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県政クラブの梶原九州男です。
本年第一回定例会にあたり、県政クラブを代表いたしまして、質問を行います。
1 格差社会に対する時代認識について
はじめに、知事の時代認識について伺います。
知事は、昨年11月に大分県新長期総合計画「安心・活力・発展プラン2005」を策定し、私達の進むべき指標について示されました。計画は良く出来ていると高く評価いたします。その道筋についても具体的に達成目標を掲げ、努力の跡がうかがえます。また、時代の潮流で取り上げられている項目、「人口減少、高齢化、少子化の進行」「グローバル化の進展、国際化、高度情報化」「環境問題」「災害への備え、安全安心への関心の高まり」「地方分権・自立、財政の健全化」など、認識は同じであります。それらを踏まえ、私がさらに時代の認識として、捉えておかなければならないと、感じたことを申し上げ、知事の考えを伺います。
私の考えを述べる前に、お断りをいたしておきますが、競争社会や規制緩和が全て悪いと言っているわけではありません。限度があるということを申し上げたいわけであります。
景気は回復している。「ゆるやかな景気回復のもと、家計面でも雇用・所得環境が着実に改善している」2005年の経済白書はこのように述べております。果たしてそうでしょうか。景気回復を実感する少数の「勝ち組」と競争に敗れた「負け組」、バブル崩壊後、こうした社会の二極化が進んでいると言われています。それは産業・金融・雇用など幅広い分野で、規制が緩和され、市場原理による「自由な競争」が激化したからだと言われています。生産効率を追求するため、企業はリストラを行い、単純労働を低賃金で解雇しやすい非正規雇用に置き換え、正社員の労働には徹底した成果主義を導入しました。その結果、失業率が上がり、フリーターが増え、さらに同じ企業の中でも、勝ち組と負け組に分かれるようになったといわれております。
総務省の労働力調査によると、昨年の4〜6月の平均雇用者数は、3,408万人で、非正規雇用者数は1,624万人。5年前と比べると、正規雇用者は222万人減り、非正規雇用者は351万人増えた。その結果、雇用者全体に占める非正規雇用者の割合は26%から32.3%に拡大した。つまり「いつでも切れる」「いつでも解雇できる」非正規雇用者が増えたという事になります。
そもそも「きる論理」によるコスト削減は、バブル崩壊後に日本の企業がこぞって米国から輸入した経営手法だといわれています。その米国では経営効率化の流れが、景気回復後も継続され、従業員の大きなストレスとなり、最近では日本に先駆け、見直す機運が高まっているそうであります。つまり、「きる論理」は組織を破壊し、業績に負の影響をもたらす。逆に従業員を大事にすれば利益は後からついてくるという考え方であります。毎年「全米でもっとも働きやすい会社ベスト100社」を選んで発表している、米国の経済誌によれば、評価の重点は従業員の満足度に置かれ、「経営陣に対する信頼度」「仕事に対する誇り」「同僚との連帯感」が中でも重要となり、「満足した従業員は満足した顧客を生む」を経営理念に掲げ、スポーツ施設や食堂、託児所など福利厚生面の充実に努める企業も出てきている。つまり、働きやすい職場を作れば、優秀な人材が集まり、意欲的に働く社員が顧客満足、ひいては会社の成長を生むという考え方だと述べております。
つまり、日本社会は、欧米の失敗に学ぶことなく、富めるものとそうでない者の二極化が進んでいると言われております。それは、先輩諸氏が戦後の荒廃の中から立ち上がり、高度経済成長を支え、国民の約60%が中流階層といわれた、世界に類のない社会を築いてまいりましたが、ここに来て国民所得の格差が大きくなり、中流階層の大陥没が始まったことを意味しています。
今の現象を少し分析してみると、一つは、労働分配率が減少し、資本への分配が多くなっていること。これまでは、労働者の賃金を上げる事が、個人消費を喚起し、国内経済を支えてきました。しかし、価格破壊により労働の多様化などが進められることで賃金破壊が起き、消費意欲を減少させ、景気が低迷してきました。その事により、社会の二極化が進み、格差が拡大しております。
二つには、「自分の住んでいる地域を愛する心」の欠如であります。例えば、食料自給率を見ても、先進諸国に例のない40%台の低い数字で推移しています。これは、少し高くても地元の物を消費しようという意識の欠如であり、地域を愛する心の欠如であると考えます。さらには地域と都市との格差、大分でも大分市と地方との格差がだんだん広がっていると言われております。つまり、自分さえ良ければ、自分の会社さえ儲かればそれで良いという、利己主義的な考えを蔓延させているように感じます。
なぜなら今の社会は、市場原理、競争心を助長させることのみが際立ち、その事が国を良くする、地域を良くすると言って、はばからないリーダーが多いからであります。果たしてそうでしょうか。私達のめざす社会は、もっと共同体を大切にし、人間として心豊かに暮らせる社会を創る事ではないでしょうか。
これらを見ても、私達の望む社会とは程遠くなっていると言わざるを得ません。我々が住む大分は、二極化されていく格差社会ではなく、「みんなで支えあい心豊かに暮らせる社会」を創る事が大切と考えます。そのためには、分権社会が進む中で、地域の事は地域で、そこに住む皆さん方の思いの中で、創られていく方策が必要なときと考えます。
そこで、これらのことを踏まえ、知事の捉えている格差社会に対する時代認識と、これからの取組についての考えを伺います。
2 行財政改革について
(1)行財政改革の達成見込みと18年度の重点項目について
平成18年度当初予算は、6年ぶりのプラス予算となっており、また、昭和45年以来36年ぶりに県債残高が減少したことなど、当局の努力の跡が伺えます。一方で、行財政改革の歩みが鈍化しないよう、しっかりした取組も必要であります。新年度予算の中身を見てみますと、歳入では県税収入が前年度比10.3%増と約100億円の伸びを示しており、これが大きいわけであります。次は三位一体改革の影響が少なかったということであります。また、平成19年度の地方交付税の見直しが差し迫っております。平成16年度決算で示された財政指数は、改善の方向にあるとはいえ、手放しで喜ぶ状況ではありません。さらなる行財政改革を実行し、財政の健全化に努めなければならないと思います。
そこで、平成17年度の行財政改革の達成見込みについて、さらには、平成18年度の行財政改革の重点項目についてどのように考えているのか伺います。
(2)財政自立への取組について
新年度予算編成の中で苦労されたのが、国の三位一体改革の行方、つまり影響がどのくらいあるのかということではなかったかと考えます。先ほども述べましたが、今回はマイナス影響が少なかったと言われておりますが、もう少し具体的に伺います。もともと「三位一体改革」は、地方分権の具体的事項として「地方の仕事は地方に、そのために権限や税源を地方に移す一方、地方は自分のことは自分で考え実行する」というものであります。「補助金削減と税源移譲、地方交付税改革」の三位一体でありますが、補助金削減と税源移譲は不十分ながらも一応取り組みはじめました。しかし、地方交付税制度は改革されておりません。その問題点は、一つは真面目に行財政改革を行った自治体が馬鹿を見ないか、行財政改革の努力が報われるかということであります。行財政改革に熱心に取り組むことが地方交付税制度の中で生かされる。インセンティブが働くことにより、さらに地方自治体は無駄をなくすための努力を行うことになると考えます。二つ目は、国が地方をコントロールする仕組みが依然として残っているということであります。国が認めた事業についてのみ、交付税措置のある、有利な地方債の発行を許可し、交付税が補助金化する仕組みがそうであります。
これらの問題について、勿論平成19年度の地方交付税改革の中での論議にもなると考えますが、県は真の地方分権を目指して、今後どのようにして、自立できる健全財政への取組を行っていくのか伺います。
(3)事業仕分けについて
「それは本当に役所が担うべき仕事なのか」について、民間人が役所の仕事の仕分けをする事が各地で行われております。今年の1月11日の朝日新聞によりますと、中央官庁も導入への論議を行うとありました。閣議で「行財政改革の重要方針」に明記されたとあります。一部自治体では既に行われており、歳出額で約1割が「不要」か「民間で」とされていると聞きます。民間非営利のシンクタンク「構想日本」は、これまで9県5市からの委託で事業仕分けに取り組んでおり、市町村職員(他の自治体職員)・議員に民間経営者やNPO職員らを交えた「仕分けグループ」が、作業を行っております。事業仕分け作業を行った自治体は、岐阜、岩手、宮城、秋田、高知、三重、長野、新潟、千葉各県と、神奈川県三浦、新潟、岐阜県多治見、横浜、滋賀県高島の各市で行われていて、確実に効果が上がっているようであります。
「事業仕分け」は、該当都道府県や市町村の事業の仕分けと同時に、自治体に無駄な仕事(不必要なもの、必要以上にお金をかけているもの)をさせている国の規制や基準も事業ごとに調べています。この関連で有名になったのが、長野県栄村であります。国の基準によらず自前で道路整備を行うことで、コストを大幅に削減している。国の補助金を受けずに村の支出と集落の自己負担金を使って、村の交通事情にあった仕様で臨時職員が施行している。道路1メートル当たりの事業単価は1.9万円で、もし補助金をもらい国の基準(道路構造令)に従って整備すると、単価は11.1万円と約6倍に跳ね上がるといわれております。これを特殊なケースと見るかどうかは、判断に委ねますが、今行政が行っている事業を第三者の目で再度見直しをすることも大切なことではないかと考えます。
そこで大分県でも、これまで様々な方法で事務事業の見直しに取り組んできましたが、この「事業仕分け」を導入してはどうかと考えますが、見解を伺います。
3 市町村合併について
市町村合併は、大きく進み58市町村が14市3町1村、つまり18市町村になろうとしています。合併が進んだことの良し悪しは別として、その後の街づくりについて、合併効果がそこに住む住民にとって、感じられる街づくりについて、どのようにやっていくのか。一義的には該当市町村が行うものでありますが、合併直後と言うこともあり、県としての支援を強化していく事は、新年度予算でも読み取れます。しかしそれが全てではありません、いや支援にも限界があると思います。そこで以下幾つかの点について伺います。
(1)合併新市の課題と対応について
先ず、市町村合併は成功したのかと言うことであります。勿論3月末に合併する新国東市がありますし、合併をして時間が経っていないこともあり、検証するのは早いかもしれませんが、スケールメリットを求めて、合併はしたが肝心の新市の舵取りがうまくいかない。合併をしてみて新たに生じた問題、人材が育っていなかったという問題などがあります。県は「平成18年度の県政運営方針」において、合併について「その将来を思い、苦渋の選択が行われた結果」、一方では「将来にわたり生き生きと、また誇りをもって暮らせる地域をつくるため」と述べております。
そこで、現時点での課題をどう捉えているのか、その事に対する対応をどのように考えているのか伺います。
(2)合併新市の財政状況と県の対応について
次に、新市の財政状況について伺います。合併特例債の発行、地方交付税の優遇措置など合併前は、かなり期待させることを申しておりましたが、その後の活用状況と市町村財政の現状について、どのようになっているのか。厳しい財政状況は改善されたのか、改善される方向にあるのか。「財政の面だけで言えば合併のメリットはない」と言い切る自治体もあるようです。特に町村のみで合併した新市は事務の遂行や財政運営に苦労しているようであります。県は新市の事業に対する財政支援や、合併特例債活用に対する助言も行うとしておりますが、合併特例債は借金であります。新市も大きな借金を抱えて苦労しているようであります。それらを含め、合併後の各市の財政状況はどのようになっているのか、また、県は各市に対して、どのように助言、指導していくのか伺います。
(3)市町村への権限委譲について
権限委譲については、平成18年度に具体的に検討することになっておりますが、その検討の方向について、何を基準に権限委譲をしていくのか。ある県では市町村が受け入れの態勢が出来たところから、都度委譲する旨の説明も聞きました。私は、委譲する権限や事務事業については、原則、県下市町村一律が良いと考えます。それは、一部の市に委譲することは、結果として県にもその業務が残り、二重の仕事の仕組みになってしまう恐れがあるからであります。住民に一番近い、つまり「基礎自治体」の今後のあり方とも連動すると考えます。当局の見解を伺います。
4 道州制について
私は、道州制導入については、過去3回、平成16年第1回定例会、第4回定例会、そして平成17年第2回定例会と質問をいたしてまいりました。その論議の経過も踏まえ、九州の他団体、つまり九州・山口経済団体連合会、九州経済同友会等の論議・意見、さらには国の第28次地方制度調査会の答申も踏まえて質問いたします。
これまでの私の質問に対する答弁を振り返ってみますと、最初は、先ずは市町村合併を推進し、来るべき道州制論議に備える。次に、九州地方知事会で、各県担当部長による「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」を設置して検討を行っているとの答弁。その際広瀬知事としては、?国と地方の役割分担の観点、?我が国が人口減少期に入る事と、基礎自治体である市町村の姿がどの様になるのか、?分権型社会にふさわしい体制の構築、?財政制度がどうなり、財源調整制度がどのようになっていくのかなどについて、今後各県知事とよく議論していきたいとの答弁。そして、昨年の第2回定例会では、九州地方知事会として次の3点について取組を行う。それは、?政策連合の積み上げ、?経済界との意見交換や共同研究、?外国における道州制の運用・実態について調査研究を行うとの答弁でありました。また、広瀬知事は、県のあり方の検討を行うにあたっては、国民的コンセンサスを形成する事が必要と述べております。さらに本県としては、市町村合併が進み、今、新市が地域の新たな発展に向けて行う取組を見守り、支援していく重要な時期を迎えている。このような事を踏まえながら、九州地方知事会での論議に参加していく。その過程で地域間の連携によって、効率的、広域的な運営を実施して政策連合へ取り組める分野から進めるとしています。
次に、2月28日に行われた国の第28次地方制度調査会の答申内容は、全国を9、11、13のブロックに分ける3つの区割り案、国の出先機関を道州に取込む、権限委譲として国道の管理、一級河川の管理、職業紹介など21項目を例示しています。移行時期は明示していませんが、全国同時移行実施が適当との意見でありました。
また、九州経済同友会では、昨年6月に「九州自治州構想」を、九州はひとつ委員会として発表いたしました。それによると、地域の事は地域で決める“自立経済圏九州”の実現をめざそうということ。その手段として、九州・沖縄8県と国の出先機関を統合して「九州自治州」を創設する。「九州自治州」は地域活性化政策に関して広範な権限と財源、人材を持つ広域自治体であり、九州らしい産業政策や社会資本整備を独自に展開して九州経済を活性化する構想であるとしています。九州は、1,480万人の人口とGDP48兆円のポテンシャルを有しており、これを生かす時期に来ているとしています。
そして、これらの事はその実現に相当な時間がかかる事が予想されることから、過渡的ステップとして「九州自治州特区」の導入も提案しています。
さらに、(社)九州・山口経済団体連合会では、行財政委員会の地方制度研究会から、「地方からの道州制の推進に向けて」〜「九州モデル」の検討〜を発表しています。その内容は、九州モデル5つの視点として、?広域的な産業政策の展開、?競争力のある社会資本の整備、?人材力を高める教育の推進、?対外的な情報発信・PR戦略の強化、?広域的な生活環境の整備をあげております。
そして、それらの団体が共同して、九州地域戦略会議を設置し、道州制検討委員会を作っております。メンバーは、九州地方知事会、九州・山口経済団体連合会、九州経済同友会、九州商工会議所連合会、九州経営者協会から委員を出し、さらには、大学教授も顧問として参加されております。昨年10月に発足し、12月に第一回の委員会を開催しており、大分県からも福浦総務部長が出席をいたしております。
私達県政クラブは、去る2月21日に九州・山口経済団体連合会を訪問し、道州制への取組について、勉強してまいりました。
大分県は、先の新長期総合計画では、時代の潮流と基本目標のところで「分権時代」と言う捉え方のみであり、これから先の論議の方向が具体的に示されておりません。
一方、国は第28次地方制度調査会において、先に述べたような報告をしていますが、各県と連携して出来ることから、取組をしていくのも方法だと思います。例えば、九州各県の東京事務所(物産館を含む)には125人の県職員がおり、大阪事務所44人、福岡事務所16人などとなっております。これらを統一して、九州事務所として対処する。また、上海には、去る議会で我が会派の佐藤議員も提案しましたが、福岡県、福岡市、九州電力などで上海九州事務所を設置しております。海外の事務所なども各県というより、九州で統一の方がよりわかり易いし、メリットも大きいと考えられます。また、具体的事例として、福岡には東北3県共同で、「みちのくプラザ」を出店しております。
そこで、全国的な動きや、九州の経済団体などの動きを捉えて、今後の本県の道州制に対する取組方針をどのように考えているのか伺います。
また、当面の取組として、東京・大阪・福岡などの事務所を九州事務所として統一し、さらに、上海ジェトロ事務所に新年度から県職員を駐在させるようですが、上海ジェトロではなく、上海九州事務所に駐在させるなど出来ることから、連携を強化していくことなどについて、県の考えを伺います。
5 少子高齢化について
少子化対策、高齢化対策については、これまでも多くの方が質問し、県も重点的な取組をしてきたところであります。特に、昨年3月に発表した「大分県民福祉基本計画」ユニバーサル社会の実現に向けては、地域福祉を中心に提言され、その実現に向けた取組を強化されております。一方、国における介護保険制度や医療制度、さらには年金制度の見直しなどは、いずれも高齢者の生活を直撃する内容となっております。また、少子化対策では、人口減少時代に突入し、一段と少子化問題が身近となったところであります。そこで以下の点について伺います。
(1)豊の国ゴールドプランの見直し等について
国の介護保険制度については、先に見直しが行われました。それによりますと、一つ目は制度の「持続可能性」では「給付の効率化・重点化」。二つ目に、「明るく活力ある超高齢社会」の構築では、「予防重視型システム」への転換。三つ目に「社会保障の総合化」では、介護、年金、医療等の「各制度間の機能分担」が見直しの基本的視点として挙げられております。
また、県は「豊の国ゴールドプラン21」について、今年度見直すことになっており、年度末には発表されると伺っております。
そこで、介護保険制度見直しの動向と合わせ、「豊の国ゴールドプラン21」の見直し内容はどうなっているのか。併せて、施設介護希望者が増加しているといわれておりますが、施設整備、特に特別養護老人ホームの整備方針について伺います。
(2)少子化対策について
子供を生みやすい条件とは何か。
一見、総合職の女性の方が、晩婚のように思われがちでありますが、あるデータによりますと一般職と同じスピードで結婚し、出産していると言われております。それに比べ派遣社員や契約社員は結婚がしにくい雇用形態ではないかと言われています。それは、結婚・出産は一定の収入が確保されなければ、出来ないという事になるからでありましょう。
雇用環境の悪化と、産業構造の変化が非正規雇用を増やしており、その結果低所得層が増加し、未婚や晩婚が増え、少子化しているともいえます。
もう一つは、成果主義が妥当な社会システムであるかと言うことであります。それは、成果主義の中で勝ち続けることの難しさであります。子供がいて、住宅を建て、ローンを返していくためには、将来にわたって収入の保証が必要であり、成果主義だけでは、その担保が出来にくい事になりはしないか。そうなれば結婚しない、結婚しても子供を産まない家庭が出てきて、少子化に歯止めがかからないのではないかと危惧いたしております。
そこで、県として、少子化対策を行う場合の課題をどう捉えているのか、それに対する対策をどのように考えているのか伺います。
6 農山村の維持と森林保全について
次に、環境問題を視点に置いて、農山村の維持と森林の多面的機能について伺います。
災害対策としての森林整備については、去る議会で論議しましたが、県は大分県新環境基本計画「ごみゼロおおいた推進基本プラン」を新長期総合計画を補完する形で策定いたしました。それによりますと、大分県の豊かな天然自然を、将来にわたり守り育てるとなっております。それらを踏まえ以下の質問をいたします。
(1)食料自給率について
日本の食料自給率は40%台で推移しています。政府はこれを2015年までに45%まで引き上げるとしています。一方、大分県においては、地産地消運動を通じて、地元産の農産物を消費する運動を行っております。安心・安全な農作物を供給するという視点と、地元産の農産物を食する事により、農林水産業の活性化に役立ち、ひいては、大分の自然環境を守り育てる事になります。その意味で県内における、食料自給率の向上対策も必要と考えます。
話は変わりますが、湯布院を舞台に演じられております、NHKの朝の連続ドラマ「風のハルカ」のテーマは「幸せの食卓」だそうであります。大分県から食の楽しみ、食材の新鮮さ、安心安全な農産物の情報を発信しているわけであります。この機会を大いに活用して、食に対する考えを見直すきっかけとしては如何でしょうか。
そこで、大分に於ける食料自給率の現状と、今後の食料自給率向上対策について伺います。
(2)森林保全について
次に、環境など多面的な機能を有する森林保全について、考えてみたいと思います。森林の持つ多面的な機能については、「新環境基本計画」の中でも、その事に具体的に触れております。また、新年度予算におきましても、新設した森林環境税を活用して多くの事業を計画されております。そのことは高く評価するものでありますが、それでも、過疎地域の集落は崩壊しようとしております。昨年の国土交通省のアンケート調査によると、10年以内に集落消滅の可能性のある地域は、全市町村の19%、388自治体が消滅の可能性ありと回答いたしております。大分県も例外ではないと考えます。現在行っている集落を維持していくための、中山間地域等直接支払交付金制度は引き続き、使いやすいものに充実していく事が大切と考えます。
一方、私は、山林を荒廃させないための直接支払制度が必要と考えます。現在、地域における適切な森林施業の推進を図る観点から、一定の条件のもとで、1ヘクタールあたり1万円を交付する森林整備地域活動支援交付金制度が平成14年度から始まり、平成18年度まで実施されることとなっています。山林の荒廃は環境破壊のみならず、災害を引き起こすことにもなり、山林で働く人も集落維持に大きく貢献しています。このため、私は山林で暮らす人たちのためにも、この制度の一層の充実が必要であると考えます。
いずれにしましても、森林の持つ多面的機能は、環境保全、地球温暖化対策、集落維持、さらには災害の防止など広範にわたるものであります。以上申し上げました点も含めて、森林保全についての県の基本的な考えと今後の対応について、ご見解をお示しいただきたいと思います。
7 雇用形態変化への対応について
最近の景気回復報道の原動力となっているのは、製造業を中心とした大企業であります。大分県においても、そのことは税収の伸びという形で現れており、関係者の皆さんに敬意を表します。さらに、県は一昨年、昨年と企業誘致に成功しており、関係者のご努力に心から感謝する次第であります。そのような事から九州各県に比べて、活性化している県と言われております。
そんな事から、雇用状況については、有効求人倍率も改善し、団塊世代の大量退職の時期も控えており、雇用環境は改善されてきていると言われております。しかし、一方では、心配な面も出てきております。それは、雇用形態の悪化が進行しているからでます。冒頭述べましたように、正規雇用から派遣、臨時、パートと多様化しています。労働問題や雇用問題は、国の専権事項ではありますが、各県の特徴もあろうと考えます。そこで、この雇用形態の悪化について、県はどのように考え、対策を講じようとしているのか伺います。
8 警察力の強化と治安維持対策について
1980年代半ばまでは検挙率60%で、日本の治安の良さは、世界一であったと言われております。都市部でも出かけるときに一声かければ、「鍵をかけなくても安全」と言われていたのは、そう遠い話ではありません。
しかし今、治安は確実に悪化しています。内閣府の世論調査によれば、ここ10年で日本の治安が悪くなったと思う人が9割に達した。自分や身近な人が犯罪に会うかもしれないと感じている人が8割になったと報じております。
さらに警察の犯罪検挙率が低下しています。1980年代半ばまで60%あった検挙率が、2000年代では20%台に低下したと言われております。それは凶悪犯罪が増加し、その処理に人手と時間をとられ、軽犯罪まで手が回らなくなったからと言われております。そこで警察庁では、2002年から6年間で2万人の警察官を増員する事になりました。しかし、それでも先進国に比べれば、人口一人当たりの警察官数は少ない方であるそうです。しかも今後は、2013年までに全国の警察官の4割が入れ替わると言われております。つまりベテランの警察官が退職するわけであります。
そこで国は、刑法改正により刑罰の強化を打ち出しておりますが、果たしてそれで犯罪が少なくなりましょうか。そもそも日本の治安のよさは、「1億総中流」と呼ばれた、非階層社会に支えられていたと言っても過言ではありません。冒頭でも述べましたが、貧富の格差による階層化が犯罪の増加を招いているとしたら、対策は他にあるのではないでしょうか。
他の先進国では、経済の繁栄と同時に治安が悪化したと言われておりますが、高度成長期の日本は治安が悪化しなかったそうです。その理由を「島国であるが故の民族、言語、文化の統一性」「家族、会社、コミュニティといった集団の強い結びつき」「日本の文化的伝統から生まれた、思いやりの気持ちや調和を大切にする日本人固有の倫理観」などがそうさせたと1979年の犯罪白書は述べているそうであります。それらを踏まえて、いくつか質問をいたします。
(1)犯罪の発生状況と抑止対策について
先ず、本県における犯罪件数の推移と検挙率を伺います。さらに根本的なところから取組を変えなければ犯罪の減少に繋がらないと考えます。本県における犯罪減少に向けた抑止対策の方針について伺います。
(2)警察官の大量退職への対応について
次に、団塊世代の退職期を迎え、警察官も大量退職が予想されております。向こう10年間で約1,000人の退職が見込まれ、これは本県警察官の約半数になります。定年退職者が多くなるということは、ベテラン警察官が大量退職するということであり、新人警察官の教育をはじめ、警察業務に支障をきたすことはないのか、またその対策はどのようにするのか伺います。
9 教育の振興について
教育環境の変化は、社会の変化に比べても、大きいのではないかと考えられます。
今、首都圏で起きている事は、中学受験戦争だそうであります。中高一貫教育の私立中学に行く為に、塾通いをさせている。その塾の勉強についていけないため、家庭教師を雇っている。極端な例かもしれませんが、そんな事がある雑誌に書いてありました。私立高校が経営のため、生徒を集めるために、中高一貫教育を行う事に何の疑問も感じませんが、そこまでして、子どもの学力を高めようとしている一方で、公立高校の役割は何なのか、公立高校はどれほど努力しているのだろうかと疑問に感じるのは私だけでしょうか。
私立学校の教育方針が一貫しているのは、言うまでもありませんが、公立学校は、校長が替われば教育方針が変わる事は、珍しいことではないと言われております。子どもの立場に立った教育方針をしっかり立てていく事は、当然であり、そんなに難しいことではないと考えます。しかし、生徒や親は、なぜ私立学校を選ぶのでしょうか。
そのような中、公立学校の劣勢を挽回するためにいち早く、学校選択性を導入し競争原理を働かせたのが、東京都品川区だそうであります。「校長の意識と能力が上がり、教師達が変わりはじめた」と教育長は述べています。区民が自由に小学校を選べるようになった半面、校長には住民基本台帳上の児童・生徒に見合う入学者数確保という数値目標を課していると言います。ある学校は、学力テストの成績が振るわず、児童数が減少したため、危機感を抱いた教師陣が卒業を前に児童に補習を実施、それが口コミで伝わり、翌年は入学希望者が増えたという報告もあるそうです。
さらに事例として、「地域の子どもは地域の財産。地域ぐるみで育てよう」という取組をしている。子どもは「地域のかすがい」として、親には「参観から参画へ」をキャッチフレーズに「あなたは子どものために何が出来ますか」と問う。どんなに忙しい人でも「年に1回でいいからボランティアで来てくれませんか」と誘えば、普段は断らない。そして一度参加した人は、子どもが卒業しても手伝ってくれるケースが多いという話です。
また、子ども達の学力低下の「最大の原因は生活の乱れにある」と考え、家庭の協力を得て、早寝・早起き、朝ごはんと味噌汁をしっかり食べるという正しい生活習慣づくりに取り組み、一方では、学校での徹底反復方式の読み・書き・計算の学習を実践し、成果につなげた事例も報告されています。そこでいくつか質問をいたします。
(1)教育における地方分権について
ひるがえって、大分の教育の現状はどうであろうか、あまり現場に詳しくない私が述べるのも口幅ったいが、本当に子どものための教育がなされているのだろうか。子どものための教育とは何だろうかと考えさせられます。一方で、高校での学力の低下が叫ばれています。教育委員会は昨年春に「高校改革推進計画」を決定し、その方向に向かって取組を開始しています。この計画を県民総参加で進められることを心から願うものの一人であります。そこで、行政機構をはじめ地方分権が進められている現状で、教育もまた地方が主役であり、子どもに一番近いところで、子どものための教育を実践すべきと考えますが、大分県の教育の特色づくりはどのようになされているのか伺います。
(2) 奨学金制度の拡充について
県の奨学金制度について伺います。「高校改革推進計画」では、受験機会の平等として、通学区の全県一区制も導入予定であります。高校再編と合わせ、通学距離が遠くなることが予想されます。
また、学費が払えなくて、高校の中途退学も、最近多くなったと聞いております。家庭の事情(保護者のリストラなど)で学費が払えないとすれば、これらにも奨学金が適用できる仕組みを作ることも必要です。通学費用も合わせて奨学金制度を拡充すべきと考えます。そこで、来年度予算の中でも、奨学金事業の拡充が提案されておりますが、具体的にどのようなものになるのか伺います。また、それは先ほど述べましたように、中途退学を余儀なくされる場合も、適用されるのか伺います。
(3) 学校、家庭、地域の連携による教育について
挨拶・返事・後始末という、ごく当たり前のことでも徹底して取り組めば周囲が変わり、人生が変わるという「凡事徹底」と言う言葉があります。教育は先ほど例をあげたように、当たり前のことさえ出来無くなっている。子ども達に当たり前のことから、徹底していくことではないでしょうか。
教育の現場で教師と保護者と地域が一体となって、当たり前のことを、当たり前として教え、人づくりに励む。その事が格差社会をなくし、犯罪の減少につながり、ひいては地球環境保全、つまり物を大切にする心にも、繋がると考えますが、教育長のご所見を伺います。
10 交通体系の整備について
今、県内の交通体系での大きな関心事の一つに、大分駅周辺総合整備事業があります。大分駅付近連続立体交差事業(県事業)、大分駅南土地区画整理事業(市事業)、都市計画道路・庄の原佐野線整備事業(県事業)の三事業と国道10号改良をはじめ周辺街路整備事業が進められております。
また、県内の主要道路は、その整備が着々と進んでおりますが、依然として渋滞が解消されていないところも多くあります。財政状況が厳しい中、改良改善が難しいこともありますが、出来ることから取り組むことも大切と考えます。
(1)大分駅付近連続立体交差事業について
そこでまず、大分駅付近連続立体交差事業は、当初の予定では平成20年の2巡目国体までの完成を目指しておりましたが、一部用地の取得遅れなどから、2〜3年遅れる見通しであります。待望久しかった事業でありますから、早期の完成を望んでおります。完成予定はどのようになっているのか伺います。また、この間には、跨線橋が3ヶ所あります。先日、元町の跨線橋は切替が行われました、残る大道と春日の跨線橋の架け替え時期と、その際の交通渋滞対策について伺います。
(2)庄の原佐野線整備事業について
次に、庄の原佐野線についてであります。椎迫交差点から国道10号元町付近までの、1.9キロメートルの竣工予定は平成20年で変わりはないのか、また、国道10号から大分川を経由して、下郡までの着工予定について、さらには、下郡から佐野までのルートの確定は、いつ頃になるのかそれぞれ伺います。
(3)大分市中心部の幹線道路整備について
3点目に、大分市中心部の幹線道路整備について伺います。大分市と熊本・宮崎両県を結ぶ交通の重要な結節点である国道10号の久原交差点で、一昨年の12月に国道57号犬飼バイパスが完成しました。
これまでの3キロメートル近い渋滞が一気に解消し、通勤時間が大幅に短縮され、旧道の騒音も改善が図られたと聞き、バイパス整備の効果に改めて驚いたところです。
これにより、長年の懸案であった県南・豊肥方面からの交通をスムーズに大分市内方面へ誘導することを可能としたところでありますが、さらに、平成18年度には地域高規格道路中九州横断道路の犬飼千歳バイパスが、また19年度には千歳大野バイパスが完成する予定と聞いており、ますますその利便性は向上するものと確信しているところです。
ところが、国道10号を大分市内に入りますと、大分川右岸側の宮崎交差点付近では車が一寸ズリの状態となっています。さらにこれに拍車をかけるように、ホワイトロード方面からの交通が合流し、朝夕を問わず昼間も含め、このあたりを通り抜けるのにとても時間がかかります。
宮崎交差点をはじめとする市内の渋滞対策を進めることは当然のことですが、県都大分市がこれからも発展していくためには、大分市中心部への流入・流出交通を効率的に処理する幹線道路網が必要不可欠と考えます。
そこで、県では、大分市中心部の幹線道路の整備について、今後どのように取り組もうと考えているのかお聞かせください。
以上で質問を終わります、ご清聴有難うございました。
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