平成19年3月 第1回定例県議会 一般質問 答弁
1 今後の県政について   答弁者 知事

 私は、次期県政の執行にあたっては、多くの県民の皆さんが参画し策定した「安心・活力・発展プラン2005」の着実な実現に力を注いでまいりたいと考えております。
 プランの柱の一つr安心」の分野では、お年寄りの方々が生涯現役で活躍でき、障がいのある方も地域で生き生きと生活し、また、安心して子どもを生み育てられ、子育てを社会全体で応援するなど、地域全体で支え合う福祉コ・ミュニティづくりを進めてまいります。
 次に「活力」の分野では、企業誘致の結果進んでいる自動車・電気機器・半導体産業の集積をさらに進め、地場企業の参入を促進するなど、集積に厚みを加えていきたいと考えております。
 また、今後5年が勝負の農林水産業の振興については、安全・安心な大分ブランドの確立、大量・周年の需要に応える広域・県域での生産流通体制の強化、企業的経営体とともに集落営農組織の育成・法人化などの力強い担い手づくり、更には食品加工企業の誘致等を通して農林水産業を再生してまいります。
 さらに、観光と地域づくりを一体とするツーリズムの推進も図ってまいります。
 次に「発展」の分野では、将来の大分県の発展を支える人づくり・教育を推進したいと思います。子ども連の学力向上や豊かな人間
性の育成、特別支援教育の充実、いじめ不登校対策の取組強化、また、高校改革を着実に進めてまいります。
 さらに、大分県発展に不可欠な社会基盤である東九.州自動車道・中津日田道路・中九州横断道路などをはじめとした道路や港湾などの整備を戦略的かつ着実に進めてまいります。
 また、市町村合併後の旧町村部対策を含め、新市建設への支援を企庁を挙げて引き続き取り組んでまいります。
 現代は、多様な価値観が共に生きる時代です。「高齢者も若い世代も安心して心豊かに暮らせる」「豊かな天然自然が輝く一方で産業集積が進む」「伝統的な文化と共に若者の輝きがある」「都市と農山漁村がともに元気溢れる」というような多様性を持ち、懐の深い施策を展開し、「住んで良かった、住んで
みたい」と誰もが実感できる大分県づくりが私の県政の目標であります。
 これからも「県民中心、県民のための県政」の初心を忘れず、地域で県民の皆さんの声を聞き現場からの発想を大切にして「新しい大分県の創造」に県民と共に挑戦してまいりたいと考えております。

2 県内景気について  答弁者 知事

 本県の景気は、大手進出企業等の製造業を中心とする旺盛な設備投資や高い生産水準が主導する形で緩やかな回復をたどっているとされてます。また、雇用面においても有効求人倍率が14年ぶりに昨年6月から1倍を超えるなど、明るい兆しも見えます。しかしながら、地域、業種、企業規模等によってばらつきが見られるとともに、個人消費も伸び悩んでいることから、実感として景気回復がなかなか感じられていないという面もあります。
 先般、内閣府が発表した平成19年度の経済見通しによると、設備投資の対前年度伸び率は7.1%から3.6%へと下がり、一方個人消費はO.9%から1.6%へ上がると見通しており、景気の牽引役が民間の設備投資から個人消費へとシフトすることが読み取れます。本県においても、このような流れを的確に捉え、個人消費の拡大による地域経済の活性化を図ることが重要です。
 そこで、次のことに積極的に取り組みます。一つ目は、企業誘致を引き続き積極的に推進し、それによって拡大される経済活動の土俵の上で地場企業を振興し、雇用と所得の確保を図ります。「集積が集積を呼ぶ」好循環が生じているチャンスを捉え、その効果を地場企業へ波及させることが重要です。
 私は、就任以来、地場企業の振興に努めてきました。その結果、大半が地場企業である小規模事業所の製造品出荷額等も九州トップの伸び率となり、地場企業は着実に力をつけていると考えていますが、まだまだ経営革新や技術革新など努力を要するところもあります。県としても、こうしたところに積極的に支援を行い、地場企業の収益の増大や雇用の拡大を図り、ひいては従業員の所得の増加などを通じて個人消費の拡大を目指します。
 さらに、本県にとって個人消費の拡大を図っていくためには、農林水産業における所得の向上を図ることも大事です。知恵を出して儲かる農林水産業の実現を図るとともに、豊富で特色ある農林水産物等の地域資源を活用して、新商品開発等を行う地場企業を支援し、地域の強みを生かした産業を育成したいと考えています。
 二つ目は、個人消費の拡大を誘う消費環境の整備です。日銀大分支店によれば、大分支店での現金の受払いが約一千億円のr支払超過」になっている一方、福岡支店では逆に約七千億円の「受入超過」となっており、大分から福岡へ消費が流出しているとも考えられます。このため、「健康」、「快適な空間」、「自由時間」等の消費者二一ズを的確に掴み、魅力ある商業・サービス業の振興を図ります。
 中心市街地活性化の取組を支援して魅力ある商店街の形成を促すとともに、観光資源に磨きをかけ、県外か一らの訪客を図るなど、県内での消費を喚起します。
 このような取組により、県内景気の足取りをより確かなものとし、県経済の発展、振興に努めます。

3一(1) 県債残高について  答弁者 総務部部長

 本県ではこれまでも、県債の発行にあたっては、交付税措置等を吟味しながら、可能な限り抑制に努めてきました。その結果、プライマリーバランスは13年度から6年連続で黒字を確保しており、これは全国では東京都を除き4県のみという状況であります。
 この間、交付税の振り替わりである臨時財政対策債や災害対応の県債などの発行を余儀なくされており、特に臨時財政対策債については、約1,460億円発行しましたが、県債全体の残高は450億円の増加に止めてきたところであります。
 ご質間の肉付け予算後の残高については、今後、税収や地方交付税の動向を見極めながら、県債を充当する公共事業等の投資的経費の規模を判断していくことになるため、現時点では流動的ですが、地方財政計画に組み込まれた退職手当債を発行せざるを得ない状況等を考えますと、18年度末残高を下回るようにするのは厳しいと考えております。
 しかしながら、県債現在高が一般財源総額の規模に対してどうかという指標(現債高倍率)で全国比較しますと、本県は、良い方から25番目の中位にあり、財政規模に比べ残高が大きすぎるというような状況にはありません。さらに、財政調整用基金残高についてみますと、多い方から12番目となっております。県債残高と基金残高を両眼みしながら、行財政改革に努めてきた結果と受け止めております。
 国は、今後とも地方交付税を削減し、地方債への振り替え措置で対応することが予想される中、県としては、まず自主財源である県税の増収に努めるとともに、更なる歳出削減など行財政改革を進め、県債残高の抑制と財政調整用基金の備えに留意してまいりたいと考えております。

3一(2)職員の再就職について  答弁者 総務部長

 部次長級職員に対しては、職員の新陳代謝を促し、総人件費の抑制を図る観点から、定年より1年前に退職勧奨を行っております。その再就職については、県事業の推進とかかわりが強い公社等外郭団体などからの要請に基づき、退職者を適材適所で推薦しております。
 また、民間企業への再就職については、県職員としての技能・経験を退職後の生活に活かすために、退職者が自ら開拓しているものであります。
 国では、国家公務員法により、退職後2年間は、退職前5年間に在籍していた府省等と密接な関係にある営利企業に再就職する場合は人事院の承認が必要とされております。
 一方、地方公務員法にはそのような規定がなく、現状では再就職を規制することは難しいと思われます。
 しかしながら、県政に対する県民の信頼を高めるためには、退職者の再就職について透明性の向上を図ることが必要であります。
 これまでも課長級以上で公社等外郭団体に再就職した場合はホームページで公表してきましたが、本年度末から、本人の同意を得て、県出資団体、建設業許可を有する法人の役員等に就職した場合も公表することとしました。
 加えて、退職者が永年培った能力・経験の有効活用を図るため、退職予定者人材バンクを19年度から設けることとしました。
 この人材パンクは、退職予定者の人材情報を登録し、それを希望する法人に提供するもので、雇用条件には、県は関与せず当事者の交渉に委ねられることとなります。

3一(3)公共事業部門の職員配置について 答弁者 土木建築部長

 平成14年度と18年度の公共事業部門の職員定数を比較すると、職員数で204名、率で13.7%の城となっています。
 同期間の公共事業費の削減幅ほど職員を削減できない理由は、土木施設の維持管理業務はむしろ増加していることや、官公需における中小企業者の受注機会増大のため、適切な分離分割発注に努めてきた結果、14年度の5,828件に対し、17年度は5,713件と契約件数にほとんど変動がないことに加え、17年度の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の施行に見られるように公共
事業のあり方や進め方が、従前と大きく変わってきているという事情があります。
 まず、公共事業の構想・計画段階では、透明性、公平性の確保や説明責任等から地域住民の合意形成を図る事例や環境影響評価手続き等の業務が増加しています。
 また、設計・発注段階では、経費や時間等について総合的なコスト縮減を推進するとともに、発注見通しの公表、入札制度改革や低価格入札への対応などが必要になっています。
 さらに、発注から完成までの各施工段階で、職員が自ら現地確認を行う現場管理業務が増加していることに加え、一定期間を経過した事業の再評価が義務づけられたことなどから、事業費だけでは計れない業務が増加しています。
 なお、公共事業部門に課せられた重要な使命の一つに、県民の生命や財産に直結する災害時の対応が求められており、このためにも12土木事務所の維持と、そこにおける一定の職員配置が必要と考えています。
 今後とも、公共事業の適切な執行に努め、完成した施設の品質確保を促進するとともに、土木施設の維持管理や災害対応等が円滑に行われるよう、行財政改革プランを踏まえた上で事業費と業務量に見合った適正な職員配置を心がけてまいります。

4 契的における労働者の保護について  答弁者 商工労働部長

 県においては、労働者が安心して活き活きと働ける環境を整備するため、大分労働局とも連携し、労働講座の開催や広報誌「労働おおいた」の発行などを行い、労働関係法令の普及啓発に努めているところです。
 また、県が行う個々の契約においても、例えば建設工事については、一「工事請負契約に係る指名基準」により、下請け代金の支払い遅延や安全管理面の不備、賃金不払いなど労働福祉の状況から見て、明らかに公共工事の請負者として不適当であると認められ・る業者は指名しないことや、「最低制限価格制度」などを活用して、労働条件に影響を及ぼす恐れのある過剰に廉価な請負契約の防止に努めているところです。
 公契約にかかる諸問題については、民間の賃金にかかる労働条件は、労働基準法、最低賃金法等で定める法定労働条件に反するもの以外は、当事者間で自主的に決めることが基本であることや、国においても「公契約における労働条項に関する条約」いわゆるIL094号条約の批准がされてない現状から、今後の国や各県の動向を注意深く見守りたいと考えています。
 いずれにしましても、県が行う契約に限らず、すべての事業者の契約において、賃金、労働時間、安全衛生等の労働条件が適正に守られるよう、労働関係法令の周知徹底を図り、事業主にも法令遵守を求めていきたいと考えています。


5 道州制について  答弁者 知事

 国においては、昨年9月の安倍内閣の発足時に道州制担当大臣が置かれ、今後3年程度で道州制ビジョンを策定する方針が示されました。また、本年1月には、日本経済団体連合会が、「平成の廃藩置東」として201-5年度を目途に道州制の導入をめざすとの提言を出しております。
 全国知事会においても、様々な意見がある中で、地方分権を推進する観点から、本年1月に「道州制に関する基本的考え方」を取りまとめています。
 このように、道州制実現に向け、議論が盛んになってきております。中でも九州においては、他の地域に比べ、地域割りがあまり問題にならないこともあり、道州制の議論が進み、九州地域戦略会議において、議員ご指摘のような答申が行われたところです。しかし、これは道州制の峰要性などいわば総論的な部分であり、これから更に踏み込んだ議論をすることになります。
 これから九州での議論は、国の任務、道州の任務をどのようにするのか、道州が主体的に政策展開できるような税財源や財政調整制度はどうあるべきかなど、各論にわたってまいりますが、私は、何よりも先すは九州の具体的なビジョンを描いていくことが大坪であると考えています。九州にとり、大分にとり、夢が持てるビジ白ンが描けるならば、道州の「九州」に進.めばよいし、良いビジョンが描けないのであれば、止めれば良いと考えています。
 そういう観点から、私は、昨年10月、福岡で問題を提起してきました。
 九州が一つになれば、アジアとの近接性など九州の利点を総合的に生かし、シリコンアイランド、カーアイランドとしての九州の発展、九州一ブランドによる農業の振興、多様で豊かな天然自然を生かした観光の振興が図られるといった様々な可能性を提示して、議論を盛んにしたいと思った次第です。
 いろいろな人が道州のビジョンを提示し、住民から見て魅力のある展望が開けるかどうか、大いに議論していけば良いと考えています。
 また、市町村合併が進み、次は道州制だという.声もありますが、今、本県にとって重要なことは、合併後の新.市の地域づくり、地固めの支援に全力を傾注することとの思いもあります。
 しかしながら、道州制の議論は避けて通れませんし、様々に議論が広かってまいりますので、本県としても、県民の視点に立ち、道州制にどのような夢が描けるのか、どのような発展可能性があるのか、逆にどのような課題があるのか、制度のあり方など諸外国の事例等も調査研究し、議論して参りたいと考え
ております。


6一(1)旧町村部対策について 答弁者 総務部長

 まず、旧町村部対策事業の進捗と成果についてであります。
 本年度の52事業、369億円の旧町村部対策事業については、2月末時点で、旧町村部への投資見込み額が全体で220億円を超え、重点投資割合も60%を超えています。
 いくつか具体例を申し上げますと、特に要望の強い道路整備については、国道502号岩戸バイパスをはじめ20工区が本年度中に完成予定であるとともに、国道388号小蒲江・森崎バイパスなど新たに20工区の改良工事などに着手したところであります。
 また、交通手段の確保対策については、全ての新市で交通計画の策定が進むとともに7つの新市でコミュニテイバスの試験運行が行われるなど新市の取組が本格化しています。
 加えて、高齢者等の相談窓口についても、9つの新市の27の旧町村部で、県の支援を受け総合相談支援センターが設置されるなど相談体制が整ったところであります。
 更に、活力創造特別対策事業では、昨年度から合わせて32事業を承認し、昨年9月末現在で、110.名を超える雇用とおよそ2億円の原材料等の地元調達につながっています。
 この事業では、このほか湯布院地域での高齢者配食サービスの新たな展開や真玉地域での伝統文化の保存継承活動、更には野津原地域でのスポーツを通じた地域.コミュニティ形成の取組なども幅広く支援しています。
 次に一、新合併影響調査を踏まえた今後の課題と対応についてであります。
 調査の中で引き続き解決を求められる課題として、交通手段の確保や昼間の消防団員確保対策、高齢者等の安心の確保などの声がありました。
 一方、旧町村部の課題を地域住民だけで解決していこうという発想を転換して、例えば、宇佐・国東の広域観光の取組のように、地域の活性化牽広域的な視点から実現していこうという新たな動きも始まっています。
 県としては、残された課題の解決や新たな取組が着実に実を緒ぶよう、本年度同様の予算規模の確保にも意を用い、新市とも連携しながら、全力で取り組んでまいりたいと考えています。

6一(2)消防団員の確保について  答弁者  生活環境部長

 本県の消防団員数は、現在、16,125名で、この10年間で1,639名減少し、
平均年齢は2.1歳上昇しています。また、消防団員の約7割を被.雇用者が占める中で、市町村合併に伴い支所職員が減少したことにより旧町村部では昼間の消防力不足が心配されています。
 これまで団員の確保は、団員の地縁等を通じた勧誘によって行われてきましたが、過疎化や高齢化が進む中で、一新たな団員の確保が難しくなっているところです。
 こうしたことから、県では、市町村に対し、災害対応や訓練等の全ての消防団活動に参加しないまでも、特定の活動や役割に限定した機能別消防団の導入を働きかけているところです。機能別消防団の具体例.としては、経験豊富な消防職員や団員の0B、主として予防広報活動を行う女性団員、さらには勤務地で入団する勤務地団員等があります。
 現在、旧町村部に赴き、消防団や住民の皆さんと一緒に消防団員の確保方策について話し合いを行っているところであります。この中で、火災発生時に消防団の0Bが積極的に協力している実態はあるが、機能別消防団の導入には、訓練や指揮命令のあり方や報酬及び手当Iについて、基本団員との関係に留意すべきであるという意見が出されています。
 県としましては、市町村が団員確保のために、地域の実情に応じて機能別消防団を導入することが必要と考えており、引き続き、機能別消防団員の確保に要する経費に対し助成するとともに、その導入を強く働きかけてまいります。

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