭啓発をはじめ、ポスターや広報紙、テレビ等で繰り返し周知に努力してまいりました。
 また、平成19年度からは、九州統一マイバッグキャンペーンで各県と連携して、レジ袋削減の広報に努めてきたところであり、本県の取組は、九州各県にも拡がりをみせています。
 今後は、レジ袋無料配布中止の協力店舗拡大を図るとともに、県民の皆様にさらなる参加を呼びかけてまいります。

屋上緑化について(生活環境部長)

(県庁舎の取組状況と成果)

・平成19年度に県庁舎本館議会棟屋上の一部(施工面積約640?)に屋上緑化を実施した。
・冷房期間中に、屋上緑化施工部分と未施工部分の天井裏の温度差を測定した結果、最大で6.5度、平均で3.6度の温度差が確認できた。
・今年度は、県庁舎別館の屋上緑化を実施する(施工面積約210?)。
(屋上緑化の推進)
・屋上緑化は、都市中心部のヒートアイランド現象に対して効果があるが、屋上の形状や建物の耐震性等に加え、管理やコスト面から、普及についてはかなりの制約を受けると思われる。
・まずは県有施設での屋上緑化について、施工の方向性を検討する。

グラウンドの芝生化について(教育長)

(芝生化の効果)

・気温上昇の抑制や砂ぼこりの飛散防止など環境面での効果、また、スポーツ活動の安全確保や環境教育の教材としての活用など教育面での効果が期待される。

(現状)

・県内の小・中学校での芝生化は、小学校4校、中学校1校の5校となっている。
・特別支援学校15校の内、5校で人工芝やパーク材によるグラウンド整備を既に実施済み。

(今回の取組)

・障がいのある児童生徒の運動意欲を喚起し、素足でも活動できる安全・安心で優しい環境を整備するため、特別支援学校10校のグラウンドの芝生化に取り組む。

(まとめ)

・グラウンドの使用状況は、体育の授業や運動部活動、児童生徒の発達段階などによって、学校や校種ごとに異なり、グラウンドの使用が激しい学校では、芝生の生育を阻害し、育たない事もある。
・今回の取組の実績も踏まえつつ、学校毎のグラウンドの使用方法や使用頻度、芝生の維持管理などを総合的に勘案しながら考えていきたい。

県外産業廃棄物対策について(生活環境部長)

(県外産業廃棄物の状況)

・県外産業廃棄物の大分県における埋立処分量は、平成19年度実績で16万1千トンである。
・その内、約40%が近畿地方、24%が東海地方、18%が九州から搬入されている。
・これらには産業廃棄物税及び西日本唯一の環境保全協力金を課しており、さらに条例等により、事前の審査を経たものが搬入されている。
・しかしながら、最終処分場において、火災が発生するなど、不適正処理に起因する事例も見受けられる。

(県外産業廃棄物の搬入対策)

・そこで、事前協議内容と異なる廃棄物の搬入等があった場合、不適正な処理につながる恐れがあることから、搬入停止条項を協定書に設け、本年7月から施行する。
・今後は、受入時の事前検査の徹底及び保健所監視員による監視指導体制を強化する。

大分県交通渋滞対策協議会について(土木建築部長)

(経緯)

・大分県交通渋滞対策協議会においては、平成5年度以来、3次にわたり渋滞対策プログラムを策定した。
・このプログラムに基づき、短期対策としての交差点改良や長期対策としてのバイパス整備、さらにはソフト対策として信号の調整などの渋滞対策を関係機関が連携しながら実施してきた。

(成果と現在の取組)

・平成17年度に策定した、現行プログラムにおいては、県内22箇所(うち大分市内では18箇所)を対象としている。
・これまでに11箇所で対策を実施し、うち4箇所において、渋滞の解消または緩和という成果を得ている。
・このほか、現在も国道10号宮崎交差点の改良や(都)下郡中判田線の跨線橋整備等を実施中。
・今年度は、現行プログラムの実績を検証しつつ、最新の交通データを活用して新たなプログラムを策定予定。

陸橋の撤去と交通渋滞対策について(土木建築部長)

(工事内容)

・春日陸橋は来月7月21日から撤去に着手し、8ヶ月間を要する見込みであり、大道陸橋は22年度後半から7ヶ月間を要する見込みである。
・工事は鉄道上部をJR九州が行い、その前後を県が施工する。全体を3工区にわけることで、工期短縮を図っている。

(交通規制)

・陸橋の撤去工事については、周辺に仮設橋梁を設置する用地が確保できないため、全面通行止めにより実施する。
・撤去後は、高架化が完成する平成23年度末までの間、遮断機のついた踏切となる。

(渋滞対策)

・渋滞対策については交通円滑化検討部会の中で検討し、実施してきた。

?ハード対策
・庄の原佐野線をはじめとした迂回路を整備している。
・警察本部と連携し、信号制御や道路情報板等の整備を実施している。
?ソフト対策
・県職員の時差通勤の実施や市内事業所へ時差通勤の参加を呼びかけている。
・公共交通機関の利用を促進するパークアンドライドを検討している。
・交通渋滞の緩和を図るためには、これらの対策を確実に実行することが必要となるため、県民の皆様のご理解とご協力をお願いしている。

幹線道路の右折禁止区域の設定について(土木建築部長)

・右折車両に起因する渋滞・事故の対策としては、右折レーンを設置することが基本。
・現行の渋滞対策プログラムにおいても、大分市内の7箇所について、右折レーンの設置を対策に位置づけ、実施している。
・今後とも、個別の渋滞箇所の状況に応じ、警察等関係機関と連携しながら対策を検討してまいりたい。

幹線道路の右折禁止区域の設定について(県警本部長)

(右折禁止規制の現状)

 大分市内の国道10号、197号及び210号の主要3路線で信号機が設置された交差点は197箇所です。その内、右折レーンのある交差点は123箇所、右折レーンのない交差点は74箇所です。
 右折レーンのない交差点において、終日又は時間を限定して右折禁止規制が行われているのは22箇所です。

(右折禁止の実施)

 右折禁止規制につきましては、右折車が関係する交通事故の防止と交通の円滑化及び道路利用者の利便性や周辺住民の方々への影響を十分検討の上、個別具体的に判断されるべきものと考えております。

食育について(生活環境部長)

(基本認識)

・食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実践することにより、心身の健康の増進と豊かな人間性をはぐくむ食育は極めて重要な課題である。

(取組)

?食育の推進を明記した「大分県食の安全・安心推進条例」を平成17年3月に策定した。
?平成18年3月「大分県食育推進計画」を策定した。
?推進体制の整備
・県民参加の「食育推進会議」を設置するとともに、庁内関係各課や地方機関からなる組織を立ち上げ、推進体制を整備した。
?平成18年11月に朝食を毎日食べるようにしている児童生徒の割合等20項目について、22年度を最終年度とした数値目標を設定した。20年度末現在、10項目で数値目標を達成している。

幼児期の食育について(生活環境部長)

(基本方針)

・健全な食生活を実践できる人づくりや魅力あふれる地域の食づくりなどを基本目標として、幼児期から小学生までの食育についても普及啓発を中心として進めています。

(家庭での取組)
・朝食を規則正しくとるため、手軽に調理でき、栄養バランスの取れたレシピ集や啓発用のランチョンマットを配布している。

(保育所・幼稚園での取組)
・食への関心を高めるため、「子ども料理教室」や「農業体験」などを実施している。

(小学校での取組)
・生活科等の教科の時間をはじめ、学校教育活動全体を通して、県産食材の活用や「食の安全子ども教室」などにより食育を推進している。

親子で学ぶ食育について(生活環境部長)

(基本方針)

・毎月第3日曜日を「家族みんなでいただきますの日」と設定し、PTA団体と連携しながら家庭での食育を推進している。
・併せて、大分食育コーディネーターや地域の食育推進ボランティアなどからなる「食育人材バンク」を活用し、料理教室や食育講習会など、親子や親自身が食育を学べる機会を提供している。

生涯学習における食育について(教育長)

(生涯学習における食育の位置づけ)

・学校教育、社会教育等のあらゆる機会を通じて、食育についての学習を進めることが重要である。

(学校教育の具体的取組)

・本年度から、学校における食育をさらに推進するため、体育保健課内に食育推進班を設置した。
・学校、保護者、生産者等の連携・協力による食育推進検討委員会等の事業をモデル的に県内2地域で実施する。
・小中学校の管理職と食育推進担当教諭を対象とした研修会を実施する。
・全市町村において、学校給食への地場産物活用促進により食育を推進する。
・栄養教諭等を中心として、教科、特別活動、学校行事等の学校教育活動全体を通じて、さらに食育を推進していく。

(社会教育の具体的取組)

・家庭教育を推進するため実施している「おおいた親学のすすめ推進事業」において、PTA主催の親子で考える食育講演会や体験活動等を実施していく。
・県立社会教育総合センターの「おおいた学びの輪推進事業」において、食育に関する5講座を実施するなど、生涯の各期において食育について学ぶ様々な学習機会を提供していく。

(まとめ)

・保護者や家庭の協力のもと、関係機関等と連携して、食育についての学習を進める。

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